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先週のアドテクシーン:アクセンチュア、IMJの株式を取得し傘下へ、オプトがアドテクエンジニア新組織「Opt Technologies」を設立

(ライター:Livit Tokyo 中井 千尋)

広告テクノロジー業界を定点観測するExchangeWire編集部が、過去一週間に起きたトピックの中から特に注目すべきものをピックアップしてお届けする。

【新サービス・新機能】

TOKYO FM 、国内初のデジタル・オーディオ・アド・ネットワークを構築

TOKYO FM は、国内初のデジタル・オーディオ・アド・ネットワークを構築した。(PDFアイコンPDF)
先日提携した米国の同事業のベンダーであるアズウィズの技術を利用して実現。音声のターゲティング広告は、広告の再生完了率の高さが特徴であり、音声コンテンツ間に配信される広告(ミッド・ロール広告)の再生完了率は90%以上を記録する例が数多く報告されている。

オプト、アドテクノロジーの研究・開発等を行うエンジニア組織「Opt Technologies」を設立

オプトは、アドテクノロジーを中心とした研究開発および事業推進を目的としたエンジニア組織「Opt Technologies」を設立した。2017年までに100名規模の開発体制へ強化していくとともに、開発効率向上を目的にエンジニア向けの各種制度の改善も実施する予定。同様の組織はサイバーエージェントのアドテクスタジオが有名である。

Yahoo! JAPAN、デジタルマーケティング情報サイト「Insight for D」を公開

Yahoo! JAPANは、デジタルマーケティング情報に関するオウンドメディアをローンチした。デジタルマーケティングにおける国内外の最新トレンドの紹介や成功事例、業界リーダーへのインタビューなどを掲載予定。同社がデジタルマーケティングで国内外を先行しているということを認知させる目的があると考えられる。

【提携・買収】

サイバーエージェントのAMoAd、集英社のスマートフォンアプリ「ONE PIECE 無料連載公式アプリ」と提携

サイバーエージェントのスマホアドネットワークのAMoAdは、集英社の「少年ジャンプ+」「NARUTO-ナルト-無料マンガ連載&アニメ放送公式アプリ」に続いて「ONE PIECE 無料連載公式アプリ」とも連携を行った。この提携により、AMoAdに出稿している企業は、新たにこのアプリへ広告配信することが可能となる。

毎日新聞社、米経済紙ウォールストリート・ジャーナルとの本格提携を開始

毎日新聞は、2014年に発表していたWSJとの提携を本格的に開始する。具体的には、毎日新聞の有料会員はWSJの日本版だけでなく、英語の米国版、欧州版、アジア版、インド版、中国語の中国版といった各地域版を読むことが可能になる。

アクセンチュア、IMJの株式を取得し傘下へ -デジタルマーケティング領域の強化-

アクセンチュアは、IMJの株式の過半を取得し傘下へ収めた。IMJは1996年に日本で設立されたデジタルマーケティング企業で。現在は600名ほどの社員を擁しており国内大手のデジタルマーケティング企業となっている。アクセンチュアはそのリソースを利用し、デジタルマーケティング領域を強化する。

CyberZの「F.O.X」、「docomo Ad Network」と計測連携

CyberZの「F.O.X」は、ドコモが提供する「docomo Ad Network」と連携した。docomo Ad Networkは、2015年7月にサービス提供が開始されたドコモが運営するポータルサイト「dmenu」への広告配信が可能なアドネットワークである。今回の連携により、F.O.XのSDKを導入することで、docomo Ad Networkにおいて、iOS・Android両OSでのインストール・LTV計測およびアクセス解析が可能となる。

サイバーエージェントの「AI Lab」、静岡大学と産学連携し広告予算配分・最適化配信技術の共同研究を開始

サイバーエージェントのアドテクスタジオが行っている「AI Lab」は、東京大学、明治大学に続いて静岡大学の助教授で、広告のアロケーションやペーシングを研究している前原貴憲氏とも産学連携を発表した。今後は前原氏とともに、最適化・数値解析の理論を用いて、広告予算内でKPIを最大化するようなペーシング技術や、最適な予算配分を行うアロケーション技術などの研究に注力する。

【新会社・新規参入】

電通、マレーシアの総合デジタルエージェンシー「コンシダー・デジタル社」を買収

電通は、2013年に設立されたマレーシアの総合デジタルエージェンシーである「コンシダー・デジタル社」を買収した。コンシダー・デジタル社を同社グループのiProspect(アイプロスペクト)の現地法人「アイプロスペクト・マレーシア」と合併させ、社名をConsider iProspect(コンシダー・アイプロスペクト)に改称する予定。電通は海外のデジタル系ベンチャーエージェンシーの買収を強化している。

元マイクロアド社員が設立したアドアジアホールディングス、次世代TV広告事業をシンガポールで開始

元マイクロアド社員で東南アジアを担当していた十河氏と小堤氏は、スマートテレビ向けのアドネットワーク事業をシンガポールで開始した。東南アジア各国にはデジタルマーケティングおよびローカルマーケットを理解し、キャンペーンを企画・運用できる企業、さらには各国を横断してマーケティングキャンペーン企画・運用できる企業が非常に少ないことが背景にある。日本人メンバーによる海外スタートアップとなり、今後のグローバルな戦略に注目が集まる。

ABOUT 野下 智之

野下 智之

ExchangeWire Japan 編集長   慶応義塾大学経済学部卒。 外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。 国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。 2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。 2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。