「ラストクリック依存からの脱却」、AdRollが2017年の取り組みを発表

 
 

パフォーマンス広告テクノロジー企業のAdRollは4月19日、都内オフィスにて、2017年における同社取り組みなどに関する記者会見を行なった。

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アドネットワークとして2007年に米サンフランシスコで創業された同社は、RTBテクノロジーの発展に伴い、やがてDSPモデルへと事業を転換。現在は世界全体に約3万社の顧客を抱える。日本市場には2015年に進出。翌2016年に売上高は7倍となり、2017年はさらに倍増させることを目指している。

AdRoll Japan代表取締役社長香村竜一郎氏によると、2016年の売上急伸には、楽天とMakeShop by GMOという2つの大手ECサイトとの提携が大きく寄与した。

今後は、他企業に対して同社の広告プラットフォームをOEMで提供するPaaSモデルとしての成功例を日本国内だけではなく、グローバル規模で広めていくことを計画。さらに本年中には、サイト訪問者の閲覧行動に基づいてパーソナライズされたメールを送信できるサービス「AdRoll Email」の開始を予定している。

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また、2017年は「良い枠を他社に先駆けて買い付ける」ことを目的に、Preferred DealsやPrivate  Auctionからの買い付けチャネルを強化することにも触れ、Ameba、産経ニュース、YOMIURI ONLINE、東洋経済などの媒体との優先取引契約を結んだ。

香村氏は、同社が注力するのは、「ユーザーの興味をフルファネルで醸成することができるソリューション」であることを改めて強調。「一般的なリターゲティング広告が得意とする既存顧客へのアプローチに留まらず、新規発掘や見込み顧客への転換などにも活用できるツールを提供している。」とした。

同氏はまた、「従来のリターゲティング施策は最終的な購買ファネルに特化した“ラストクリック依存”に陥っている。」と主張する。しかもプログラマティックテクノロジーが向上すればするほど局所的な最適化が進み、一部の購買層の間で同じ広告が循環するだけの状況になりかねない。また販促キャンペーンも「レジに並んでいるお客さんにまでクーポン券を配布しているようなもの」となり得る。その結果、たとえCPAが向上しても、全体の売上は上がらないという課題を抱えている広告主が多いという。

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「売上UPは客数UP×客単価UP。しかしながら、従来のリターゲティング施策は新規や休眠復活にそもそも適用できない。客単価UPには既存顧客のアプローチという点でリターゲティングが大いに使えるが、ラストクリック率は効果測定の指標には向かない」(香村氏)。

そこで、様々なファネルにおいて、新規、売上単価、ROAS、LTVといった異なる指標を設定することを奨励。フルファネルマーケティングを可能とするソリューションを用意する同社では、一般的なリターゲティング広告の得意領域とされる小売業以外の業種が顧客の半数以上を占めており、教育、ヘルスケア、B2Bなどの領域でも利用されているという。

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長野 雅俊

ウェストミンスター大学大学院ジャーナリズム学科修士課程修了。 ロンドンを拠点とする在欧邦人向けメディアの編集長を経て、2016年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。 日本や東南アジアを中心としたデジタル広告市場の調査などを担当している。