先週のアドテクシーン:サイバーエージェントがインターネット広告に関する情報サイトを公開、フリークアウトがプライベートDMP「MOTHER」のデータを活用したMobileApp DeepLink Optimization機能をリリース
(ライター:岡 徳之)
広告テクノロジー業界を定点観測するExchangeWire編集部が、過去一週間に起きたトピックの中から特に注目すべきものをピックアップしてお届けする。
ZucksがUUUMと共同でYouTuberと連携した取り組みを開始
VOYAGE GROUPの連結子会社で、スマートフォンやタブレット端末を含むモバイル関連事業を展開するZucksが、YouTuberのマネジメント・サポート事業を展開するUUUMが運営する「UUUMネットワーク」への広告配信において連携を開始した。Zucksが運営する「Zucks Affiliate」と契約する広告事業者のタイアップ動画制作をはじめとした案件情報をUUUMネットワークのYouTuberに提供する。広告事業者は、UUUMネットワークに所属するYouTuberのチャンネル視聴者に対し、商品やサービスの理解促進や購買促進、アプリ利用を期待すること可能である。
サイバーエージェントがFacebook社のDynamic Product Ads APIを活用した広告配信を開始
サイバーエージェントのアドテクスタジオが、同社が提供するスマートフォンに特化したダ イナミックリターゲティング広告「Dynalyst」において、Facebook社が提供する「Dynamic Product Ads 」のAPIを活用した広告配信を開始した。Dynamic Product AdsのAPIを活用することで、Dynalystを利用し広告配信を行う企業は、Facebookのニュースフィード上にダイナミックリターゲティング広告を掲載することが可能となる。先日Criteoも連携を発表したFacebookの本格的なEC向けのサービスに、サイバーエージェントとしても対応したことになる。
Fringe81が総額4億2千万円の資金調達を実施
Fringe81が、スマートフォン領域における事業の強化を目的として、総額4億2千万円の第三者割当増資を実施すると発表した。引受先は、アイスタイルキャピタル、NTTドコモ・ベンチャーズが運営する投資事業組合、グリー、電通デジタル・ホールディングスが運営する投資事業有限責任組合、TBSイノベーション・パートナーズ合同会社が運営する投資事業組合。調達した資金は、人材の採用・育成の強化、ならびに研究開発に充当する予定。電通系の代理店から積極的にツールを利用してもらえる可能性も増えるだろう。
プラットフォーム・ワンのDSP「MarketOne」がグローバルSSP/Exchange4社と一斉に接続を開始
DACグループのプラットフォーム・ワンが、同社が提供するDSP「MarketOne」において、AOL/PubMatic/Rubicon/Smaatoの海外大手4社のSSPと一斉に接続を開始すると発表した。海外媒体の在庫が豊富に接続することで、より幅広いユーザへリーチすることが可能となる。
サイバーエージェントがインターネット広告に関する情報サイトを公開
サイバーエージェントが、インターネット広告に関する情報サイト「CyberAgent AD.AGENCY」を公開した。本サイトは、企業のマーケティング担当者向けに、ウェブプロモーションに関連する最新の事例や手法を紹介する情報サイト。同社が手掛けたプロモーション事例の紹介や、著名ゲストを迎えたインタビュー記事などの掲載も行う。電通が運営する「電通報」に近いようなサービスとなり、同業界のニュースポータルを狙う。
CAのデータフィードマネジメントサービス「CA DataFeed Manager」が「AdRoll」と連携
サイバーエージェントのアドテクスタジオが、データフィードマネジメントサービス「CA DataFeed Manager)」において、国内データフィードツールとしては初めて、米AdRollが提供するリターゲティングプラットフォーム「AdRoll」と連携した。これにより、すでにCA DataFeed Managerを導入している広告主企業は、既存のデータフィードを活用しAdRollへの広告配信が2015年3月2日より可能になる。
Momentumが業種カスタマイズ型アド・ベリフィケーションツールを正式リリース
Momentumが、業種カスタマイズ型アド・ベリフィケーションツール「Black Swan Verification」を正式にリリースした。Black Swan Verificationは、アダルト、違法ダウンロードといった社会的不適切広告や、広告主の業種やサービスに対する批判的・ネガティブな広告出稿に起因するブランド価値毀損を回避することが出来る第三者配信ツール。ブランド毀損に繋がる広告枠へ配信する際のクリエイティブをコントロールすることで広告主のブランド価値、総合的なROIの向上を実現する。2014年12月より無料お試しキャンペーンにより計測を行ってきた結果、オンライン広告配信においてブランド毀損に繋がる配信は全体の5〜15%を占めることが分かったという。
ネイティブ広告の分析支援ツール「TRIVER」がネイティブ広告プラットフォーム「logly lift」と連携を開始
オプトグループのグルーバーが、同社が提供するネイティブ広告の統合管理ツール「TRIVER」において、ログリーが提供するネイティブ広告プラットフォーム「logly lift」と計測連携を開始したと発表した。今回の連携により、logly liftが連携するPC・スマートフォンを対象に展開しているメディアの延べ40億インプレッションのネイティブアド広告在庫に対して、誘導元メディアからコンテンツページ、広告主サイトまでの来訪経路・閲覧状況分析をTRIVERの管理画面上で一元管理できるようになる。ネイティブ広告の普及が進むに連れて、管理のシンプル化が求められていることが背景にある。
フリークアウトがプライベートDMP「MOTHER」のデータを活用したMobileApp DeepLink Optimization機能をリリース
フリークアウトが、同社が提供するプライベートDMP「MOTHER」のデータを活用した、MobileApp DeepLink Optimization機能を、広告主およびモバイルアプリベンダー向けにリリースした。この機能は、ウェブ上での行動履歴等DMPに蓄積されたオーディエンスデータを用いて、モバイルアプリの初回起動画面をユーザ毎に最適化するもの。アプリの決まった初回画面ではなく、決まったコンテンツに直接するディープリンクは最近注目が高まっている。
ABOUT 野下 智之
ExchangeWire Japan 編集長 慶応義塾大学経済学部卒。 外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。 国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。 2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。 2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。