ASEAN版、広告テクノロジー業界マップ2013(ディスプレイ広告)&DAC Q&A: ASEAN戦略

ASEAN Display Landscape_012413

『広告テクノロジー業界マップ』第四弾は、成長著しいASEAN市場のディスプレイ広告です。

近年、国内アドテクノロジー関連企業の、ASEANにおけるビジネス提携の発表が相次ぎ、日本市場で培ったノウハウやテクノロジーをグローバル規模で展開しようという傾向がみられます。

昨年マレーシアのアドネットワーク企業Innity(イニティ)と資本業務提携し、7カ国の RTB 市場に共同参入すると発表したデジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社(DAC)のDAC ASIA PTE. LTD.  CEO & President、清水浩氏に東南アジア市場における戦略と Innity提携の背景についてお話を伺いました。

(聞き手:ExchangeWire Japan編集長 大山忍)

 

 
■ 東南アジア市場へビジネス展開をする背景を教えてください。

Yutaka_Shimizu東南アジア地域におけるインターネット広告市場は、近年の高い経済成長に伴い、各国におけるインターネット普及率の上昇や、スマートデバイスの急速な拡大により、今後大きく拡大することが期待されています。また、その中心に位置するシンガポールには、Google、Yahoo!、MSN、Facebookといったグローバルメディア企業のアジア統括拠点が多くおかれています。

DACは、14のグループ企業を擁し、1,000社を超える媒体社、500社を超える広告会社との取引を行っている日本最大規模のメディアレップ(広告枠の仲介)事業会社です。創業当初からテクノロジーサービスにも注力しており、最先端のアドテクノロジーを日本のオンライン広告市場に提供してきました。また、グローバル対応の強化に向け、サンフランシスコにおける最新アドテクノロジー動向調査・研究拠点「Lab+(ラボプラス)」の開設、昨今拡大するアジア市場への対応として中国における北京DAC、北京i-studio、長春アド・プロの開設、そして昨年6月にはシンガポールにDAC ASIAを設立し、東南アジア主要国における市場リサーチや各種情報収集、グローバルメディア企業との関係構築、DACグループ各社の同市場への進出の支援等、当社グループの橋頭保を担う活動を開始しております。

また、東南アジア市場における最大級のアドネットワークを運営する総合デジタルマーケティング企業Innity社に資本参加し、合弁会社i-dac を設立するとともに、RTBなどアドテクノロジーを活用した広告プラットフォーム事業及び日系広告主/広告会社向けを中心としたオンライン広告代理事業を開始しております。

 

■資本業務提携先として、Innity社を選んだ背景を教えてください。

Innity社は1999年に設立、約150人のスタッフを有しASEAN諸国を中心とする9カ国に事業を展開している総合インターネット企業グループです。

同社は、配信可能なウェブサイトが1万サイト以上、月間ユーザー訪問数5千万人以上、月間20億インプレッション以上を誇る、東南アジア最大規模のアドネットワークを運営しています。また、リッチメディアを駆使した多数の広告フォーマットを独自開発するなど技術開発力にも優れ、欧米系大手から各国の現地広告会社まで幅広い顧客基盤と、同地域のローカル媒体社との強固な関係を保有しています。

DACとしては、上述の広告プラットフォーム事業、オンライン広告代理事業を早期に軌道にのせるべく同社と提携することにいたしました。

 

■ 東南アジアにおけるディスプレイ広告の現状を教えてください。特に、広告枠はどのように取引されているのでしょうか?

MediaCorpなど、ローカルの大手媒体社は、自社媒体のディスプレイ広告を通常はCPMで広告会社に販売しています。

また、複数媒体の広告在庫を束ねて販売しているアドネットワーク業者は、ターゲティングメニューやリッチ広告配信メニューをCPE、CPM、CPC、CPAといった方法で販売しております。

 

■ 東南アジアにおけるアドネットワークは媒体社の広告枠をどの程度網羅していますか?

東南アジアにおける総在庫の約75%程度と推測しています。

 

■ 東南アジア市場における、広告テクノロジーのニーズはどのくらいありますか?アドエクスチェンジやDSP/SSPと言ったデータドリブンな広告テクノロジーは東南アジア市場に存在していますか?

日本同様、広告主や広告会社の地域・業種・役割・経験によって理解度の差はありますが、欧米および日本においてアドテクノロジーが有効に活用されていることは広く知られています。また、そういったテクノロジーや知見を持つ広告会社、プラットフォーム企業が積極的に活動を始めているため、効果が実証され認知が高まれば、急速に普及するものと思われます。

 

■ 東南アジアのディスプレイ広告市場は日本市場と比較して、どのような違いがみられますか?

東南アジア各国では、経済成長に伴い広告をはじめとするインターネット関連市場が急速に伸長していることは周知の事実です。しかし、言語の壁、文化や商習慣の多様性などにより、欧米や日本のようにプレイヤーが乱立する状態にはまだ至っていません。サプライサイドで言うと、Innityのようなローカル媒体社と結びつきの強いアドネットワークが在庫の多くを持ちプレゼンスを保っていますし、DSPやSSPなどのプラットフォーム系のプレイヤーはまだ少ないというのが現状です。こうした状況の中で、DACグループとInnityは、日本でも大きく普及しているプラットフォームビジネスを2012年10月にスタートさせることを発表しました。DACグループが持つ最先端のアドテクノロジーと、Innityの持つ広範な顧客/媒体社基盤を掛け合わせ、同地域におけるプラットフォーム市場で主導的なポジションを確保すべく、両社一丸となって事業展開を進めていこうと考えています。

 

 DACは東南アジアでのビジネス展開において、Innity社へ具体的にどのアドテクノロジーとサービスの支援を、どのような優先順位で展開されていきますか?

まずは日本でトップレベルの実績とシェアを確立しているMarketOne(DSP)及びYIELD ONE(SSP)の提供によるプラットフォームビジネスの展開、そして広告配信技術・トラッキング&解析ツール、ソーシャルメディアソリューションなど、DACが日本で提供するサービスを順次現地のニーズに合わせ展開していきたいと考えています。

DAC は、新たな企業ビジョン「デジタルの未来に、もっと力を」を掲げ、今後もグローバルな視野でインターネット広告市場の発展に寄与し社会に貢献していくとともに、さらなる成長を目指してまいります。

 

※   本マップは、米LUMA Partners社のLUMAscapeのカテゴリをベースに、日本国内でのサービス提供を確認できたカテゴリのみ掲載しています。

※   本マップ作成にあたり、事前にロゴ・サービス名称の表記に関して事前許諾を得ておりませんので、もし本マップへの掲載に問題がある場合は、ExchangeWire Japanまでご連絡ください。問題箇所に関しましては、できる限り迅速に対応させていただきます。

問い合わせ先: japan[アット]exchangewire[ドット]com


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大山 忍

ExchangeWire Japan 編集長 米国大学卒業。外資系企業を経て2000年にネット広告効果測定ツールを提供するベンチャーに創業メンバーとして参画。その後、バリューコマース株式会社と合併。 2007年1月にオムニチュア株式会社(現Adobe)に参加、コンサルティングサービスを立ち上げる。ビジネスコンサルタントとして米国のベスト プラクティスを日本の課題やニーズに合わせて提供、ウェブ解析やガバナンス(データ主導の組織・仕組化)に関する執筆・講演を行う。