LINEビジネスコネクトとアプリDMPツールの連携により、オプトが実現を目指すOne to One マーケティングの今後 [インタビュー](後編)

オプトが提供する、スマートフォンにおけるCRMツールの定石となりつつあるLINE ビジネスコネクトの配信ツール「TSUNAGARU」と、アプリDMPツール「Spin App」の連携により、メールに変わるOne to Oneマーケティングが実現可能となる。

昨今変化がみられるアプリプロモーション需要のトレンドを踏まえて、LINE ビジネスコネクトとオプトのテクノロジーや企画提案力が掛け合わさると、どのようなことが出来るようになるのか。

前編に続き、LINE株式会社 コーポレートビジネスグループ マーケティングソリューションチーム マネージャー 林 祐太郎氏、株式会社オプト データテクノロジー推進部 チームマネージャー 伊藤 瑞樹氏、同 LINE戦略部 チームマネージャー 脇 僚平氏へのインタビューをお届けする。

(聞き手: ExchangeWire Japan 野下 智之)

―オプトさんが設計されるリエンゲージメント施策において、LINE ビジネスコネクトというのは現在どのように位置付けていますか?

脇氏: 私が認識しているのは、LINE ビジネスコネクトがCRMの根幹であるということです。
なぜなら、スマホマーケティングにおいては、メール施策の有効性は、PCと比べ大きく低下してしまっているのです。もう全くユーザーがメールを開かなくなっている。
そこで、今使われているのが企業アプリのプッシュ通知ですが、ユーザーの許諾を取るというハードルがあり、またプッシュ通知ができるようになったとしても、10~30%程度のユーザーしか開かないのが実情です。

先ほどお話しさせていただいたようにアプリが増えているので、色々なプッシュ通知が乱立、結果ユーザーがそれを無視するようになりつつあります。その中でLINEさんの素晴らしいところは、ユーザーが企業からのメッセージをもらいたいと思えるようなきっかけを作れる点です。

例えば企業アプリのプッシュ通知だと、「うっとおしいのでOFFにしよう」となるのですが、LINEであればスタンプというきっかけを提供することで、企業と友達になってみたいと思わせたりすることが出来ます。また、普段のコミュニケーションに深く入り込んでいるLINEだからこそ、届いたプッシュ通知は開くというのが習慣化しており、開封率も大変高いです。「LINE ビジネスコネクトは、スマホマーケティングのCRMの根幹ですよ。」というような提案をお客様にしていきたいと考えております。

ただ、とはいえまだまだ企業アプリのプッシュ通知も無料で色々できてメリットもあるので、そこを含めた全体設計をして、その中で「LINE ビジネスコネクトはこういったメリットがあるのでこう使いましょう」というご提案ができればと思っています。

―ありがとうございます。LINEさんからしたら、今のお話はどのように感じられますか?

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林氏: そうですね、先ほどもお話に出ましたが、やっぱりユーザーが一つのスマホの中に入れるアプリであったり、日常的に使うアプリの数というものにも限りがあります。あとはその限りがある中で、プッシュ通知のシェアの取り合いじゃないですけど、ユーザーも無限に来られると当然うっとおしく感じてしまう。そんなに日常的に使わないアプリからプッシュ通知が来ると逆にアンインストールされるリスクもあるかもしれません。

しかしLINEの場合はスマホの基礎的で日常的な機能というか、用途でありコミュニケーションのサービスですので、そこで日常使いし、かつプッシュ通知が来ることを前提としているアプリになっています。ですので、ユーザーにプッシュでコミュニケーションが取れるというところは非常に強みで、他のアプリディベロッパーさんへの貢献も出来ることはあると考えております。

―LINE ビジネスコネクトの価格体系について教えてください。

林氏: 元々月額の固定費用と、あとはメッセージングの通数に応じた従量課金という料金体系です。昨年より公式アカウントを導入されている会社様についてはビジネスコネクトとしての月額費用というものは撤廃させていただいて、公式アカウントの費用プラス従量課金という形をとっております。

―LINE ビジネスコネクトを入れられている、公式アカウントを使っていらっしゃる方は固定費が無料ということですね。従量課金とは何に対して従量制なのですか?

林氏: 企業様からユーザーに対し、メッセージを送るということに対してです。

―LINE ビジネスコネクトが出る前も確かメッセージの配信数に応じて課金されていましたよね。ビジネスコネクトでも導入されることで、その件数も増えるので、貴社としてはビジネスとしてスケールするということですね。

林氏: はい。お客様への提供の仕方は、我々も基本的にはパートナー様とのビジネスを前提にしています。その点は、パートナー様の価格付けやパートナー様の戦略などにも関わってくるところではあります。

―なるほど。オプトさんはいかがでしょうか。

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脇氏: そうですね、LINEさんがビジネスコネクトを拡大していきたいという意向がおありだと思うので、弊社としてはLINEさんの意向に合わせて、LINE ビジネスコネクトの配信ツール「TSUNAGARU」を提供しております。

弊社では、お客様がLINE 公式アカウントをオプトに任せていただければ、LINE社さん同様に配信費の従量課金のみで、「TSUNAGARU」のツール費用は無償提供をしております。公式アカウントのご予算をお預かりすると同時に、ツールの導入のハードルを下げたいと考えています。

TSUNAGARUは、機能が豊富で低価格がウリ!?

―なるほど。今LINE ビジネスコネクトについてはオプトさんも含め、多くの広告会社が連携ツールを作り、提供されていますが、その中でTSUNAGARUの特徴についてお聞かせください。

脇氏: 導入社数が多いので、開発済みの機能が他のツールと比較して圧倒的に多いというのが一番のポイントですね。そして価格も非常に低価格で提供しています。

―例えばどのような機能が充実しているのでしょうか?

脇氏: 今回お話している「Spin App」との連携はもちろん、弊社の「ADPLAN」、あるいは「Google Analytics」などの解析ツールの解析ツールと「TSUNAGARU」を連携させた配信も可能です。後はチャット機能ですね。BOTでの応対も可能ですし、コールセンターの方がLINE上でユーザーとOne to Oneでチャットができるような仕組みもデフォルトで実装されております。

―なるほど。LINEさんからご覧になると、オプトさんのツールって他社さんのものと比べてどういう風に見えるものですか?

林氏: ビジネスコネクトを通して何ができるかという企画力や開発力がおありだと感じています。

オプトさんは、デジタルの広告市場をずっとリードされてきた会社ですので、LINE以外も含めたトータルの提案であったり、LINEのマーケティングに関してもビジネスコネクト以外、最近では例えばLINE Ads Platformや公式アカウント、スタンプなどを総合的にご提案いただけるというところは非常に我々も求めているところですし、そういうところをチームとして一丸となってやっていただけているパートナー様であると認識しています。

―業界のトレンドとしてLINE ビジネスコネクトの配信ツールとオプトさんが取り組まれているような計測ツールやDMPなどとの連携が進んでいます。その行く末として、近い将来どのようなことが出来るようになるのかについて、理想像として描かれているものがあれば、教えていただけないでしょうか。

photo3伊藤氏: 先ほど脇から、弊社のWebの計測ツールの「ADPLAN」(※1)とアプリDMPの「Spin App」(※2)、アクセス解析ツールの「Google Analytics」と連携が出来るという話がありましたが、弊社はこの領域に注力しています。

※1:「ADPLAN
オプトが提供する、マーケーティングデータの一元管理から分析データを基にした改善施策の提案・実施まで、幅広い顧客ニーズに対応するeマーケティング支援システムです。2000年の開発以来、パイオニアとして延べ約1500社が利用。

※2:「Spin App
高速で進化/高度化するアプリプロモーションにおいて顧客のプロモーション効果の最大化を実現するためにオプトが開発したアプリプロモーション支援プラットフォーム。

目指す姿は、ユーザーとのOne to Oneの最適なコミュニケーションの実現です。
各ツールはユーザーがどこから来て、WEBサイト内/アプリ内でどういった行動をとったかというユーザーの行動をかなり深く取得しています。課金をしたユーザーや、アプリを全く使用していないユーザー等を把握してターゲットをセグメントし、それぞれにあったメッセージを「TSUNAGARU」で配信をする。設計が正しかったかどうかは各ツールの分析機能でパフォーマンスみることで確かめ、再設計をする。このようなステップで、One to Oneの最適なコミュニケーションが実現できるように準備をしています。

脇氏: お客様への提案は今、増えてきています。。お客様側の課題として「インストール数だけではなくてしっかりとその後もユーザーに使ってもらえるか」という点が多く挙がってきております。そんなお客様には、アプリの休眠ユーザーのデータを取得し、それを「TSUNAGARU」で配信したり、逆によくアプリを使ってくれて課金してくれるユーザーにのみ特別なキャンペーンを配信したりして、より売り上げを上げるというような提案をさせていただいております。

―なるほど、わかりました。LINE ビジネスコネクトを貴社でご提案した中での成功事例はありますでしょうか。

脇氏:「TSUNAGARU」としての実績ですが、先ほど「公式アカウントはマスリーチ的な使い方が多い」と申し上げましたが、LINE ビジネスコネクトを使った配信は、全体のボリュームは公式アカウントよりは少ないですが、とあるEC企業様で、公式アカウントでの配信とビジネスコネクトの配信で同規模の売上があがるお客様がいらっしゃいます。ビジネスコネクトのユーザー数は公式アカウントの10分の1の規模なので、顧客単価が10倍ということですね。費用対効果の観点では非常に効率的な結果を得ました。

―LINE ビジネスコネクトとオプトさんのTSUNAGARUを利用されるためには、広告主さん側で準備することはあるのでしょうか。ツールの適用条件というか、データの接続の準備などは結構大変なものですか。

脇氏: データ連携しなければタグ設置だけで導入可能なので、すぐにご導入いただけます。データ連携をする場合は準備が必要です(笑)。

伊藤氏: 企業様のIDとLINEのアカウントIDを連携するシステムを作る必要があります。

脇氏: 弊社がディレクションをしてお客様に開発をお願いする場合もあれば、当社が開発を請け負う場合もあります。

―導入期間はどの程度要するのでそうか?

脇氏: 長ければ、3か月を要することもあります。弊社の強みとしては、マーケティングのご提案から実行する下準備までを一貫してサポートできるところだと考えております。

―LINEさんは、基本的にはすべてお客さん側の方で準備をお願いしますというスタンスですよね?

林:そうですね、はい。

LINEプラットフォーム自体をオープンに

―LINE ビジネスコネクトは今大体導入件数が90件ほどとのことですが、今後の見込みについても教えて下さい。

林氏: そうですね、まずプラットフォーム全体をオープンにしていくという大きな方向性があります。
これまでのビジネスコネクトは価格帯的にもエンタープライズ向けだったのですが、それを今後すごく幅広いスモールビジネスの領域にも広げていきたいなと思っています。

あとは、基本的には我々はAPIを開けて、その先は先ほどおっしゃったようなお客様にお任せというところではあります。ただ、例えば先日チャットAIのような構想をご提案したように、プラットフォーム側でもう少し広告主様側が簡単に、便利にいろいろな機能を使っていただけるように、機能拡張なども進めていきたいなと思っています。

―なるほど。中小企業向けというと、LINE@などを使っているお客様も使えるようにしていかれたい、という理解でよろしいでしょうか。

林氏: そうですね。

―最後に、両社でサービスを連携することによる今後のサービスの展望をお聞かせ下さい。

脇氏: 私のミッションは、お客様とLINEさんの売り上げを上げるためにセールス活動をしていく、つまり「TSUNAGARU」の提供を軸にビジネスコネクトの推進をしていくことです。アプリ市場の伸びをしっかりとキャッチし、弊社のアプリDMP「Spin App」を一緒に使うことで相乗効果を生む提案事例というものを増やしていきたいなと思っております。

―LINEさんはいかがですか?

林氏: 最近はグローバルでも、Botやチャットツールの注目が高まっており、「もう自社メイドのアプリは不要ではないか」ということも言われがちです。しかしそこは棲み分けというか、ロイヤリティーに応じた顧客設定みたいなものがすごく大事かなと思っています。

全てのサービスがチャットのUIに最適かというと、そうでもない場合もあると思いますので、ネイティブアプリが適したところはネイティブアプリのご提案が重要だと思いますし、ネイティブアプリをインストールするまでもないユーザーさんに対しては、また別のご提案が重要だと思います。

スマートフォン全体でユーザーとどうコミュニケーションを取っていくのか、そういったところをオプトさんの開発力やトータルの企画力、提案力みたいなところでしっかりと、幅広くご一緒できればありがたいなと思います。

―はい、ありがとうございます。伊藤さんはいかがですか?

伊藤氏: 少し広い話になりますが、オプトは広告を販売するだけの広告代理店ではなく、お客様のデジタルマーケティング全般をご支援したいという想いがあります。
ユーザーを集客し、継続的接点を持ち続け、企業のファンにさせるという全体コミュニケーション設計を構築する上で、ユーザーと親和性の高いLINEは中心となるプラットフォームになると考えており、その世界感を実現する準備を継続的に行っていきたいと考えております。

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野下 智之

ExchangeWire Japan 編集長
慶應義塾大学経済学部卒業。
外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。
国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。
2014年10月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価機関デジタルインファクトを設立し、プロジェクトディレクターに就任。