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先週のアドテクシーン:DACがビッグデータ活用について国立情報学研究所教授と共同研究を開始、CAアドテクスタジオが国内初の成果報酬型ダイナミッククリエイティブ広告の提供を開始

(ライター:岡 徳之

広告テクノロジー業界を定点観測するExchangeWire編集部が、過去一週間に起きたトピックの中から特に注目すべきものをピックアップしてお届けする。

 

 

DACと国立情報学研究所教授が共同研究

デジタル・アドバタイジング・コンソーシアムとモデューロは、DMP「AudienceOne」の保有するビッグデータの分析・解析強化を目的とし、国立情報学研究所の宇野毅明教授と共同研究を開始した。宇野教授は大規模データ処理で威力を発揮するアルゴリズムの研究を行っており、具体的にはデータマイニング、データ解析、Webマイニングなどで使われる、類似性の解析や頻出パターンの発見、クラスタリングやコミュニティ発見の超高速アルゴリズムを開発している。共同研究では、宇野教授の開発したビッグデータを大まかなクラスター(集団)に分けて見やすくする手法「データ研磨」を活用し、同教授とDACビッグデータ解析部がビッグデータ分析の課題に取り組む。

 

CAアドテクスタジオが国内初の成果報酬型ダイナミック クリエイティブ広告を提供

サイバーエージェントのアドテクスタジオは、成果報酬型DSP「Smalgo」において、国内初となる成果報酬にてダイナミッククリエイティブ広告を配信する「Dynamic Smalgo」を提供する。Dynamic Smalgoは、従来のSmalgoの機能に加えて新たに、閲覧ユーザーに対してパーソナライズドされたおすすめ商品をバナー広告でリアルタイムに配信することが可能になる。企業のWebサイトに訪れたユーザーの行動から興味・購買意欲をリアルタイムに予測し、ユーザーが申込・購買に至らずWebサイトを離脱した際に、商品名・画像・価格などの情報が盛り込まれたレコメンデーション広告が、ユーザーに対して自動的に生成され配信される。本サービスは、2014年9月末よりスマートフォン向けのサービスから限定的に配信を開始しており、順次PC向けにも販売を拡大する。

 

マイクロアドデジタルサイネージがコロワイドグループの居酒屋チェーン224店舗へ広告配信

マイクロアドデジタルサイネージは、ワールドピーコムとの共同開発により、コロワイドグループが運営する飲食店のテーブルに設置されたタッチ式セルフオーダータブレット「メニウくん」への動画広告配信を開始した。コロワイドグループは国内外に約2,300店舗の飲食店チェーンを展開しており、その内224店舗に設置されたメニウくんは国内最大級のインストアメディアネットワークを形成している。今回のサービス連携により、広告主はマイクロアドデジタルサイネージが提供するアドネットワークサービス「MONOLITHS」の広告管理機能を利用して、コロワイドグループ運営の居酒屋チェーンなどの店舗に設置された約8,300面のメニウくんへの広告配信が実現する。

 

DSP「ADreco」のレコメンデーションバナーで日毎にキャッチコピーを変更

ALBERTはレコメンデーションバナーの配信に特化したDSP「ADreco」において、バナー上のキャッチコピーを日毎に変更できる機能を追加した。特定のセールや会員登録キャンペーンなどをサイトで訴求する際、これまでは当該キャンペーンに関するキャッチコピーをロゴ画像に追加する必要があった。今回追加した「毎日キャッチコピーを変更できるテンプレート」は、キャッチコピーのテキストを手配するだけでキャッチコピー入りのバナーが配信できるため、施策に対する労力を軽減でき、かつよりスピーディーなキャッチコピーの変更が可能となる。

 

「Ad Generation」と「Vizury」がRTB取引を開始

medibaが提供する「Ad Generation」は、Vizury Interactive Solutions社が提供するDSP「Vizury」と連携を行い、RTBによる広告取引を開始した。Vizuryは、マイクロアドやプラットフォームワンなどすでに国内の広くのSSPと接続している。

 

「Dynalyst」が「i-mobile for SP」「MicroAd COMPASS」と接続

サイバーエージェントのアドテクスタジオが提供する、スマートフォンに特化したダイナミックリターゲティング広告「Dynalyst」において、アイモバイルが提供するアドネットワーク「i-mobile for SP」と、マイクロアドが提供するSSP「MicroAd COMPASS」と新たに接続した。これにより、Dynalystは計12社のプラットフォームと接続したこととなり、取り扱い在庫は月間1200億impへ到達し、国内最大級となった。

(編集:三橋 ゆか里)

 

 

ABOUT 大山 忍

大山 忍

ExchangeWire Japan 編集長 米国大学卒業。外資系企業を経て2000年にネット広告効果測定ツールを提供するベンチャーに創業メンバーとして参画。その後、バリューコマース株式会社と合併。 2007年1月にオムニチュア株式会社(現Adobe)に参加、コンサルティングサービスを立ち上げる。ビジネスコンサルタントとして米国のベスト プラクティスを日本の課題やニーズに合わせて提供、ウェブ解析やガバナンス(データ主導の組織・仕組化)に関する執筆・講演を行う。