イベントレポート:データフィードの現在と未来を語り尽くす「FeedTech2016」

フィードフォースは9月6日、データフィードの現在と未来を語り尽くす、データフィードに関わる可能性のある方を対象とした日本最大級のデータフィード専門イベント「FeedTech2016」を開催した。

データフィード関連市場の健全な成長を目的として2015年に初めて開催し、今年2回目となる。

商品データの広告への配信として始まったデータフィード。コンテンツ情報をニュースメディアやプラットフォーム企業へ配信(分散型メディア)や、CRMデータをDMPへ、また、サイト内レコメンドへの回帰など、新しい活用方法や活用場所の拡大を受け、関連プレイヤーも増加している。フィードフォースは今回、「データフィードは広告だけでなく、デジタルマーケティングの基盤となる」というメッセージを「Datafeed Everywhere!」というキャッチフレーズに込めた。

データフィードエコシステム構築に向けたフィードフォースの4つの取り組み

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オープニングは、フィードフォース 代表取締役社長 塚田耕司氏が登壇。同氏は、現在普及が進むデータフィードの利活用に関して、「唯一ボトルネックとなっている大きな課題は、広告主にとってわからない・面倒くさい・大変というデータフィードの仕組みである。」と述べ、その解決策として、同社が取り組む「データフィード導入障壁を取り除き、誰もが簡単にデータフィードで情報流通することを可能にするための4つの取り組み」を紹介した。

一つ目は、Feedエコシステム構想「Beyond(ビヨンド) 」。

Feedエコシステム構想として、ECプラットフォームや、サイト内検索ソリューション、レコメンドサービスなどの商品データを保有・活用するサービスを提供する企業とのパートナーシップ制度である、”データフィード・アライアンス・プログラム”「Beyond(ビヨンド) 」 を発表した。

FeedTech2Beyondは商品マスターデータを持つSaas事業者と、FFのデータフィード最適化システムを連携し、ワンクリックでマスターデータからデータフィード生成、各プラットフォームに最新のデータが流れる仕組み。これによって広告主は、手間がかかるデータのやりとりをすることなくデータフィードを活用できるようになるという。
具体的には、17,000サイト以上のEC事業者が保有する、のべ3億5000万件以上の商品データすべてがDF PLUSと連携可能になり、EC事業者はGoogleショッピング広告、Criteo広告、Facebookダイナミック広告などのデータフィード活用広告への配信まで、ワンストップで実現可能になるという。

現時点で、アラタナ、ecbeing、Eストアーブレインパッドをはじめ計11社が、アライアンスパートナーとして参画し、今後多数の企業が参加予定とのこと。この構想のもと、まずは技術的な連携部分のストレスを最小化することでデータフィード利用促進に貢献し、数億アイテムの商品流通を目指すとのことだ。

2つ目は、国内初のデータフィードに特化したビジネス本「一番やさしいデータフィードマーケティングの教本」の執筆。

3つ目は、データフィードの管理、最適化のセルフサービスプラットフォーム「データフィード最適化セルフツール」の提供。
これまでフィードフォースが行ってきた、データフィードの構築・最適化および管理を利用企業自らが行うことが出来るようになる。このサービスにはフィードフォースが過去5年間蓄積したノウハウをすべて詰め込んでおり、9月6日に先行ユーザー登録を開始した。β版は10月公開、広告代理店への一般公開は11月予定。その後広告主への提供を予定している。

4つ目は、このイベントそのものであり、国内最大級、唯一のDF特化イベントとする「FeedTech2016」の開催。

塚田氏は、「データフィードを誰でも簡単に使えるようにすることで業界を活性化し、1社でも多く活用企業を増やすサポートをすることをフィードフォースの目標に掲げている。データフィードの活用はまだ始まったばかりで今後大きな可能性が広がっている」とまとめた。

Facebookダイナミック広告、4つの成功の秘訣とは?

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続いて、Facebook Partner Manager 大谷直史氏が「Facebook広告におけるデータフィードの役割とその進化」をテーマに登壇。同氏は「現在のFacebookについて」、「なぜダイナミック広告が今求められているのか?」、そして「 ダイナミック広告成功の秘訣」の3つを解説した。

FacebookはInstagramを傘下にし10億人ユーザー(月間)を超えるメッセンジャーサービス(Facebook、Facebookメッセンジャー、WhatsAppの3つを運営する企業となった(2016年7月)。国内では、2016年6月時点でFacebookは月間2,600万ユーザー(世界で17.1億ユーザー、Instagramは日本で月間1,200万ユーザー(世界で5億ユーザー)を抱える。
日本におけるFacebookへのアクセスは、国内全体の92%がモバイルからであり、これは世界でも高い割合であるとのこと。

大谷氏はまた過去と現在とのFacebook広告の目的の変化について触れ、以前は、いいね!やシェアなどのユーザーとのエンゲージメント構築目的が主流だったが、今はCV獲得やアプリインストール、オフラインCV獲得目的の利用が増加している。つまり本来の(広告主の)事業目的達成を追い求めることができるプラットフォームになってきているとした。
次に、Facebookが提供しているダイナミック広告についての紹介があり、この広告はFacebookで唯一データフィードを使う広告ソリューションであると述べた。ダイナミック広告は2015年2月にローンチ、以降現在に至るまで約25億点の製品がアップロードされているとのこと。
ユーザーのアクションに対して最適な広告を自動で配信できるダイナミック広告は、2016年5月に購買意欲を喚起するInstagramでも配信可能となり、2016年7月には、ダイナミック広告とモバイルアプリインストール 広告との組み合わせでの展開(ダイレクトにアップストアへ誘導する)を開始、インストールから購買まで一連の流れで完了できるようになったとのことだ。

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大谷氏はダイナミック広告で成功を収める秘訣として、1.「配信量の最大化 」、2.「関連度を高める」、3.「効果測定(マルチデバイス)」、4.「フルファネルアプローチ」の4点について説明した。
1点目の「配信量の最大化」について、同氏は「Facebook、Instagram、オーディエンスネットワークの3つの媒体全てに一斉に広告配信し、インプレッションを最大化することが最重要である」とした。
また、Instagramのダイナミック広告活用で3倍のROASを達成した事例や、2倍のROAS、18倍のリーチ拡大を達成したカナダや米国の事例を紹介、Instagramがユーザーの購買意欲を喚起していると述べた。
また、Facebookメッセンジャーをeコマースの新たなプラットフォームとして取り上げ、この活用にはデータフィードが必須であるため今後のFacebookの進化と共にデータフィード活用が増えることは間違いないとした。

2点目の「関連度を高める」施策については、特にダイナミック広告での秘訣として、ユーザーのオンラインアクションから得られるシグナルとリーセンシーとを組み合わせてより精度の高いターゲティングを行い、関連度スコアを高めることが効率的だと語った。

3点目の「効果測定(マルチデバイス)」について、Facebookのクロスデバイスレポートをもとに、ユーザーのカスタマージャーニーの中でインプレッションやCVポイントの発生場所が可視化されており、広告主がモバイルやマルチデバイスに渡る広告戦略の立案することできると解説。

4点目の「フルファネルアプローチ」については、多くのFacebook広告主がブランディング(上位ファネル)とダイレクトレスポンス広告(下位ファネル)との組み合わせで成功していると説明。ある求人サービスのプロモーション事例では、求人応募の動画広告でCVRが48%向上し、CPAは10%減少したことを紹介した。

アドテク活用で大事なのは「誰に・何を・どう見せるか」を常に意識すること

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続いて、ネクスト マーケティング戦略部 プロモーションユニット 広告グループ 多田隈文氏が登壇。
多田隈氏は冒頭、同社がテクノロジーに注力し、実績を上げてきたことから「最新テクノロジーはHOMESマーケティングに重要である。」という認識であることを強調。
その事例として、不動産ポータルで当たり前にみる「 地図から探す機能」はネクスト社が最初に提供したものと紹介した。

多田隈氏はデータフィード活用のきっかけについて「テクノロジーに貪欲にチャレンジしてきた流れでアドテクも積極的に採用した。データフィードとHOME’Sとの関係がここで始まった。以前は社内でデータフィードを開発していたこともあるが、データフィードの進化が激しく、自社では変化の波に適応できないことの対策として、一元管理できるデータフィードサービスの活用を開始した。」と述べた。

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多田隈氏はデータフィードを活用した、賃貸物件と新築分譲マンションの広告施策の実例を交えながら、「データフィード活用において、広告の見せ方によってデータフィードの設計が変わってくるため、忘れがちではあるが“誰に・何を・どう見せるか”という基本的な意識が常に非常に重要である。」ことを強調した。

毎日膨大な業務をこなし、データ実績をどう次の施策に反映し効果を上げていくかで頭を悩ませているデジタルマーケティング現場のリーダーにとっては、かなり現実的なセッションであったのではないだろうか。

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ABOUT 野下 智之

野下 智之

ExchangeWire Japan 編集長

外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。 国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。 2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。