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アウトストリーム動画は成長を続ける-Sublime Skinz社 Jerem Febvre氏-

(翻訳:Asia Plus 黒川賢吾)

広告主は動画広告によって自社のストーリーを伝えたいと考えており、最新の自動再生によるアウトストリーム広告は非常に高いビューアビリティの機会を企業に提供している。アウトストリーム型の利用が増えている現在、この広告フォーマットの効果と革新性について、Sublime Skinz社の共同創業者兼プレジデントJerem Febvre氏が語ってくれた。

― アウトストリーム動画広告は至るところで利用されているように感じます。今までのプリロール型と比較してアウトストリームの現状はどうでしょうか?

まずアウトストリーム広告の定義について話をさせてください。市場でよく見かける「アウトストリーム動画」のフォーマットは一つだけではありません。 インストリーム動画コンテンツとは異なり、アウトストリーム動画はオンライン動画コンテツやプレイヤー以外で再生されるもの全てを指します。ネイティブ動画や、記事コンテンツの内部で再生されるインリード広告、Sublime Skinz社のVideoSkinzユニットが提供していうるユーザエクスピリエンスを損ねることなしにコンテキストとイマーシブ型の動画再生サービスなども含まれます。

これらのフォーマットの利点は、ユーザから見た場合にプリロール型と比べて邪魔に感じない点で、視聴者により影響力が強く、高い完遂率、エンゲージメントを獲得することができます。広告主からより優れたユーザエクスピリエンスを提供するこのフォーマットを使い続けたいという要望を多く受けています。また私たちはIpsos社との調査を通じて、ユーザ及び広告主の視点からいくつかの発見を得ることができました。

― 最近実施した調査から、広告主がこのフォーマットを利用する最大の利点はどのようなものだとお考えですか?

簡単に言うと、ユーザがアウトストリーム型のフォーマットをより好むということです。より注意を向け、非常に高い頻度でユーザのアクションにつながっています。私たちの調査結果によると、80%以上の回答者にとってアウトストリーム型はより視覚的に魅力的であるだけでなく、アウトストリーム型のVideoSkinzや壁紙機能はより記憶に残るフォーマットである点が明らかになりました。アウトストリーム型はプリロール型よりも2倍高くブランド認知がされており、30%高い確度でアクションにつながることが明らかになりました。実際、当社のVideoSkinzは非常に高い効果を得ています。ブランド認知のプロセスにおいてより効果的で、アクションやコンバージョンの面においても非常に力強いツールです。また、ターゲティングにおいても非常に高い効果を発揮しています。

― VideoSkinzやM-Skinzの効果を感じ取った広告主やエージェンシーのディスプレイ及びモバイル広告支出における変化はどのようなものでしょうか?

このような変換について捉えた調査はありませんが、3年間の当社の経験を通じて、世界中の500社をこえるトップ企業がデスクトップ型のサービスVideoSkinzの効果を認知し繰り返し利用しています。このこと自体は特に驚くべきことではありません。動画やプログラマティック市場が成熟するにつれて、RTB環境においてマーケターが活用な、より革新性の高いソリューションが生まれています。結果として、今まで以上に広告主はアウトストリーム型を活用することで、優れたクリエイティブを消費者に届け、ブランディングとパフォーマンスの両方を実現することができています。

― このフォーマットをより多くのウェブサイトがサポートするにあたって、パブリッシャー側の変化にはどのようなものがありますか?

Jerem Febvre氏、Sublime Skinz社 共同創業者兼プレジデント

パブリッシャーの観点からも、アウトストリーム型は非常に魅力的です。というのは1ページあたりに非常に多くのインベントリを創出することができるからです。これらの以前はマネタイズできていなかったコンテンツによって、パブリッシャーに更なる収入機会と高いCPMの機会がもたらされます。これはまさに、「良いところどり」とも言って良い状況です。またパブリッシャーにとってアウトストリーム型を利用する上での技術的な障壁もありません。パブリッシャーの多くから、アウトストリーム型のVideoSkinzキャンペーンへの参加や、当社のPMPテクノロジーを利用して彼らのキャンペーンを販売したいといった非常に多くのリクエストを受けています。私たちは、アウトストリーム型の需要の高まりに合わせて、パブリッシャーからの供給も増えると考えています。

― アウトストリーム型の高い効果を鑑みた場合、今までのプリロール型の需要はまだあるのでしょうか?プリロール型が効果を発揮するケースはありますか?

利用可能なインベントリの観点では、プリロール型はアウトストリーム型よりもより重要だと考えられます。また、インリード型の成長は過去2年間で非常に高いものです。この新たなフォーマットの品質はより費用がかかるため、プリロール型にはコスト意識の高い場合の選択肢としての需要が残されていると思います。基本的に、もし大規模で廉価な動画インベントリが必要な場合には、プリロール型はより好ましい選択肢となるでしょう。しかしながら、こういったインベントリを利用する場合には、パフォーマンス結果についての期待値を適正に抑える必要があります。

― アウトストリーム型は将来的にはどのように進化していくと考えていますか?

革新性のあるアウトストリーム動画の市場シェアは今後も伸び続けるでしょう。特に広告主がYouTubeのようなUGC型におけるブランドの安全性などに懸念を持ち始めている現状では顕著です。企業やパブリッシャーが動画広告は必ずしも動画コンテンツが必要ではないことを理解し始めれば、可能性は無限にあります。動画コンテンツ内で動画広告を配信する場合のコンテンツに関する制約がなくなりことで、企業は動画コンテンツの制約を受けることなく動画を配信できる一方で、十分なコントロールを行うことができます。アウトストリームはマーケターや動画のマーケットプレースにとって非常に期待が持て、可能性を感じるフォーマットです。

ABOUT 野下 智之

野下 智之

ExchangeWire Japan 編集長   慶応義塾大学経済学部卒。 外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。 国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。 2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。 2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。