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先週のアドテクシーン: エスワンオーインタラクティブがDSP「The Trade Desk」の取扱いを開始、マイクロアドとCCCマーケティングがアドプラットフォーム事業で提携

(ライター:岡 徳之

広告テクノロジー業界を定点観測するExchangeWire編集部が、過去一週間に起きたトピックの中から特に注目すべきものをピックアップしてお届けする。


 

 

 

 

 

マイクロアドがメディア支援特化の新会社を設立

マイクロアドは、メディアの広告在庫の特性に合わせた各種プラットフォームの最適な活用方法を提案し、収益の拡大を支援する専門会社 エンハンスを設立した。プラットフォーム導入に限らず、最適な活用を支援しつつ、DMPプレイヤーや広告出稿を行うデマンドサイドのプレイヤーに対して広告販売の提案を行うことで、メディアの収益拡大を支援する。具体的にはメディアに対し 「Publisher Trading Desk」の提供を開始し、ウェブサイトのデータ分析、広告バイヤーおよび主要広告主ごとの売上ポートフォリオ分析に基づいた広告在庫の最適配分などを総合的にマネジメントする。

 

マーベリックが簡易な操作で広告効果を最適化するDSPの提供を開始

マーベリックは、これまでのDSP運用および人材系のDMPから得られたデータを活かした、機械学習による広告の自動最適化エンジンを搭載した新たなDSP「Auto Sphere(β)」のサービス提供を開始した。機械学習による自動最適化により、広告クリエイティブのA/BテストがCPC指標に基づいて自動で実施できる機能、細かい設定が不要で、簡単に使いこなせるユーザインタフェースなどが特徴。DSPは、DMPの連携などで高度化・複雑化が進む中、簡易設定でパフォーマンスを出したいクライアントにとってはハードルが高いものとなってきている背景があった。

 

スマートニュースがモバイルニュース広告事業を開始

スマートフォン・タブレット向けニュースアプリ「SmartNews」において、動画広告とネイティブ広告を軸とするモバイルニュース広告事業が開始された。「SmartNews Premium Movie Ads」(動画広告)と「SmartNews Standard Ads」(ネイティブ広告)の2種類を提供する。同時に、8月よりミクシィと共同開発を進めてきたネイティブ広告ネットワーク、「SmartNews Ad Network」を始動。今後SmartNewsに加え、mixiやその他の有力パートナーとともにネイティブ広告ネットワークを構築していく。さらに、チャンネルプラス運営メディアに対して収益還元を行う「SmartNews MediaProsper Program」も提供。コンテンツを提供しているチャンネルへ対して、新たな広告収益の40%を還元する。

 

VizuryがDMP「Engage360」の提供を開始

インド、アジア圏を中心にデジタルCRMソリューションを提供するVizury Interactive Solutionsは、DMP「Engage360」の提供を開始した。プライベートDMPとしての機能を1通り兼ね備えており、中国、インド、UAE、ブラジル等で先行事例を持つ。

 

エスワンオーインタラクティブがDSP「The Trade Desk」の取扱いを開始

トレーディングデスク事業を展開するエスワンオーインタラクティブは、The Trade Desk,Incが運営するDSPの日本国内における代理店第1号に選定され、取扱いを開始した。The Trade DeskのDSPは、特徴のある入札方法と、透明性の高いレポートをトレーディングデスクのトレーダーに提供することにより、広告主のキャンペーン効果を高めることが特徴。これによりThe Trade Deskの国内進出が始まる。

 

マイクロアドとCCCマーケティングがアドプラットフォーム事業で提携

マイクロアドと、カルチュア・コンビニエンス・クラブの100%子会社であるCCCマーケティングは、業務提携に合意した。2015年1月より、マイクロアドが提供するDSP「MicroAd BLADE」において、CCC及びCCCマーケティングが保有する実店舗の購買者カテゴリデータを用いた広告配信サービスの提供を開始する。本サービスにより、実店舗の購買から推計した志向性データとウェブの行動データを掛け合わせて配信することが可能になる。データ利用の目が厳しくなる中、購買データと広告配信がわかりやすく結びついた国内ソリューションとして期待される。

 

サイバーコンサルタントが「ULIZA Premium Video Network」の広告の取り扱いを開始

オプトグループのスキルアップ・ビデオテクノロジーズが提供する、プレミアム動画のアドネットワークサービス「ULIZA Premium Video Network」の広告の取扱をサイバーコンサルタントが開始。ULIZA Premium Video Networkは、優良コンテンツを掲載するため、およそ95%以上のユーザーが広告視聴完了という実績を持つという。

 

MediaMathが「TerminalOne」にニールセンのデータにアクセスできるアプリを追加

MediaMathは、DSPである「TerminalOne(T1)」の「OPEN App Marketplace」に、ニールセンのキャンペーンデータを参照できる新たなアプリを追加した。これによりT1のユーザーは、ニールセンのパネル情報と掛け合わせたデモグラフィックのレポートやGRPのようなリーチの計測が可能となる。

(編集:三橋 ゆか里)

 

 

ABOUT 大山 忍

大山 忍

ExchangeWire Japan 編集長 米国大学卒業。外資系企業を経て2000年にネット広告効果測定ツールを提供するベンチャーに創業メンバーとして参画。その後、バリューコマース株式会社と合併。 2007年1月にオムニチュア株式会社(現Adobe)に参加、コンサルティングサービスを立ち上げる。ビジネスコンサルタントとして米国のベスト プラクティスを日本の課題やニーズに合わせて提供、ウェブ解析やガバナンス(データ主導の組織・仕組化)に関する執筆・講演を行う。