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フリークアウト プログラマティック領域で新たな戦略構想に関連し4つのプロダクトをリリース

久しぶりに、“フリークアウトっぽい”プロダクトのリリースを見た気がする。

 

リリースされた4つのプロダクトは、どれもプログラマティックの領域において不可欠な “プライベートマーケットプレイス(PMP)”、“スマートフォン動画”、“インフィード”、“ソーシャル”の4チャネルに関するものだ。

 

同社営業本部セールスストラテジー局 局長の飽浦 尚氏によると、「これらのサービス開発プロジェクトは同時進行で進められ、約半年の期間を要した。苦労も多かったが、どれも自信を持ってクライアントに提案できるもの。」とのことだ。

 

同社は現在「ブランド広告主支援の強化」と同社のプライベートDMP“MOTHER”を中心に据えた「フルスタックプラットフォーム化」を前面に打ち出す戦略をとっているようだ。そしてその戦略により体現化される同社が描くサービス全体の絵の中に、これらのプロダクトを当てはめていく過程であるようだ。

4つの各プロダクトは、以下の通りである。その詳細は各リンクから参照いただきたい。

 

1.プライベートマーケットプレイス機能の実装

image12015年10月1日時点での接続先は、“Double Click Ad Exchange”、“ルビコン・プロジェクト”、AOLの“MARKETPLACE”、“OpenX Ad Exchange”の4社、プレミアム広告取扱メニューは200以上。

PMPの構築に当たり、同社は各SSPとの間でこれら200強のメニューすべてにDeal IDを発行し、FreakOutとSSPとの間で流通させることで、セルサイドの“プライベート化”を実現させる。

 

2.スマートフォン動画広告向けRTB配信サービス“FreakOut InLine Video RTB”

image2DSPによるスマートフォン動画広告向けのRTB配信ソリューションである。同社はこれまでPC向けでは動画対応を行ってきたが、今回初めてスマートフォン向け動画広告への対応を行った。サービス開始時にはSSP機能を実装しているスマートフォン動画アドネットワークAppVadorと接続、今後他のエクスチェンジやSSPとの接続も行っていくとのことだ。

 

3.スマートフォン向けインフィード型広告リターゲティング

スマートフォンメディアで普及が進むインフィード枠へのRTB配信の対応を行い、リターゲティング広告の配信が可能となった。接続先のSSPとして、“GMO SSP for Smartphone”、サイバーエージェント アドテクスタジオの“CA ProFit-X”が挙がっている。また、同社グループ会社M.T. Burnが運営するネイティブアドネットワーク“Hike”との接続も予定している。“Hike”は現在東南アジアをはじめとする海外展開も進めており、接続されれば海外への配信も可能となるであろう。

image3

4.DSP・ソーシャルメディアシームレス広告配信ツール“MARY”

image4“MOTHER”に蓄積されたデータと、同社独自の金融工学のモデリングを活用したソーシャルメディア向け広告配信ソリューション。

今回同社がFacebook、Twitter、InstagramなどのソーシャルメディアのAPIへのアクセス権を取得したことで実現したサービスである。

 

各ソーシャルメディアのAPIへのアクセス権は、広告会社がアプリプロモーションにおいて活用しているアプリ計測ツールなどが既に取得しており、同社独自の特徴とは言えない。だが、業界内では、現状ソーシャルメディアのAPIから取得できるデータは、まだまだ活用されきれていないという声もある。

DSPとしてこれまでデータを活用した運用ノウハウが蓄積されている同社がどのように、ソーシャルメディアが持つまだ発掘されていない宝の山を活用し、成果を上げていくかは注目される点であろう。

 

 

 

ABOUT 野下 智之

野下 智之

ExchangeWire Japan 編集長   慶応義塾大学経済学部卒。 外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。 国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。 2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。 2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。