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Apple Search Adsを活用したアプリの成長とは。Luna Marketing Forumで語られた広告の最新動向 [ニュース]

Luna from Unityは3月28日(火)の夕刻、Apple Search AdsとASO(アプリストア最適化)をテーマとしたセミナーを、AppsFlyer Japan社、Sensor Tower社、グリーアドバタイジング社とともに開催した。

(Sponsored by Luna from Unity)


開催の場となったLIFORK HARAJUKUのパーティー会場には、アプリ広告主や広告会社などの関係者約50名が集まり、会は穏やかな雰囲気のなかで幕を開けた。

 

冒頭、主催者のLuna from Unity事業責任者 シニアマネージャー 廣瀬 亨氏が挨拶し、今回の会の趣旨を述べたのち、広告運用における効率化を目指し、頑張りすぎないというメッセージと、同社のサービス名とをひっかけて、「(Lunaを使って、)ガンバ」と述べた後、会場の来場者に「ルナ(Luna)!」という合いの手の合唱を促し、アイスブレークを行った。

 

講演のトップバッターは、AppsFlyer Japanパートナーディベロップメント ディレクター渡辺エリナ氏による「iOSにおけるデータプライバシーと計測の課題」について。

渡辺氏はアプリマーケティングに関わる様々なキーワードを挙げ、「アプリマーケティング業界におけるプライバシーの規制は2018年頃より加速しており、法律レベルから、OSレベル、そして広告プラットフォームなどの媒体レベルでもデータ規制が進んでいる」と現状について解説した。

 

そして、AppsFlyerによると今、iOSにおける全アプリインストールのうちの65%が、ストアからの直接インストールであることに触れ、アプリマーケティングにおけるApple Search Adsの重要性について強調したうえで、現在アプリ広告の計測については、Appleが提供しているSKAdNetwork、そしてこれとは別の環境であるApple Search Ads、そしてMMPという三つの環境があり、SKAdNetworkとMMPとがそれぞれが異なるロジックで異なる成果計測値を推計している状態になっていることを、アプリの成果計測における課題として挙げた。

 

そしてAppsFlyerでは、複数のソースを一つの管理画面で見ることが出来る、SSOT(Single Source of Truth)というソリューションで顧客をサポートしている。AppsFlyer SSOTでは同じユーザーを1カウントとして成果計測を行うことができ、こうした計測重複の課題を解決することが出来ることを紹介した。

 


続いて、グローバルでモバイルアプリのインテリジェンスツールを提供する、Sensor Towerの能勢氏が登壇し、ASOについての解説をおこなった。

ASOとは、「キーワードの最適化」、「クリエイティブの最適化」、「ローカライゼーション」、「レーティングやレビュー」、「エンゲージメント」などを包括的に改善していくことであると述べた。


そして、iOSとAndroidそれぞれのストアページの中にあるメタデータについて紹介したうえで、それぞれの要素がどこにどのように効くのか、ということを意識しながら、改善をしていくことが重要であることを強調した。

 


また、能勢氏は同社が支援したスポーツブランドが、イベントに合わせてアプリアイコンを変えたことによる成功事例を紹介。アプリアイコンを変えることで、ストアの中での視認性が高まることはもちろんのこと、注目アプリとして、アプリストアからのフィーチャーを受ける可能性が高まることなどにより、ダウンロード数の増加につながることを述べた。

 

続いてゲストスピーカーとして、グリーアドバタイジング マーケティング部メディアマネジメントグループ アソシエイトマネージャー 金山 浩之氏が登壇。


グリーアドバタイジングは、グリーの子会社Glossomの広告事業本部としての機能を持ち、グリーグループ全体のエンタメ領域におけるデジタル広告の出稿を担当。そして、グリーグループが提供する数々のゲームアプリのビッグタイトルをはじめ、ゲーム各社の様々なタイトルを運用する同社は、ゲーム領域を得意とする広告代理店として事業を展開している。

 

Apple Search Adsをはじめ、各種広告プラットフォームの運用を担当する金山氏は、Apple Search AdsのTodayタブ広告の概要と特徴について解説。

そして、あるRPGゲームアプリでの配信実績を紹介した上で、「全体で数千万円規模の広告配信を実施した結果、Apple Search AdsのTodayタブ広告は他の大手広告媒体と比べてCPIは6割程度、ROASについても他の媒体よりも良い結果となった。」と、そのコストパフォーマンスを高く評価した。また、Todayタブ広告は、いわゆるコンバージョン獲得のみならず、App Storeにアプリを探しに来ているユーザーの認知獲得効果にも期待を寄せていることについても言及した。

 

続いてApp Storeのカスタムプロダクトページにおけるクリエイティブ運用の事例を紹介。アプリのローンチ時やイベント時に合わせたクリエイティブ訴求をすることで高いタップ率やコンバージョン率を達成することが出来る可能性について紹介した。

 

最後に登壇した、Luna from Unity シニアマネージャー 廣瀬 亨氏からは、Apple Search Adsの効果を最大化するための方法についての講演。Lunaは、ユーザー獲得マーケティングを効率化していくことをミッションとしており、そのためのオールインワン・プラットフォームを提供している。現在35の媒体社と接続しており、これらのチャネルごとの運用状況を一つのダッシュボードで管理することが出来る。


廣瀬氏は、「その中でも特に重要性が高まっているチャネルがApple Search Adsである」と述べ、同社におけるApple Search Adsの広告費用シェアが拡大していることを裏付けるデータを示し、これを裏付けたうえで、「Apple Search Adsは広告主にとって大きなチャンスである。」とした。


その後、Apple Search Adsのキャンペーン運用において見逃しがちな、以下の5つのポイントを紹介。これらの課題を解消したうえで、他のプレースメントも活用した、マルチプレースメント戦略でApp Storeでのリーチを拡大することが重要であることを強調した。

・検索結果広告しか使っていない

・キャンペーンデータが不完全

・間違ったキーワードに入札している

・入札単価が最適化されていない

・ユーザージャーニーを意識していない

 

およそ1時間半に及ぶセッションの終了後の懇親会では、和気藹藹とした空気のなか、Apple Search Adsを取り巻くエコシステムにかかわる人々による、古くからの顔なじみ同志の輪、あるいは新たな出会いの輪など、様々なネットワーキングの輪が会場に広がった。

ABOUT 加納 奈穂

加納 奈穂

ExchangeWireJAPAN 編集担当 武蔵野美術大学卒業後、出版社に入社。WEBサイトや広告の運営に従事。その後コスメ情報サイトのコンテンツマネージャーを経て出版社での通販事業において販売促進業務を担当する。通販会社にてSNS運用に携わったのち、2022年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。現職に至る。