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米DSP大手MediaMath社が東京オフィスを開設 アジア太平洋地域の基盤を強化

 (ライター:岡 徳之

デジタルマーケティング技術を開発する米MediaMath社は、東京に新オフィスを開設した。これにより同社が築いてきた日本におけるプレゼンスを向上させるとともに、アジア太平洋地域における基盤を強化する。東京オフィス新設は、シンガポール・オフィスの開設に続くものである。

 

オフィス開設の背景について同社は、アジア太平洋地域、中でも日本は世界で急成長するデジタル広告市場の1つであり、拡大を続けるMediaMathにとって当然ながら注目する市場として捉えていたという。同社は日本市場に大幅な投資を行ってきており、昨年はアジア太平洋地域では2番目となるデータセンターを東京に開設し、プラットフォーム・ワン、Kauli、adingoなどとの重要なサプライ・パートナーシップを構築してきた。

 

ExchangeWireJapan編集部は、MediaMathの共同創設者で、この3年間欧州・中東・アフリカおよびアジア太平洋地域の組織を率い、新しくグローバル最高売上責任者(CRO)に任命されたエリック・ワッサーマン氏へ独自取材を行った。

 

MediaMathは2012年8月にMaxiFierと提携し、日本市場にサービスのソフトローンチを行ってきた。同社が積極的に展開する他のグローバル市場と比較して、日本市場について学んだことや特徴を聞いてみた。

 

「日本市場は、洗練された市場へ展開する上で避けては通れないさまざまな課題を私たちに突きつけてきた。幸いなことに、我が社のテクノロジーの柔軟性によって、日本のお客様からの要求に柔軟に応えることができたと思っている。例えば、日本の大手クライアントへのOEM提供(※)では、MediaMathが持つ最大限の技術プラットフォームを活用しつつ、日本語でのユーザーエクスペリエンスに必要なインターフェースを提供できた。」

 

エリック・ワッサーマン氏エリック・ワッサーマン氏

楽天DSPの基盤はMediaMathのDSP 「TerminalOne」

 

今回の日本法人設立による日本市場の拡大に向けて、「人材・サプライサイドとの提携・インフラ・お客様」への積極的な投資を行っていくという。

MediaMathは、プラットフォームの機能強化を積極的に推進している。直近でも、4月24日にクッキー非依存型のターゲティング技術を提供するTactadsを買収、スマートフォン・タブレット・PCなどクロスデバイスでのマーケティング活動の統合を強化、5月6日にはインド・東南アジア地域を含むAPAC、EMEAでサードパーティのデータを提供するEyeotaと提携、オーディエンスターゲティングの強化を発表している。

 

日本法人の設立により、日本の企業もMediaMathの積極的な買収・提携による技術革新のメリットを受けやすくなることが期待できる。

(編集: 三橋 ゆか里)

 

 

ABOUT 大山 忍

大山 忍

ExchangeWire Japan 編集長 米国大学卒業。外資系企業を経て2000年にネット広告効果測定ツールを提供するベンチャーに創業メンバーとして参画。その後、バリューコマース株式会社と合併。 2007年1月にオムニチュア株式会社(現Adobe)に参加、コンサルティングサービスを立ち上げる。ビジネスコンサルタントとして米国のベスト プラクティスを日本の課題やニーズに合わせて提供、ウェブ解析やガバナンス(データ主導の組織・仕組化)に関する執筆・講演を行う。