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マーケターの課題は「ラストクリック依存からの脱却」-AdRollが広告主・消費者、計1200名を対象にした調査結果を公表-

 
 

AdRollは2月27日、広告主200名・消費者1000名の計1200名を対象にインターネット広告をテーマに実施したアンケート調査結果を公表した。

調査結果の詳細はこちらからダウンロードが可能。
調査レポートでは、“広告主=マーケター”とユーザーの観点からのアンケート結果を公表しているが、ここからはユーザーとマーケターの間に横たわるインターネット広告に対する意識の違いを垣間見ることが出来る。

まずマーケターに対してインターネット広告の評価方法を聞いたところ、最も多かったのが、「費用対効果」であった。

ネット広告の評価方法

(AdRoll調べ)

そしてその効果を図る上で設定すべきKPIについて。最も多くのマーケターが重視しているのはユーザーリーチ数であり、それに次いでクリック数であった。

重視しているインターネット広告出稿時の効果指標(KPI)

(AdRoll調べ)

一方のユーザー側に対しては、普段意識してインターネット広告を見るかどうか、そしてクリックをするかどうかについて質問。結果からは、ネット広告を意識して見ていることが「よくある」ユーザーは全体の10.1%、また、ネット広告を「よくクリックする」のは、全体の6.4%に過ぎないことが明らかになった。

ネット広告を意識して見るか

(AdRoll調べ)

ネット広告をクリックするか

(AdRoll調べ)

本調査レポートでは、その他いくつかのアンケート結果も紹介しつつ、「ラストクリックのみをKPIにした施策を継続するということは、先の調査結果で明らかになった、“普段クリックをしない9割のユーザー”ではなく、“1割のユーザー”にのみ向き合った施策を継続するということ。」であることを指摘。

そして、「2017年は“ラストクリック依存からの脱却”が、デジタルマーケティングが次のステップに向かうための目前の課題となり、これまで向き合ってこなかった9割のユーザーと向き合うことが、成長の頭打ちから脱却することの第一歩になるはず。」ことを強調。

そして最後に、「間接的な効果測定の実施とラストクリック依存から脱却するための、指標の見直しがキーポイントとなる。」と結んでいる。

ABOUT 野下 智之

野下 智之

ExchangeWire Japan 編集長   慶応義塾大学経済学部卒。 外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。 国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。 2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。 2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。