×

2016年までにモバイル&タブレット端末がオンライン視聴の半分を占める —Ooyala調べ

(ライター:岡 徳之

 Ooyala(ウーヤラ)は、2013年10月から12月における、世界中のオンラインのビデオ配信状況や視聴傾向に関する指標調査レポート 「Global Video Index」を公開した。Global Video Indexは、世界130カ国以上、約2億人の視聴者の視聴習慣データを匿名で毎月測定し、また、毎日数十億件のビデオ解析イベントを処理してまとめたも のである。

 

 

レポートには、モバイルおよびタブレット端末によるオンライン視聴が、2011年第4四半期以来3年間で719%と記録的な伸びを示したとある。前年度比は160%。こうしたモバイルやタブレット端末によるオンライン視聴の著しい増加は、放送事業者によるクロスデバイスの視聴・収益の向上、また広告主にとっては、多くの視聴者に向けて宣伝する機会であることを立証するものだという。

 

(画像01)モバイルおよびタブレット端末の視聴割合モバイルおよびタブレット端末の視聴割合

 

さらに、現在のペースで推移した場合、モバイルおよびタブレット端末による視聴は、2016年までに全てのオンライン視聴の半分を占めると予想している。

 

レポートのハイライトは以下の通りだ。

 

・1回あたりのライブビデオの視聴に、視聴者はインターネットTVでは平均42分間以上、PCでは約35分間を費やしている。

・タブレット端末の場合、ライブコンテンツはVODコンテンツの2倍近く 配信されている。

・この1年で、全てのビデオのうち、タブレットで再生されたビデオの割合が 6%上昇し、モバイル端末で再生されたビデオの割合はタブレットの 10倍のペースで増加した。

・2013年10月には、モバイルとタブレットにおける再生時間の合計が全体の18%以上を占め、12月末までには26%以上に達し、43%の伸びを記録した。

 

(画像02)ライブビデオとVODコンテンツの視聴環境ライブビデオとVODコンテンツの視聴環境

 

(画像03)モバイルとタブレット端末それぞれの視聴割合モバイルとタブレット端末それぞれの視聴割合

 

詳細を解説しよう。

 

アンケートに回答したのは、放送局や配信社を含む数百社。その99%が、自社のオンライン事業にとってモバイル端末が重要かつ不可欠なものだと考えていることが分かった。この流れは、Univision社が最近開始した「TV Everywhere」サービスや、Foxtel社の新しいビデオストリーミングサービス「Presto」など、世界中で証明されている。

 

ビデオ再生が可能なモバイルデバイスが浸透するなか、大手放送局も新しいマルチスクリーンサービスの展開に乗り出しており、モバイルオンライン視聴は急速に拡大し続けている。モバイルまたはタブレット端末で消費者がビデオを見て過ごす時間は、今四半期単独で全てのオンライン視聴の4分の1を越えている。また、モバイル端末の視聴者は、視聴時間の半分以上を30分以上の長編ビデオに費やし、タブレット端末の視聴者は視聴時間の35%を費やす。さらに、モバイルでのビデオ再生の割合は、2013年の第3四半期から第4四半期までに21%上昇したという。

 

(画像04)デバイスごとの視聴時間の違いデバイスごとの視聴時間の違い

 

また、モバイル視聴者は1回あたり、ビデオオンデマンド(VOD)の3倍の時間をライブスポーツの視聴に使っている。一方、タブレット視聴者は、スポーツ以外のライブビデオ視聴時間の約2倍の時間をライブスポーツに使う。先進技術を視聴者に届けることに最も積極的なのはスポーツ放送事業者で、スポーツファンは視聴デバイスに関わらず、最も積極的なビデオ消費者であるということが明らかになった。

 

(画像05)スポーツコンテンツに関するライブビデオとVODの視聴環境の比較スポーツコンテンツに関するライブビデオとVODの視聴環境の比較

 

デバイス別の特徴では、スポーツの全視聴時間のうち、10分を超えるビデオの視聴に費やす時間の割合は、モバイル視聴者が62%であるのに対して、インターネットTVが87%。とはいえ、モバイル視聴者は長時間にわたって試合のハイライトや総集編を見続けていることがよくあるという。

 

(画像06)スポーツコンテンツにおけるデバイスごとの視聴時間の違いスポーツコンテンツにおけるデバイスごとの視聴時間の違い

 

 

(編集:三橋 ゆか里)

 

ABOUT 大山 忍

大山 忍

ExchangeWire Japan 編集長 米国大学卒業。外資系企業を経て2000年にネット広告効果測定ツールを提供するベンチャーに創業メンバーとして参画。その後、バリューコマース株式会社と合併。 2007年1月にオムニチュア株式会社(現Adobe)に参加、コンサルティングサービスを立ち上げる。ビジネスコンサルタントとして米国のベスト プラクティスを日本の課題やニーズに合わせて提供、ウェブ解析やガバナンス(データ主導の組織・仕組化)に関する執筆・講演を行う。