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先週のアドテクシーン: エスワンオーインタラクティブ、運用型広告の統合管理システム「VISARY」をリリース

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(ライター:井上 美穂)

広告テクノロジー業界を定点観測するExchangeWire編集部が、過去一週間に起きたトピックの中から特に注目すべきものをピックアップしてお届けする。

 

 

スマホアドネットワーク「nend」、アジア圏ユーザーや訪日観光客をターゲットとした広告配信機能を提供

国内最大級のスマホアドネットワークのnendは、IPアドレスを用いた国判別指定配信機能を開始した。nend広告プラットフォームを通して広告出稿をすることで、ユーザーの出身国にあわせたターゲティング広告の表示が可能になる。アジア圏ユーザーや訪日観光客をターゲットにしているが、最近国内ではこのようなインバウンドを目的としたサービスが増えている。

 

エスワンオーインタラクティブ、運用型広告の統合管理システム「VISARY」をリリース

トレーディングデスクのエスワンオーインタラクティブは、複数のDSPやアドネットワークを第三者配信で束ねることでマルチデバイスで分析することを可能にし、さらにそれらを一括管理できる統合管理システムを「VISARY」をリリースした。マルチデバイス分析機能では、分析が難しいとされていた「複数のデバイスをまたいで行動するユーザー」の行動を可視化することができるため、Webプロモーションにおける運用型広告の解決策として期待されている。

 

ジーニー、インドネシアのアドテクノロジー企業ADSKOM社の第三者割当増資を引き受け

国内SSP事業者のジーニーは、インドネシアのアドテクスタートアップのASDSKOM社への出資を発表した。ジーニーは東南アジア施策を強化しており、今回の出資もその中の取り組みとして実施された。昨年にはIT系デジタル広告関連企業の大手トランスコスモスと合弁でSSP会社Simba digitalを設立し、シンガポール、マレーシア、インドネシア、タイに拠点を置いた。現在ASEAN10ヶ国で事業を展開している。

 

ブレインパッド、DMPのデータから高速にセグメントを作成するデータマネジメントツール「DeltaCube」をリリース

ブレインパッドは、同社のDMPであるRtoasterで高速にセグメント作成ができるツールをリリースした。機能は順次追加予定とのことだが、DMPに蓄積された各種データを元にユーザー数を確認しながら直感的な操作でセグメント作成が可能になる。

 

サイバーエージェントのインフィード型広告に特化した SSP「CA ProFit-X」、「Yahoo!アプリインストール広告」に接続

サイバーエージェントのインフィード型のネイティブ広告SSP「CA ProFit-X」は、「Yahoo!アプリインストール広告」と接続を行った。Yahoo!アプリインストール広告は続々と大手SSPと接続を行っている。

 

ジーニー、「Yahoo!アプリインストール広告」への接続を開始 アプリインストール促進に特化した広告配信を可能に

サイバーエージェントのSSPと同タイミングで、国内大手SSPであるGenieeも「Yahoo!アプリインストール広告」と接続を行った。広告主は、「Yahoo!アプリインストール広告」の高度なターゲティング機能を利用して、適切なユーザー層にリーチすることが可能になる。また、見込みユーザー層に絞り込んで広告配信を行ったり、特定のセグメントを配信対象から除外することもでき、アプリのインストール促進の効率化が図れる。インフィード型に対応するSSPとしては繋がっていることがデフォルトのような状態になることも考えられる。

 

デジタル広告取引プラットフォームのC1X Inc.、世界初のオーディエンス予約エンジン「C1X Audience Guarantee」をリリース

Programmatic Directを専門領域とするプラットフォーマーであるC1Xは、オーディエンス予約エンジンを世界で初めてリリースした。オーディエンスを加味した在庫予測は複雑なロジックを必要としているが、このツールによって広告の買い手は従来の複雑な情報を一元的に分析し、最先端のデータサイエンスを用いることで最適なメディアプランニングが実現可能となる。

 

ファンコミュニケーションズ、アプリ内課金も成果地点にできる複数成果地点型アフィリエイトアドネットワーク「seedApp」β版提供開始

これまでのCPIモデルではインストールでの課金が多く、そこからのステップは内部で計算して合わせることが多かったが、ファンコミュニケーションズは実際に成果地点をゴールにCPIモデルで運用できるアドネットワークをリリースした。これにより、広告主だけでなく、媒体社にとっても安定的に豊富な広告在庫の提供ができることが期待されている。

 

ニジボックス×インティメート・マージャー、レシートの購買データを活用したDSP配信サービス「レシートあど」の提供開始

ニジボックスが運営する主婦層をターゲットにしたレシート情報管理サービス「レシポ!」は、フリークアウト系のIMと提携し、レシートを元にした購買情報ターゲティングのできるDSPサービス「レシートあど」を開始した。

 

ソネット・メディア・ネットワークスが不動産業界向けに潜在顧客ターゲティングオプションを提供開始

国内有力DSP「Logicad」を運営するソネット・メディア・ネットワークスが「Logicad潜在顧客ターゲティング」を開発した。第一弾として、アットホームの「新築分譲 AI ディスカバリー」へ不動産業界に特化した限定版の提供を行う。Logicad潜在顧客ターゲティングは、Logicadが保有する膨大なオーディエンスデータを活用し、優良顧客となり得る潜在顧客層にリーチして行動変容を促すサービス。リターゲティング広告などを配信も考えており、潜在顧客の発見からコンバージョン獲得までフルファネルでの顧客獲得をサポートする。

 

 

 

ABOUT 野下 智之

野下 智之

ExchangeWire Japan 編集長   慶応義塾大学経済学部卒。 外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。 国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。 2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。 2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。