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先週のアドテクシーン:LINE、ダイナミックリタゲでデータフィード広告市場に参入

日本国内、アドテクシーン画像



広告テクノロジー業界を定点観測するExchangeWire編集部が、過去一週間に起きたトピックの中から特に注目すべきものをピックアップしてお届けする。

【トップニュース】

LINE、ダイナミックリタゲでデータフィード広告市場に参入

ロゴLINEは、運用型広告LINE Ads Platformの新メニューとして、「LINE Dynamic Ads」の提供を開始した。

Webサイトにおけるユーザーの行動履歴にもとづいて最適化された広告素材を自動生成し、インフィード型の広告フォーマットで配信される。
図1

出典:同社プレスリリース

Google、Criteo、Facebookなどが中心のデータフィード広告市場にLINEが新たに参入したことで、データフィード広告市場の成長に弾みがつくことも期待される。

2017年3月にビカムが公表したデータフィード広告市場規模は、2018年のデータフィード広告市場を1090億円と予測している。
図2

出典:ビカム HP

【イベント】

FeedTech2018が12月18日(火)に開催、LINEも登壇

ロゴ12月18日にフィードフォースが主催するインベント FeedTech 2018では、LINE B2Bビジネスプロダクト企画室北出 庫介氏と、フィードフォース 取締役 喜多 宏介氏による「LINEにおけるデータフィードの活用シーンと今後の可能性」と題したセッションが予定されている。
「LINE Dynamic Ads」に興味のある方にとっては注目すべき内容であろう。

2020年度売上目標40億円、マイクロアド、食品・飲料業界向けに実購買データ連携のデータプラットフォームを提供

ロゴマイクロアドは、食品・飲料業界向けに、実購買データを連携したデータプラットフォーム「Pantry(パントリー)」の提供を開始した。

レシートデータをはじめとする実購買データ(ID-POS)とWEB上のユーザーの行動履歴を連携することで、従来のPOSデータでは実現できなかったWEBプロモーションにおける事前事後の購買リフト分析を可能にする。同社は、このサービスの2020年度の売り上げ目標を40億円に設定しているとのことだ。

VRI、デスクトップ広告向けとスマホ広告向けの2つのデジタル広告統計サービスを統合

ロゴビデオリサーチインタラクティブは、これまで提供してきたデスクトップ広告の広告統計サービス「Web Ads Report Advance」とスマートフォン広告の広告統計サービス「Smartphone Ads Report」を統合し、2019年1月よりデジタル広告統計サービス「digiads(デジアズ)」として提供を開始する。
デジタルデバイスを横断した広告出稿状況が把握可能となるほか、統計の対象に新たにLINE広告が加わるなどの機能拡充がなされる。
図3

出典:同社プレスリリース

電通デジタル、広告効果の高いターゲットを発掘する「True Target Discovery™」を提供開始

ロゴ電通デジタルは、デジタル広告の配信結果をもとに広告効果の高いターゲットを発掘する「True Target Discovery™(トゥルー・ターゲット・ディスカバリー)」を開発し提供開始した。
実際に広告を見て来訪したユーザー群と広告を見なくても来訪したであろうユーザー群に統計的に切り分けることで、広告接触により態度変容しやすいターゲットを発掘することが出来、想定外のミドルファネルのターゲット像の発見や、広告に親和性の高いユーザーに絞った広告配信を可能とする。
図4

出典:同社プレスリリース

セプテーニ、AIを活用したアプリデータソリューションツール『Precog for APP』にユーザーの離脱予測機能を実装

ロゴセプテーニは、AI(機械学習)を活用したアプリデータソリューションツール『Precog for APP(プリコグ フォー アップ)』に、ユーザーの離脱予測機能を実装し、提供を開始した。
直近で離脱する可能性の高いユーザーを特定することができるようになり、離脱傾向が顕在化しているユーザーリストのデータを主要広告媒体と連携し、該当ユーザーに対し離脱前にリテンション広告を配信するなど、離脱を防ぐための適切なアプローチが可能になる。
図5

出典:同社プレスリリース

フリークアウト、アプリエンゲージメントプラットフォームを提供開始

ロゴフリークアウトは、アプリエンゲージメントプラットフォーム「LayApp(レイアップ)」の提供開始を公表した。
アプリから離脱したユーザーを戻す"リエンゲージメント"ではなく、離脱が予想されるユーザーや課金頻度の低いユーザーなど、エンゲージメントが低い既存ユーザーに対しアプローチをして、アプリ継続率、課金額、課金頻度のアップを図るというもの。
図6

出典:同社プレスリリース

Supership、サイト内商品広告ソリューション「S4Ads(エスフォーアズ)」の提供を開始

ロゴSupershipは、ECサイト向けの商品広告ソリューション「S4Ads(エスフォーアズ)」の提供を開始した。
メーカー・出店者などの商品サプライヤーに向けた広告出稿機能を、ECサイト運営者が簡単に自社のサイトに組み込むことができるソリューションパッケージとして提供される。
ECサイト運営者は自社サイトを広告媒体にした新たな収益機会を作ることが可能になる。

オールアバウト、Armと共同でパブリッシャー向けにデータエクスチェンジ支援を推進

ロゴオールアバウトは、コンテンツマーケティングを推進するプラットフォーム「All Aboutプライムアド」に参画するパブリッシャーのデータエクスチェンジ推進を目的に、英Armと協業し、カスタマーデータプラットフォーム(CDP)の導入から、運用までを支援する共同商品「All About プライムアド CDPオプション」の提供を開始した。
図7:All About プライムアド

出典:同社プレスリリース

【資本提携・買収】

トランスコスモス、タイのネット広告会社と資本提携

ロゴトランスコスモスは、 ASEAN市場向けデジタルマーケティング事業の強化を目的に、タイHeroleads Thailandと資本提携をしたことを公表した。
同社は、2015年設立のパフォーマンスマーケティングを支援する広告会社。パフォーマンスベースのデジタル広告運用のほか、 デジタルクリエイティブの制作、 データ分析・トラッキング、インフルエンサーマーケティングなどのサービスを、150社以上の顧客に提供している。

【新会社・新組織】

CyberZ、世界各地域に特化したクリエイティブ組織を設立

ロゴCyberZは、海外プロモーションに特化したクリエイティブ組織「グローバルクリエイティブ本部」を設立した。

最適なクリエイティブの制作および効率的な運用を目的に、海外法人との業務提携や新しいクリエイティブツールの開発を行っていく。第一弾として、米国向けクリエイティブ向上を目的に、2018年11月より、ゲーム事業会社向け映像プロモーションのノウハウを多く持つSupercool Creative Agency社と業務提携を開始し米国向け配信の強化を図っている。

ABOUT 野下 智之

野下 智之

ExchangeWire Japan 編集長   慶応義塾大学経済学部卒。 外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。 国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。 2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。 2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。