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NEWS: スマートフォン広告向け広告出稿、増加傾向。CTRやクリック数など成果重視 〜企業のモバイル広告の利用動向 日経BP、D2C調べ

 (ライター:岡 徳之

日経BP社の「日経デジタルマーケティング」とD2Cは、共同で行った企業のモバイル広告の利用動向調査の結果を発表した。本調査の対象は、日本国内の上場企業および有力未上場企業の計4,229社、2013年5月にアンケートを実施し、542社からの回答を得た。

 

 

 

デジタル広告への出稿予算を「増やす」は21.2%、スマートフォン広告予算を「増やす」が増加傾向

 

2012年度の広告費を「100」としたときの2013年度の広告費総額の見通しは、回答企業全体平均で「101.91」。前回調査時の「104.01」から2.1ポイント減少している。2013年度広告費を前年比101以上に増やすと回答した企業は23.6%となった。

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2012年度の広告・宣伝費総額を「100」としたときの2013年度の広告・宣伝費総額

 

媒体別の予算配分増減を見ると、デジタル広告(PC広告、フィーチャーフォン広告、スマートフォン広告)全体では、「増やす」が21.2%だった。デジタル広告の中で「増やす」の割合がもっとも高いのはPC広告の18.3%。フィーチャーフォン広告は4.1%、スマートフォン広告は15.9%が「増やす」となった。デジタル広告、及びすべての媒体で、「減らす」の割合がもっとも低かったのはスマートフォン広告の1.7%(前回:3.0%)だった。

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2013年度の媒体別予算配分予定

 

一方、デジタル広告の「増やす」割合について3カ年の変化を確認すると、デジタル広告全体(2011年度23.0%→2013年度21.2%)では大きな変化が見られないものの、PC広告(2011年度23.5%→2013年度18.3%)とフィーチャーフォン広告(2011年度9.8%→2013年度4.1%)では減少傾向、反対にスマートフォン広告(2011年度11.7%→2013年度15.9%)では増加傾向が見られた。デジタル広告内での予算配分も変化してきている様子がうかがえる。

 

スマートフォン広告への出稿率がフィーチャーフォン広告を初めて上回る。

 

フィーチャーフォン広告には、全体で8.3%(前回:13.2%、前々回:16.9%)、BtoC企業では18.3%(前回:27.8%、前々回:29.9%)が出稿したと回答し、フィーチャーフォン広告への出稿率はこの3ケ年で8.6ポイント(BtoC企業では11.6ポイント)減少した。

 

一方、スマートフォン広告には、全体で13.3%(前回:10.9%、前々回:4.1%)、BtoC企業では28.1%(前回:22.5%、前々回:8.1%)が出稿しており、スマートフォン広告への出稿企業は増加。特にBtoC企業では3ケ年で20.0ポイントと大幅に増加し、2012年度は、スマートフォン広告の出稿率がフィーチャーフォン広告を初めて上回った。

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モバイル(フィーチャーフォン/スマートフォン)広告出稿状況 経年変化

 

スマートフォン広告の2012年度出稿媒体は、「一般のポータルサイト・検索サイト(70.8%)」、「アドネットワーク(38.9%)」、「SNSサイト(29.2%)」

 

スマートフォンの出稿企業に、2012年度の広告出稿媒体について聞いたところ、「一般のポータルサイト・検索サイト(70.8%)」、「アドネットワーク(38.9%)」、「SNSサイト(29.2%)」、「携帯キャリアの公式ポータルサイト(26.4%)」の順となり、多くの媒体で前回調査よりも高い比率を示した。

 

また、「今後、出稿してみたいメディア」について聞いたところ、「SNSサイト」では52.8%となり、「2012年度 出稿メディア」の29.2%より20ポイント以上高い数値となるなど、「一般のポータルサイト・検索サイト」以外の項目で、「今後、出稿してみたいメディア」の方が「2012年度 出稿メディア」よりも高い数値を示しており、幅広い媒体へのスマートフォン広告の出稿意向が高まっていることがうかがえる。

 

スマートフォン広告の広告効果指標としては、CTRやクリック数など成果を求める傾向

 

スマートフォン広告の出稿企業に、広告効果指標について聞いたところ、「CTR(クリック率:59.7%)」、「クリック数(58.3%)」、「CPC(クリック単価:54.2%)」、「CPA(顧客獲得単価:54.2%)」の順となった。これらの上位の項目では、前回の調査よりも10~20ポイント以上増加しており、2012年度にスマートフォン広告を出稿した企業がこれらの効果への期待が大きかったことがうかがえる。

 

日経BP社のウェブサイトでは、この他企業のスマートフォンサイトに関する調査結果も公開されている。

http://corporate.nikkeibp.co.jp/information/newsrelease/newsrelease20130710_2.shtml

 

ABOUT 大山 忍

大山 忍

ExchangeWire Japan 編集長 米国大学卒業。外資系企業を経て2000年にネット広告効果測定ツールを提供するベンチャーに創業メンバーとして参画。その後、バリューコマース株式会社と合併。 2007年1月にオムニチュア株式会社(現Adobe)に参加、コンサルティングサービスを立ち上げる。ビジネスコンサルタントとして米国のベスト プラクティスを日本の課題やニーズに合わせて提供、ウェブ解析やガバナンス(データ主導の組織・仕組化)に関する執筆・講演を行う。