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「LINE・Yahoo! JAPAN・PayPay マイレージ」来春始動!店舗・EC横断の販促プラットフォームで販促領域年間売上1000億円を目指す

圧倒的なユーザー基盤を生かした新サービスで ZHD全体の経済圏を拡大

Zホールディングス(以下ZHD)のグループ企業であるLINE、Yahoo! JAPAN、PayPayの3社は、それぞれの強みを最大限に生かしLTV(顧客生涯価値)を最大化するため、オフラインとオンラインを横断したマイレージ型の販促プラットフォーム「LINE・Yahoo! JAPAN・PayPay マイレージ」を2023年3月より開始すると発表した。

会見の冒頭、LINE代表取締役社長、ZHD 代表取締役Co-CEO Marketing & Sales CPO出澤剛氏は、今回のサービスについて「昨年3月にLINEとZHDが経営統合したことにより単独ではできなかった新しい価値の創出・新しい事業を切り開いていこうとしている」「今回はPayPayも一緒になり、販促においてもZHDが総力をあげて販促のDXを推進していこうという取り組み」と述べた。

 

新プラットフォームの概要

LINE、Yahoo! JAPAN、PayPayは様々な施策が乱立するアナログ中心の販促領域において、メーカー・ユーザー・小売の課題解決にむけ、ZHDグループが総力を挙げて「販促のDX」を推進する。

ユーザーは店舗(オフライン)・EC(オンライン)での購入金額(商品単位)に応じてPayPayポイントが獲得でき、LINEなどからお得なお知らせが届くというサービスで、メーカーや小売店などの様々な企業が参加可能で、購買データを活用した継続的かつ効果的な販促を実現できる。

購入特典を決められる「お得内容の自由設計」や「新商品のサンプリング」これまで実現できなかった「購入実績に応じての価格変動(ダイナミックプライシング)」などお得の拡充も図られているのもポイントだ。

ヤフー代表取締役社長 社長執行役員 CEO小澤 隆生氏は今回の取り組みを「エアラインなどがやっているマイレージが日常に入ってくるというようなサービス」と表現。「(圧倒的なユーザー基盤を持つ)3社だからこそできる内容になっている」と自信をのぞかせた。

また、これまでZHDが「オフライン側でのデータをしっかりと把握」するためにPayPayへの投資を行い、その結果現在のユーザー数に成長したからこそ「LINE・Yahoo! JAPAN・PayPay マイレージ」が実現できる段階になったとした。

なお、時期は未定だが、「LINE・Yahoo! JAPAN・PayPay マイレージ」は各参加企業のLINE公式アカウントと連携する予定とのことだ。企業によるユーザーへの直接的な販促を可能にすることが目的だ。ユーザーはLINE公式アカウントから届く購買履歴に基づいた情報からよりお得で便利な買い物体験ができるようになる。

 

-メーカー向け機能を拡充、「PayPayクーポン」の新機能

PayPay代表取締役 社長執行役員CEO中山一郎氏からは、PayPayがこれまで加盟店向けに提供してきた販促サービスである「PayPayクーポン」の新機能として、メーカー向け販促サービス「商品クーポン(仮)」を 2023 年 5 月以降に提供を開始することが発表された。

現在提供している小売など加盟店ごとのクーポンをメーカーに向けて開放したもので、商品ごとのクーポンを発行でき、注力して販売したい特定の商品をユーザーに訴求することができ、効果的な販促が可能となる。

 

LINE・Yahoo! JAPAN・PayPay 販促コンソーシアム

また、前出の中山氏よりLINE、Yahoo! JAPAN、PayPayの3社はメーカーや小売などの企業が参画する「LINE・Yahoo! JAPAN・PayPay 販促コンソーシアム」を設立し、メーカーや小売などの販促に貢献するとともに、ユーザーにとってより便利でお得な買い物体験の創出を目指すことが発表された。

 

メーカー企業とユーザーを繋ぐ CRMプラットフォームを高度化するためにリアルタイムPOS連携などを模索するもので、「LINE・Yahoo! JAPAN・PayPay マイレージ」開始時の2023年3月にはアサヒ飲料・KIRIN・サントリーなどのメーカー、ウエルシア・サンドラッグ・スギ薬局・マツモトキヨシといったドラッグストア、スーパーマーケットのOK、ホームセンターコーナンなどの小売店を含む10社以上が参画予定とのこと。

中山氏は今回の記者会見をきっかけに「取り組みに参画する企業をさらに募りたい」とし「サービス開始までの3か月間を有効に活用し、メーカーと小売店の更なる参画の表明を期待している」と結んだ。

ABOUT 加納 奈穂

加納 奈穂

ExchangeWireJAPAN 編集担当 武蔵野美術大学卒業後、出版社に入社。WEBサイトや広告の運営に従事。その後コスメ情報サイトのコンテンツマネージャーを経て出版社での通販事業において販売促進業務を担当する。通販会社にてSNS運用に携わったのち、2022年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。現職に至る。