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韓国モバイル広告市場のカオスマップ 更新版 ~KMobiscape KR1.4~

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韓国のベンチャー企業でモバイルメディアレップのMobidaysが、韓国モバイル広告市場のカオスマップの更新版を公表した。
 

 

 

 

 

 

 

韓国のモバイル広告市場が一目でわかるKMOBISCAPE

同社Facebookページにて公開

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以下は、Mobidays日本担当の厳(オム)氏による市場に関する解説である。

 

モビデイズでは、韓国のモバイル広告市場の正しい理解をしていただくために「韓国モバイル広告業界地図、Mobiscape」を発行し、定期的に更新を行っています。更新したMobiscape KR1.4の詳細は、以下の通りとなります。

 

 

1)モバイル動画広告市場の活性化

最近FacebookはFacebook開発者カンファレンスであるF8に先立って2014年に買収したビデオ広告プラットフォーム「LiveRail」を拡大· 改編すると明らかにしました。LiveRailは、PCベースのオンライン広告市場にビデオ広告を専門的にサービスする会社で、今回の改編によりモバイルまでサービス範囲を拡張しました。特にFacebookはモバイル動画広告にもRTB (Real Time Bidding)取引方式を導入し、多くの人々の注目を集めました。

(FacebookはすでにMobiscapeのDisplay - O&O/ RTBに入っているので別途カテゴリは作っておりません。)

 

TwitterをO&O/ Reserve - Video部分に追加しました。最近Twitterはライブ動画実況サービスを提供するPeriscopeを買収するなど、モバイル動画市場に注目しています。Twitterは米国の一部のユーザーを対象に、フィード内で動画自動再生機能をテストするなど、モバイル広告を通じた収益拡大を図っています。自動再生動画は、より多くのユーザーに広告を露出させることができるので、モバイル動画広告を準備している広告主からは歓迎されると評価されています。Twitterは一部ユーザーの反応を調べた後、全体のユーザーを対象に機能を拡大するという戦略です。

 

韓国内でもいくつかの企業がモバイル動画市場に注目して、新しいモバイル動画広告ソリューションを発表しています。

これに伴い、Ad Network -Video部分にVideologyとAdlibを追加しました。Videologyは米国で始まったグローバル動画広告プラットフォームとして、PCとモバイルなど様々な機器に動画広告を配信することができます。 VideologyはNASMEDIAと韓国内動画広告ネットワーク構築契約を締結し、韓国のモバイル市場に進出しました。

 

モバイル広告サービス企業であるMocoplexは、現在運営しているAdlibに動画広告サービスを追加しました。広告主はAdlibを利用してすでに提供されている帯バナー及び前面バナー枠に自動的に再生される動画広告を行うことができます。

 

 

2)海外サービスの活発な韓国進出

アプリストアのGooglePlayやApple App Storeを介してモバイルユーザーは各国で開発してサービスしているアプリを使うことができます。これによりモバイルサービス社は一つのサービスで複数の国のモバイルトラフィックを得ることができます。モバイルサービス社は各国で発生したトラフィックを広告収入にするため、ローカルまたはグローバル基盤のモバイル広告ソリューション(Ad Network、DSP、SSPなど)を使用します。世界のモバイル市場の中でも、韓国は高いスマートフォン普及率と使用率を有しており、海外企業にとり魅力的な市場です。

したがって海外企業は韓国のモバイルトラフィックを確保するため、韓国企業との協力関係の構築や、韓国支社の設立などにより韓国市場に進出しています。

 

今回アップデートしたMobiscape KR1.4では、AdNetwork部分にLeadbolt、Playhavenを追加し、DSP部分にAdinteを追加しました。

LeadboltとPlayhavenは米国サンフランシスコにある会社で、モバイルゲーム内の前面バナー、オファーウォール(Offer-wall)、動画など多様な形の広告を提供しています。

DSP部分に追加したAdinteは日本のモバイル企業であるウィリルモバイルのモバイル広告ソリューションです。2014年ウィリルモバイルのAdinteは韓国モバイル広告プラットフォームであるMocoplexのAdlibとサービス連動を終了し、2015年本格的に韓国市場に進出しました。

 

 

3)韓国企業の活躍

海外企業だけでなく、韓国企業も独自のモバイル広告ソリューションを開発及び改善しています。 Ad Network部分に入っていたSKプラネットのT adが、リターゲティング商品リリースと共にサービス名をT adからSyrup adに変更しました。 Syrup adはO2Oコマース市場を攻略するというSKプラネットの戦略の下、11番街などの提携媒体を介してリターゲティング広告を提供する予定です。

 

Ad Network - Incentivized部分にNextappsを追加しました。NextappsはリワードアプリであるAppangを保有しており、Appang及び他の媒体との提携により、アプリ内のアイテム補充、オファーウォールなどリワード型の広告サービスを提供しています。

 

世界中のモバイル市場が成長すればするほど、国家間の壁がないモバイル広告市場ではより多くのビジネスチャンスをつかむことができます。東南アジア及びインドなど新興国のモバイル市場が注目されている中、世界市場を注視し、新たなビジネスチャンスをつかむ必要があります。

 

「モビデイズ」は、2015年も引き続き有益な情報をお届けしたいと思っております。

Mobiscapeについてのお問い合わせや修正事項など、またモバイル市場全般についてご意見などがございましたら、次のメールアドレス(yong@mobidays.com)までご連絡頂ければと思います。 ありがとうございます。

 

以上

 

 

 

ABOUT 野下 智之

野下 智之

ExchangeWire Japan 編集長   慶応義塾大学経済学部卒。 外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。 国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。 2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。 2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。