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先週のアドテクシーン:スマホ広告市場規模が2,000億円突破、動画配信プラットフォームのスキルアップVTをオプトが買収

(ライター:岡 徳之

広告テクノロジー業界を定点観測するExchangeWire編集部が、過去一週間に起きたトピックの中から特に注目すべきものをピックアップしてお届けする。


 

 

 

 

サイバー、スマホ向けダイナミックリタゲ広告を開始

サイバーエージェントは、アドテクノロジー分野におけるサービスの開発強化を目的とした専門部署のアドテク本部にて、ユーザーの趣味嗜好に適した広告配信を行う、国内初のスマートフォンに特化したダイナミックリターゲティング広告「Dynalyst(ダイナリスト)」の提供を開始した。PCでは当たり前となっている行動ターゲティングを元にした商品のレコメンドバナーだが、スマホ分野でも登場してきた。先日、Criteoのリリースが話題になっていたのが記憶に新しい。

 

CAリワード、スマホ向け動画リワード広告を提供

サイバーエージェントのアドテクスタジオは、「CAリワード」にて、スマートフォン向けの動画リワード広告「Super Ad Video」の提供を開始した。動画広告というと、やはりブランディングやリッチなイメージが強い印象だが、リワードなどと組み合わせたダイレクト広告にも効果的であると考えられる。テレビで通販番組やCMに力があるように、ウェブ上でも動画による販促は強いと思われる。

 

アイレップ、Fiksuの日本における独占的サービス提供権を取得

アイレップは、スマートフォン向けアプリプロモーションプラットフォーム「Fiksu」との提携を発表した。リスティングのイメージが強いアイレップだが、モバイルアプリ在庫の統合プラットフォームへの参入となる。米国のFiksu社の商品を日本で拡販していく形だ。

 

スマホ広告市場規模、2014年は2,000億円突破 —CyberZ調べ

サイバーエージェント子会社「CyberZ」が、スマホ広告全体の市場調査をシードプランニング社と共同で行った。2013年のスマートフォン広告市場規模は、1,652億円。前年比193.0%となり、2014年は、2,304億円まで伸びると高成長の持続を予測している。

 

オプト、動画配信プラットフォームのスキルアップVTを買収

オプトは、動画広告の成長を見込み動画配信プラットフォーム事業者スキルアップVTを買収し子会社化したことを発表した。買収金額は、約22億円。国内でも今年はモバイルと動画が大きな存在になると思われる。

 

サイジニア、商品同梱チラシをパーソナライズするサービスを開始

サイジニアは、ECサイトや通販で発送した商品に同梱するチラシ上に、一人ひとり異なるおすすめ商品を自動で生成して印刷する、「デクワス.POD」を開発した。Programmatic Buyingの応用系とも言えるが、ECサイトで購入するまでの行動履歴データから、そのユーザの嗜好を予測し、反応が高そうなチラシを商品と共に発送するサービス。HDYグループも近しいサービスを提供しており、今後注目が集まる。

 

サイバー、DMPオウルデータを買収

サイバーエージェントがオウルデータを買収、子会社化。サイバーエージェントが持つアドネットワークとの連携や、同じく子会社であるマイクロアドとの連携に注目が集まる。業界最大手がDMP事業に本腰を入れ始めたと言える。

 

アイレップ、クリエイティブ・サービスの提供体制を強化

アイレップは、拡大するインターネット上の動画広告ニーズに応じたクリエイティブ・サービスの提供体制を強化し、動画広告における制作サービスを拡充した。「テンプレートプラン」「オリジナルプラン」「プレミアムプラン」の3つのサービスプランを用意し、クライアント企業のマーケティング目的や課題に沿った最適な提案を行う。

 

AMoAd、スマホ向けセグメントターゲティング広告を開始

サイバーエージェントのアドテクスタジオは、スマートフォンアドプラットフォーム「AMoAdネットワーク」において、iOS ・Androidの両OS及びウェブとアプリの横断を可能にした、セグメントターゲティング広告の提供を開始した。iOSは3PAS cookieを受け入れていなかったり、アプリはウェブブラウジングと同じcookieが焼けないなど、スマートフォン向けのリターゲティング広告はハードルが高く、さまざまな代替ソリューションが登場している。そんな中、サイバーエージェントは同社独自のマッチングエンジンを利用して、横断ターゲティングを開始した。

 

adingo、デバイス推定技術「AdTruth」の契約を締結

adingoが提供するデバイス推定技術「AdTruth」の国内におけるリセラー契約を締結し、提供を開始した。Fluctなどのソリューションを提供するadingoは、米国のデバイス類推技術をベースとしたcookieによらないターゲティングソリューションを持つAdTruthの提供を開始する。Cookieの使用に風当たりが強くなる中、先んじての契約になる。

 

Criteo、Tedemis社を買収

Criteoは、パーソナライズされたオプト・イン・メール・マーケティングソリューションのプロバイダーであるTedemis社を買収した。Tedemis社は、ウェブサイト来訪者を顧客にコンバートさせる上で有効な、パーソナライズされたリアルタイムのオプトイン・メール・マーケティング・ソリューションの有力プロバイダーである。

 

(編集:三橋 ゆか里)

 

 

ABOUT 大山 忍

大山 忍

ExchangeWire Japan 編集長 米国大学卒業。外資系企業を経て2000年にネット広告効果測定ツールを提供するベンチャーに創業メンバーとして参画。その後、バリューコマース株式会社と合併。 2007年1月にオムニチュア株式会社(現Adobe)に参加、コンサルティングサービスを立ち上げる。ビジネスコンサルタントとして米国のベスト プラクティスを日本の課題やニーズに合わせて提供、ウェブ解析やガバナンス(データ主導の組織・仕組化)に関する執筆・講演を行う。