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今月の東アジアアドテクシーン:米国ビデオ広告YuMeが中国参入、韓国YDMグループが、APACで20社買収計画

広告テクノロジー業界を定点観測するExchangeWire編集部が、過去一か月間に東アジア地域(中国、韓国、台湾、香港)で起こったトピックの中から特に注目すべきものをピックアップしてお届けする。

 

 

Nielsenが、中国Tencentと業務提携を行い、クロスデバイスキャンペーン計測サービスを開始

Nielsenが、中国でクロスデバイスキャンペーン計測サービスAdRatingsの提供を開始する。サービスの提供に当たり、Tencentが持つ8億人のアクティブユーザーアカウントの匿名データを活用する。(英語) このサービスは、既にオーストラリア、ブラジル、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、英国、米国で提供されている。

 

Youku Tudouが、2015年1-3月期決算発表

中国最大手のオンラインビデオプラットフォームを運営するYouku Doukuが、2015年1-3月期の決算を公表した。(英語) 同期の売上は、1億8380万ドル、前年同期比47%増。うち広告収入は1億4400万ドル、前年同期比43%増となった。

 

韓国YDMグループが、今年APAC地域で20社のマーケティング会社買収を計画

韓国のデジタルマーケティングエージェンシーグループのYellow Digital Marketingは、年内にシンガポールに拠点を開設することを計画、また今後12か月間で、APAC地域で20のマーケティング会社を買収する計画をしていると、mUmBRELLAが報じている。(英語)

 

香港のデジタルマーケティングエージェンシーAsiaPacがLINEフリーコインリセラー、Xunlei Kankanの香港、台湾、マカオ地域でのエクスクルーシブリセラーに

香港の有力デジタルマーケティングエージェンシーAsiaPacが、アジア地区のLINEフリーコインのリセラーとなった。同社はまた、中国本土のVODサービス最大手ので、動画広告、バナー広告を提供するXunlei Kankanの香港、台湾、マカオ地域でのエクスクルーシブリセラーとなったと、MarketWatchが報じている。(英語)

 

中国でプログラマティックが本格普及期に-iPinYou カンファレンスレポート-

中国最大手のDSPを運営するiPinYouは、5月20日に第5回目のGlobal Programmatic Advertising Summit を開催、これを成功裏に終えた。同イベントには、GroupM, L'Oreal, Mediamath, Baidu, Google, iPinYou のエグゼクティブをはじめ、30以上のエージェンシーやブランドが集結し、スピーチやパネルディスカッションを行った。iPinYou 創設者でCEOのGrace Huang氏は、キーノートスピーチで、中国のプログラマティック市場に関して、2015年は市場が成熟し、その真価を発揮する機が到来したことを強調。また、市場は大手への集約化が進む段階に来ており、上位20%のDSPが80%のプログラマティックバイイングを担っていると述べた。(英語)

 

Adknowledge Asia Pacific が、Facebook、Twitterキャンペーンマネジメントプラットフォームの中国語ユーザーインターフェースの提供を開始

Adknowledge Asia Pacificは、中国語圏マーケッター向けに、同社が提供する、Facebook、Twitterのキャンペーンマネジメントシステムの中国語対応を開始した。(英語)

 

Daum KakaoがモバイルソーシャルアプリPathを買収

韓国のDaum Kakaoが、モバイルソーシャルアプリを提供するPathを買収した。モバイルソーシャルアプリPathは、米国で2010年に提供を開始、現在は東南アジア地域、特にインドネシアで大きなユーザー基盤を持っている。

 

モビデイズが韓国モバイル市場をとりまとめたKM REPORT6月号を公開

韓国のベンチャー企業でモバイルメディアレップのMobidaysが、モバイル市場レポート6月号を公表した。

今回のレポートのテーマは、以下の通り。

 

– モバイル市場、サバイバルゲームは始まった。

・ゲーム業界の話題、グローバルとモバイル
・NHNエンター、コンテンツを占拠せよ
・韓国モバイル利用状況
・ネイバーとDAUMカカオ、第2ラウンド戦スタート

 

米国ビデオ広告プラットフォームYuMeが中国市場に参入、北京と上海にオフィスを開設

米国のビデオ広告プラットフォームYuMeが、中国市場に参入することを公表した。(英語) 同社は、大手パブリッシャーと提携し、ConnectedTV、オンライン、モバイル向けプロダクトの他、効果測定サービスや、アドベリフィケーションサービスも提供を行う。

同社は今回の参入に当たり、北京、上海に拠点を開設する。

 

バイドゥ、コンテンツレコメンドのpopInを買収

中国の検索大手である百度の日本法人であるバイドゥは、東大発のベンチャー企業でコンテンツレコメンドエンジンサービスを提供するpopInを買収した。ネイティブ広告の伸長にバイドゥが対応するために国内ベンチャーを取り込んだ形となる。popInが提供する「READ」は、記事コンテンツの記事の読了状況を測定するテクノロジー。2014年12月時点で、大手ニュース・情報メディアを中心に200サイト以上で導入されている。

 

 

 

ABOUT 野下 智之

野下 智之

ExchangeWire Japan 編集長   慶応義塾大学経済学部卒。 外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。 国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。 2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。 2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。