「動画広告は機能説明型から感情型へ」、Unrulyが「感情インテリジェンス」の重要性を語る

 
 

動画広告配信プラットフォームのUnrulyが、12月7日、都内にて、感情を起点とする動画マーケティングについての説明会を開催した。

オンライン広告市場においては、動画広告に対する需要が年々増してきている。Unrulyは、視聴者が動画広告に対してどのような感情を抱いたかを計測し、その結果を数値化。同社の「感情インテリジェンス」を顧客に提供している。

image1セミナーの冒頭に、アジア太平洋地域部門のCCOを務めるフィル・タウンエンド氏は、動画広告配信を行う上でなぜ「感情インテリジェンス」が必要なのかを説明。初出産や初デートといった思い出は多くの人々が長年覚えていることからも分かるように、人間は感情的な出来事ほど鮮明に記憶する傾向があることから、感情を揺さぶる広告は視聴者の記憶に残り、またブランド認知の向上にも役立つと述べた。

一方で、現在流通している動画広告の中には、各商品の機能の解説に注力したものが多い。タウンエンド氏によると、このような機能的な説明に多くの時間を割く動画広告は視聴者の記憶に残りにくいだけではなく、敬遠されかねない。人間関係においても、初対面では踏み込んだ内容を一方的に話すよりも、相手にまずは自身に対する好感と信頼感を持ってもらうことが重要であると主張。言わば自己紹介さえ満足に終えていない段階で「買ってください」とだけ訴えるような動画広告の問題点を指摘した。

image2「感情インテリジェンス」を用いた動画広告マーケティングの実例について語ったのは、ニューバランスジャパンでマーケティング部シニアマネージャーを務める鈴木健氏。24~35歳のスポーツ好きの女性を対象とした同社のキャンペーンでは、ボクシングに熱中する女性の奮闘ぶりを描いた動画広告を配信。Unrulyは、①ウェブカメラを通じたモニター対象者の光学センサー顔表情分析、②様々な感情についてのアンケート調査、③人工知能のアルゴリズムによる音声分析、などでこの広告についての感情インテリジェンスを抽出した。ニュースバランスはこれら一連のデータを基にして、DMPを通じたターゲティング配信やブランド認知率向上の効果測定を行ったという。また感情インテリジェンスを利用すれば、動画広告の配信前にその内容を一部修正したり、視聴者が最も感情を揺さぶられた箇所にテキスト広告を挿入することで広告効果を高めるなどの施策を実施することもできる。

セミナーの最後に行われた質疑応答の場では、説明会に出席した大手メディアや広告主からの質問が飛び交い、時間を大幅に延長するほどの盛況ぶりを見せた。またこの場において、Unrulyではマシーン・ラーニングを利用した動画コンテンツの自動評価システムを開発中であり、1年半後までにこのシステムがリリースされる見通しも発表された。

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長野 雅俊

ウェストミンスター大学大学院ジャーナリズム学科修士課程修了。 ロンドンを拠点とする在欧邦人向けメディアの編集長を経て、2016年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。 日本や東南アジアを中心としたデジタル広告市場の調査などを担当している。