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「ミクシィ」「グリー」、SNS運営会社がオーディエンスデータを活用した広告配信システムを相次いでリリース

(ライター:岡 徳之

SNS運営会社が、そのオーディエンスデータを活用した広告配信システムを相次いでリリースしている。

 

ミクシィマーケティングは7日、広告主・広告会社向けオンライン広告取引プラットフォーム「Vantage(ヴァンテージ)」のPC版の正式販売開始を発表。また同時に、プラットフォーム・ワンのSSP「YIELDONE(イールドワン)」とのインテグレーションも発表した。


 

 

ミクシィマーケティングが提供するDSP「Vantage」は、広告主・広告会社向けのオンライン広告取引プラットフォーム。SNS「mixi」のユーザー属性や趣味嗜好データなどを活用した外部サイトでのオーディエンスターゲティングが可能で、複数メディアへの広告配信ができる。

 

広告主のプロモーションに適した掲載先メディアに、最適な配信ロジックを自動分析・自動学習し、訴求すべきユーザーへ広告配信することで広告効果の最大化を実現する。Vantageのスマートフォン版を2013年7月5日に販売開始し、今後はPCとスマートフォンのデバイスを横断したプロモーションにも活用できる。

 

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「Vantage」のサービスイメージ

 

グリーもまた、翌日8日に広告主および広告会社の出稿を最適化するデマンドサイドプラットフォーム「GREE Ads DSP」の新バージョンを発表した。

 

GREE Ads DSPは、広告効果の自動最適化、リターゲティング配信、リアルタイムビッディング機能などを持つ配信サービスとして2012年6月より提供されている。今回新たに、SNS「GREE」との連動により、登録しているユーザーの属性や趣味嗜好情報を駆使したターゲティング配信が可能になった。

 

GREE Ads DSPはこの他にも、ユーザーが広告を最初に見た時点ではアクション(クリック、購買、資料請求など)をせず、しばらく経ってから間接的(検索、ブックマーク、直接URL入力など)に広告主サイトへ訪問しアクションした数を計測する「ビュースルーコンバージョン計測」を追加。さらに、広告申し込み予約をする前に掲載可能な広告インプレッションがあるかを確認できる「在庫予測機能」、CTRに基づいた広告表示の最適化など、機能の強化を図る。

 

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「GREE Ads DSP」のサービスイメージ

 

mixiのオーディエンスデータを活かせるVantageなどが販路を拡大する中、前述の2社をはじめ、今後、自社オーディエンスデータをもったSNSによるDSPの存在感が強まることが予想される。

 

関連リンク

ミクシィマーケティング プレスリリース
http://mixi-m.co.jp/press/20131007.html

グリー プレスリリース
http://corp.gree.net/jp/ja/news/press/2013/1008-01.html

(編集:三橋ゆか里)

 

 

ABOUT 大山 忍

大山 忍

ExchangeWire Japan 編集長 米国大学卒業。外資系企業を経て2000年にネット広告効果測定ツールを提供するベンチャーに創業メンバーとして参画。その後、バリューコマース株式会社と合併。 2007年1月にオムニチュア株式会社(現Adobe)に参加、コンサルティングサービスを立ち上げる。ビジネスコンサルタントとして米国のベスト プラクティスを日本の課題やニーズに合わせて提供、ウェブ解析やガバナンス(データ主導の組織・仕組化)に関する執筆・講演を行う。