データドリブンなクリエイティブ – 動画広告に必要なキラーコンビネーションとは

Justin Taylor’s Photo

(翻訳:Asia Plus 黒川賢吾)

“動画広告はデータとクリエイティビティーとを組み合わせる最高のプラットフォームになりえるが、多くの広告主はクリエイティブがもたらす可能性を認識していない”とUK MD Teads Justin Taylor氏は主張する

英国で60年前に最初のテレビ広告が流されてからというもの、広告には長い歴史がある。Gibbs歯磨き粉のコマーシャルがITVで放送されたとき、当時の英国の視聴者はそれを非常に新しいものに感じたことだろう。現在、私たちはさらに多くの経験を有している。

私 たちは1日に何度も、ときには同時に複数の画面でビデオ広告を目にしている。私たちがビデオコンテンツを消費する方法は劇的に変化しているにも関わらず、 多くのブランド企業はテレビ視聴者用に制作した30秒ものの広告スポットをインターネットで再利用している。プレロールもしくはインストリームの広告 フォーマットが溢れているのはそのためであり、テレビではお馴染みのお節介とも思われる経験が視聴者にもたらされている。

ブランド企業は何千ポンドもの金額をテレビ広告に投資しているため、デジタルのキャンペーンでそれをできるだけ再利用しようと考えるのは驚くにあたらない。しかしながら、オンライン向けにコンテンツをカスタマイズしないのは事業機会の損失である。広告が目にされるフォーマット、周辺コンテキスト、さらにはクリエイティブそのものによって、オンラインビデオはテレビよりも効果的にカスタマイズが可能なのである。

ただし、より適切な広告というのは、ただビデオのタイトルを別のものにすげ替えたり、年齢層によって顧客をグループ化したりすることではない。今日の創造性豊かな広告代理店は、データを活用して、画面・ナレーション・長さ・スタイルに至るまで、視聴者の好みに合うように内容を変化させることができる。例えば、若い人たちが短めの広告によく反応することが分かっているのなら、それに応じて広告も変えられるのである。これにより全体的なフォーカスをそれぞれの視聴者向けの広告に変化させることができる。つまり、私たちがよく自覚している通り、よりパーソナルなコンテンツを提供することが、コンバージョン率やROIの改善につながるのだ。

本当の意味でのパーソナル広告の実例としては、昨年末HONDAが実施した「The Other Side(ジ・アザー・サイド)」というキャンペーンが挙げられる。この広告が流されている間、ユーザーはキーボードを使って「学校から子どもをピックアップする男性」あるいは「銀行強盗の現場に居合わせた人」という2つのシナリオを選ぶことができた。そのため、その映像は視聴者の手に委ねられていた。ブランド企業は、広告に全面的に視聴者を関与させることで、視聴者は自らの経験を作り出すことができたのである。

広告が視聴者とのエンゲージメントを深め、より適切なものであることが今まで以上に重要になってきている。英国人の15%は、すでにインターネット上で広告ブロッカーを使用し、目障りな広告を見ないようにしているほか、この割合は今後数年で増加するとみられている1。たとえ広告をブロックしていないにしても、インターネットのオーディエンスは毎回広告を避けようとしている。当社の調査によるとウェブユーザーの63%はオンラインビデオ広告を「可能な限り早く」スキップしているほか、4分の1以上(26%)はサウンドをミュートに設定しており、さらに5人に1人はコンテンツに先立って流れるビデオ広告をスクロールして飛ばしている。

もし広告がよりクリエイティブでユーザーにとって適切且つ迷惑でないものになれば、ユーザーがブロックしてしまうことは減るだろう。押しつけがましい広告フォーマットでなければ、ユーザーはそれを視聴することでブランド認知を高め、そのメッセージを受け入れてブランドに好意を持つようになるだろう3 。広告がページ上のコンテンツの内容にうまく合いユーザーにとって意味があるものになれば、広告試聴の完遂率はこれまでにない水準にまで高まるはずだ。

広告には、相当大きなチャンスがある。2017年までに、消費者が目にするインターネットトラフィックの69%をビデオが占めると言われている。最も成功を収めるキャンペーンは、2つの最高の要素を組み合わせたものだ。データ主導によるマーケティングによるインサイトと、動画による高度でクリエイティブな広告フォーマットを組み合わせることで、マーケターはその手元に最強コンビを手にしているのである。

 

  1. IAB UK 2015 – Ad blocking software – consumer usage and attitudes
  2. Source: Enders Analysis, December 2014
  3. Source: Millward Brown custom study commissioned by Teads, June 2015

(編集:三橋 ゆか里)

 

 

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野下 智之

ExchangeWire Japan 編集長

外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。 国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。 2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。