「レコメンドの発展にはアトリビューション分析が鍵に」-アウトブレインが日本の媒体社向けイベントを開催

 
 

レコメンドウィジェットを提供するアウトブレインジャパン株式会社は、7月13日、都内で媒体社向けに行われる同社最大のイベントとなる「パブリッシャー・サミット」を開催した。

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イスラエルで誕生し、現在はニューヨークに本社を構える同社が、日本で本イベントを開催するのは4回目。冒頭の挨拶を行ったアウトブレイン本社マネージング・ディレクターのエイタン・ガライ氏は、同社が「ディスカバリー・プラットフォーム」という新たな分野を確立したパイオニア企業であると説明。当初はイスラエルの小さなオフィスで始まった事業が現在では世界中に17箇所の拠点を構えるまでに拡大したと振り返り、2017年にリリースした、既存顧客と類似した新規ユーザーに限定してコンテンツ配信を行う「インタレスト拡張配信」や、広告配信サーバーのデータをリアルタイムに分析することで各ページの収益性を一覧できる「オートマティックイールド」といった新機能の開発のため、現在でも多大な投資を続けていると述べた。

続いて登壇したアウトブレインジャパンの嶋瀬宏社長は、日本市場における事業動向を説明。ネットワーク加盟媒体社は昨年比39%増、月間アクティブクライアント数は同29%増といった急伸ぶりを伝えた。またネイティブ広告市場の成長を受けて、ディスカバリー・プラットフォーム事業はインターネット検索やSNSに匹敵する規模になりつつあると主張。一方でコンバージョン率においては検索連動型広告が自ずと優位になることから、購買決定前の興味・関心の喚起においても強みを発揮するディスカバリー・プラットフォーム分野の健全な成長のためには、アトリビューションが広範かつ緻密に証明できる仕組みの整備が鍵になるとの見解を述べた。

またアウトブレイン本社のCEO兼共同創設者のヤロン・ガライ氏は、ソニー創業者である故盛田昭夫氏が残した「利益を得ることも重要だが、将来の儲けとなる資産を築くために我々は投資をしなければいけない」という言葉を引用した上で、ユーザーとの長期的な関係の構築を目指していくとの方針を示した。

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さらに「パブリッシャーの抱える課題とディスカバリーの可能性」と題したパネルディスカッションでは、産経デジタル、小学館、グレイプといった大手メディアの広告関連担当者が議論を展開。UIやクリエイティブの変更によってPVやCTRに大きな違いが生まれた事例紹介や、ブランディングに適しているなどの理由で近年増加中のバーティカルメディアへユーザーを呼び込むためのレコメンドウィジェットの活用法などについて意見交換を行った。

第2部には、アウトブレイン本社戦略担当上席副社長のギラッド・デ・ブリーズ氏が登場。テレビCMやPRバナーなどを始めとする従来の広告形態は概してユーザー体験を阻害するものであったが、ディスカバリー・プラットフォームの誕生によって、ユーザー体験を阻害せずに企業がメッセージを伝えることが初めて可能になったと論じた。

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「ブランドが今パブリッシャーに求めるものとは」と題したパネルディスカッションには、ニューバランスジャパン、ライフネット生命保険、LIXILといった大手企業のマーケティング担当者が参加。PV数などマクロな傾向を示す数値だけではなく、一人ひとりの読者をしっかりと把握しているメディアこそマーケッターにとっては有用であるなどの意見が出た。

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長野 雅俊

ウェストミンスター大学大学院ジャーナリズム学科修士課程修了。 ロンドンを拠点とする在欧邦人向けメディアの編集長を経て、2016年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。 日本や東南アジアを中心としたデジタル広告市場の調査などを担当している。