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マーケターのおよそ84%がアテンション指標に期待―DoubleVerify調査

デジタルメディア測定、データおよび分析向けソフトウェアプラットフォーム企業のDoubleVerify Japanは、マーケターを対象としたデジタル広告の品質向上への取り組みと「アテンション指標 *」の導入意欲に関する調査結果を発表した。

 

動画プラットフォームやソーシャルメディアの急速な普及、UGC(ユーザー生成コンテンツ)の大量投稿などもあいまって、個人がアクセスできるデジタルコンテンツが爆発的に増加し続けている。このような環境におけるデジタル広告運用では、ユーザーからの信頼性を担保しつつ、いかにアテンションを獲得できるかが非常に重要となっている。しかしながら、アテンションの獲得を最優先とするMFA(Made-for-Advertising)のようなWebコンテンツを、AIを使うことで短期間に大量生産できることから競争が激化し、広告主が本当に届けたいメッセージが消費者に届かないという状態が拡大している。

 

本調査結果から、マーケターの94.5%が「広告の品質が重要」であると考えており、ビューアビリティ(可視性)、ブランドセーフティ、アドフラウド(不正行為)などの広告品質に関連した指標を重視していることが顕在化した。また、マーケターが抱える課題解決に向け、83.7%が「従来のKPI指標に加え、アテンション指標を活用したい」と考えていることから、CPAの改善といったパフォーマンス向上やブランディングなどへの利用検討が加速することが見込まれる。

 

デジタル広告指標のうち重視している指標として、54.9%が「コンバージョン」、51.1%が「獲得単価」と回答するなど、半数以上が最終的な事業成果にできる限り近いKPIを重視している傾向にあると分析できる。しかしながら、本調査結果の分析から、広告の品質に関連した指標と、ユーザーの行動としてのコンバージョンやブランドリフトなどの最終的な成果に至るまでの有効なパフォーマンス指標が存在していないと考えられる。

 

従来のクリック数といったKPIだけでは、広告が視聴者に与える効果を測定するには不十分であり、サードパーティクッキー廃止などの規制により、さらにその測定が制限される。このような状況から、DVが開発した「アテンション指標」は、プライバシーに配慮していることからも、業界の新たなビジネス成果に結びつく強力な指標として、グローバル市場での採用が進んでいる。

 

本調査から、日本市場においては、国内マーケターの31.3%が「アテンション指標という単語を耳にしたことがない」という状況であり、アテンション指標の認知度および普及率は、まだ限定的ではあると言える。アテンション指標に基づき、より適切なターゲットユーザーに対して、より適切な配信面に、より適切なメッセージやクリエティブの配信が可能になれば、デジタル広告運用から得られるビジネス成果は確実に高まる。また、マーケターが抱える課題解決に向け、アテンション指標がデジタル広告運用における「新たなKPI」となり得るものと言える。

 

本調査レポートは下記URLよりPDFをダウンロードのうえご確認いただけます。

Attention Metrics 広告品質およびアテンション指標に関する 意識調査レポート – 2023

 

*アテンション指標 :①エクスポージャー指標(平均視聴時間、視聴完了率、広告占有率など)と、②エンゲージメント指標(広告とのインタラクション:タッチ、画面表示の向き、再生、ボリューム調整など)を、総合的に評価・分析した指標のことを言う。

 

◾️調査概要

DoubleVerify Japan株式会社は、株式会社デジタルインファクトの協力のもと、デジタル広告に関与している広告主および広告代理店に属しているマーケターを対象に、2023年9月からオンラインでの調査を実施した。アンケート回答者のほぼ半数が広告主および広告代理店であり、有効回答数は233(総回答数294)だった。

調査名:「広告品質およびアテンション指標に関する意識調査」

調査期間:2023年9月28日〜2023年10月24日

ABOUT 長野 雅俊

長野 雅俊

ExchangeWireJAPAN 副編集長
ウェストミンスター大学大学院ジャーナリズム学科修士課程修了。 ロンドンを拠点とする在欧邦人向けメディアの編集長を経て、2016年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。 日本や東南アジアを中心としたデジタル広告市場の調査などを担当している。