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先週のアドテクシーン:電通とGoogleのプライベート・マーケットプレイス、DACがスマートデバイス向けネイティブ広告ネットワークを提供

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network-earth(ライター:岡 徳之

広告テクノロジー業界を定点観測するExchangeWire編集部が、過去一週間に起きたトピックの中から特に注目すべきものをピックアップしてお届けする。


 

 

 

アイモバイルが国内5つのDSP事業者とのRTB接続を完了

アイモバイルが、スマートフォン向けアドネットワーク「i-mobile for SP」、およびPC向けアドネットワーク「i-mobile for PC」において、国内5つのDSPとの接続を完了した。i-mobileを利用する媒体社は、アドネットワーク広告に加えてDSPからの入札を受けることが可能になり、多数の広告による入札競争によってさらなる収益向上が期待できるようになる。

 

電通がGoogleとプライベート・マーケットプレイスを構築

電通は、Googleの持つプレミアム広告枠が選別できるアドエクスチェンジなどのテクノロジーを活用し、媒体社が保有する付加価値の高い限定されたプレミアム広告枠が中心のプライベート・マーケットプレイスを構築する。米国で目立ってきた大手TDとプラットフォームの提携が日本にもいよいよ到来する。また、グループ会社のcciやネクステッジではなく、電通が発表している点も注目したい。

 

cciが広告在庫資産運用サービスを提供開始

サイバー・コミュニケーションズは、媒体社の持つ広告在庫資産の運用サービス「Inventory Portfolio Management(IPM)」の提供を開始した。IPMは、cciがこれまで行ってきた純広告の販売代行や自社運するプラットフォームだけでなく、媒体社の持つ広告在庫資産を他社のプラットフォームにも中立的な立場で最適に分配し、広告収益の最大化を目指す。cciが、レップではなく、トレーディングデスク機能を全面に押し出していくとも捉えられる。他社のプラットフォームを利用という記述から、昨日の電通とGoogleの連携のニュースとの関連性が予想され、電通のTD部門として方向転換していくのかもしれない。

 

DACがスマートデバイス向けネイティブ広告ネットワークを提供開始

デジタル・アドバタイジング・コンソーシアムは、エディトリアルタイアップ記事とスマートデバイスに特化したインフィード型のネイティブ広告を表示するアドネットワークとのパッケージ「Smarti Native Feed」を提供する。ネイティブ広告の枠が拡大する中、ネットワーク化に着手をした。今後、Smarti Native Feedは、GPS機能を利用し、最寄りの広告主のプロダクトやサービスを体験できるスポットへの誘導を促す、広告クリエイティブをリッチ化し、クリエイティブ内に商品説明ページを付帯するなど、サービスを拡張していくという。

 

Vponが台湾向けの広告配信サービスを提供開始

台湾でモバイルアドネットワークを運営するVpon.incの日本法人であるVpon Japanは、モバイルデバイスに特化した広告配信サービス「Vpon AD network for Taiwan & China」を提供する。これにより、広告主は台湾、その他中華圏へのスマートフォンを中心としたモバイルデバイスへの広告プロモーションが可能となる。また、今回のサービス開始に伴い、国内大手のモバイル測定ツール、海外系トラッキングツールとの連携も完了している。

 

電通がデータドリブンマーケティングのパートナーとしてTurnと提携

日本のトップブランドをサポートするためのデータマネージメントプラットフォームと、プログラマティック広告の実行、および最先端の分析等のサービス提供元として、電通がTurnを採用した。PMPについてはGoogleと提携し、子会社のcciはトレーディングデスク業務を全面に押し出しているが、そのDSPにTurnを選んだことになる。これまでRocketFuelやOpenXを押してきていた電通であるが、今回の発表以降、それが変わっていくかもしれない。

 

ソネット・メディア・ネットワークスによるネット広告技術のラボ

DSP「Logicad」を提供するソネット・メディア・ネットワークスは、インターネット広告に関する技術の精度向上を目的とした研究開発を行うラボを設立した。Logicadにて開発した技術を強化するとともに、RTBに用いる見込み顧客獲得技術や、ユーザーの態度変容に応じた広告配信制御技術を研究開発していく。なかでも、ソニーグループで培ってきた、最先端の機械学習技術を適用した「パーソナライゼーション技術」をインターネット広告に応用し、各サービスへ多面的に展開していく予定だという。

 

DACがメッセージ管理ソリューションの提供を開始 LINEにも対応

デジタル・アドバタイジング・コンソーシアムは、「LINE」等のメッセージングサービスで、広告主とユーザーとのOne to Oneコミュニケーションを実現するメッセージ管理ソリューション「DialogOne」を開発し、提供を開始した。本商品は、LINEが提供する企業向けシステムサービス「LINE ビジネスコネクト」に対応している。

 

CAがLINEビジネスコネクトパートナープログラム企業に認定

サイバーエージェントのアドテクスタジオは、LINEが新設した「LINE ビジネスコネクトパートナープログラム」において、パートナー企業として認定され、10月中旬よりLINEビジネスコネクト向けマーケティングプラットフォームの提供開始を予定している。LINEの発表を機にDAC等も提携を発表しており、LINEが今後モバイルマーケティングの要の1つになると考えられる。

(編集:三橋 ゆか里)

 

 

ABOUT 大山 忍

大山 忍

ExchangeWire Japan 編集長 米国大学卒業。外資系企業を経て2000年にネット広告効果測定ツールを提供するベンチャーに創業メンバーとして参画。その後、バリューコマース株式会社と合併。 2007年1月にオムニチュア株式会社(現Adobe)に参加、コンサルティングサービスを立ち上げる。ビジネスコンサルタントとして米国のベスト プラクティスを日本の課題やニーズに合わせて提供、ウェブ解析やガバナンス(データ主導の組織・仕組化)に関する執筆・講演を行う。