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先週のアドテクシーン:Googleがアプリインストール促進の新フォーマット広告発表、エキサイト「Excite Publisher Trading Desk」を開始

日本国内、アドテクシーン画像

 

(ライター:Livit Tokyo 中井 千尋)

広告テクノロジー業界を定点観測するExchangeWire編集部が、過去一週間に起きたトピックの中から特に注目すべきものをピックアップしてお届けする。

【新サービス・新機能】

オプトのアプリプロモーション総合支援プラットフォーム「Spin App」、リテンション機能を強化

オプトは同社が提供するアプリプロモーションツールの「Spin App」で、リテンション施策を行うために必要なクラスタリング機能の拡充を発表した。今回の拡充で、アプリ利用状況・アプリ内行動・流入元・端末情報等のイベント項目でユーザーリストを作成し、組み合わせることが可能になる。精度が高いターゲティングにより、顧客一人ひとりに最適なアプローチができるように。

DAC、音声による広告配信に対応したアドサーバー「FlexOne APE」の提供を開始

DACは、ネットラジオ広告などを想定した音声による広告配信システムをリリースした。海外ではすでに、スウェーデン「Spotify」、米国「iHeartRadio」など、さまざまな企業が音声広告を提供しており、日本でも音声広告の必要性が高まっていることが背景にある。同システムの活用で、広告主はユーザビリティを損なうことなく、ユーザーごとに最適な広告を配信することが可能に。また、媒体社は魅力的な音声広告商品を提供することができるようになり、広告収益の向上が期待できる。

ニアー社、地図情報・消費者のリアル行動などを分析できる「Allspark」を正式ローンチ

ニアーは、地図情報、消費者のリアル行動、デモグラフィック、興味・関心などを含むオーディエンスデータの可視化と分析、ならびにオーディエンスとのエンゲージメントを行えるプラットフォーム「Allspark」をリリースした。同プラットフォームでは、各オーディエンスはオーディエンスカードとして管理され、一定期間内におけるアクティブオーディエンスの数、各オーディエンスの属性、特徴などのインサイトをリアルタイムで収集することが可能。特定のオーディエンスを任意の複数ロケーションでターゲットすると、ロケーション間でのコンバージョン比較もできる。

エキサイト、広告ノウハウを他媒体に展開「Excite Publisher Trading Desk」を開始

エキサイトは同社のマネタイズノウハウを活かし、他社媒体の在庫の買い付け・マネタイズも行うパブリッシャートレーディングデスク(PTD)サービスをリリースした。同時に、マネタイズの方法や媒体側のアドテクノロジー関連の最新情報を取り上げるブログも開始。エキサイトが実施した広告マネタイズの事例紹介、媒体向けアドテクノロジーの活用方法、自社開発レコメンドエンジンのご紹介など、さまざまな情報を発信していく。

トランスコスモス、Twitter広告の配信テクノロジーに米スプリンクラー社の「Sprinklr」をアドエージェンシーとして国内初導入

トランスコスモスは、「Sprinklr」をアドエージェンシーとしては国内で初めて導入し、Twitter上のソーシャルリスニングをリアルタイムに活かしたTwitter広告サービスを開始した。同プラットフォームはソーシャルメディアの投稿や広告の運用管理、分析などソーシャル上で行う活動に必要なすべての機能を一つにまとめたシングルソースプラットフォーム。Twitterはプロモーションメディアとしての需要が高まっているが、匿名ユーザーが多くアプローチが難しいことが課題で、その解決策として導入された。

フルスピードのスマホ動画アドネットワーク「PolymorphicAds」、国内3社と提携し動画メディエーション機能を大幅追加

フルスピードのスマホ動画アドネットワーク「PolymorphicAds」は、AppLovin、AdColony、Unity Adsの3社のサービスと連携し、動画メディエーション機能を大幅に追加した。今後、同アドネットワークを通じて配信されるリワード動画広告は、以前と比較して広告インプレッションが増加することになる。また、メディア運営者は、同アドネットワーク経由で、同社保有の動画案件に加えて、さらに提携3社の広告インプレッションを配信可能となる。

Google、アプリインストールを促進する新しいインタラクティブ広告を発表

Googleは、アプリインストールを促進するためにゲームやアプリを広告内で一部体験できるフォーマットをリリースした。ユーザーがアプリをダウンロードする前に広告内で最大60秒間ゲームを試すことが可能となる。また、同時にカスタマイズ可能なインタラクティブインタースティシャル広告のベータ版もリリース。HTML5を使ってデータを動的に取り込めるため、広告制作の自由度が高まる。どちらもインタラクティブなつくりでエンゲージメントを高める。

マーベリック、女性系メディア中心のインフィード広告配信システム「Sphere Infeed」7月に提供開始

マーベリックは、女性系メディアを中心としたインフィード広告配信DSPの「Sphere Infeed」を7月から提供開始することを発表した。どこに広告が出るのかわかるため、広告主に向けて独自開拓のマーケットから質の高い広告枠を提供することが可能となる。また、メディアという大枠のターゲティングだけではなく、フード・グルメ、美容などジャンル分けの設定を行うこともできる。

テレビCMが届きにくい層へWeb動画広告ターゲティングを可能にするサイバーエージェントの「LowTV Focus」、Facebook・Twitter・Instagram・niconicoなどにも配信開始

テレビCMが届きにくい層に対しWeb動画広告を配信するサイバーエージェントのサービス「LowTV Focus」はその配信先として、これまでのAbemaやYoutubeに加え、Facebook、Twitter、Instagram、niconicoなど若年層に人気の媒体も追加した。これらのメディアが配信先に加わったことで、10代から30代の8割以上にリーチ可能となり、テレビCMが届きにくい層への大規模配信を実現。また今後、配信構造をさらに細かく設計するなど、より効率的なブランドリフト効果獲得のために研究を進めていく予定。

【海外展開】

ヒトクセが開発協力のネイティブアドサービス「Blue Bee Native」、ベトナムを皮切りに東南アジアへ進出

ネイティブ広告やリッチ広告プラットフォームを提供するヒトクセが、開発協力したネイティブ広告ネットワークサービス「Blue Bee Native」のベトナムでの提供を開始した。同サービスは、国内ではダイナミックネイティブアド配信サービス「カメレオン」としてヒトクセより提供。同社は、今後も活況が続くアジアのインターネット広告市場のシェア拡大を見据え、東南アジアに広く展開していく予定。

ABOUT 野下 智之

野下 智之

ExchangeWire Japan 編集長   慶応義塾大学経済学部卒。 外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。 国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。 2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。 2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。