×

[Global動向]IAB Europe、新たなリテールメディア基準に関する意見公募を開始ほか

IAB Europe、新たなリテールメディア基準に関する意見公募を開始

 

デジタル広告団体 IAB Europe は、変化の激しいコマースおよびリテールメディア領域における標準化と効率性向上を目的とした二つの文書について、意見公募(パブリックコメント)を開始した。2025年10月9日に発表された本公募は、ブリュッセルを拠点とする IAB Europe が主導し、以下が意見公募の対象となる。
- Commerce Media Measurement Standards V2
- Flexible Ad Size Guidelines for Retail Media Networks (RMNs)
 

これらの草案は、IAB EuropeのRetail & Commerce Media Committeeが同社Retailer Councilと共同で作成しており、業界全体の透明性と相互運用性を向上させるための取り組みの一環である。
2025年9月に改訂された「Commerce Media Measurement Standards V2」では、従来のリテールメディアに加えクイックコマース (即時配送型サービス) も対象に含まれており、将来的にはトラベルと金融も対象となる予定である。
主な改訂点は、ファネル分析の改良、総売上と純売上の明確な定義、そしてクイックコマース領域に対応する新たな指標となる。オンサイト・オフサイト両方のメディアに焦点を当てつつ、オムニチャネルキャンペーンの重要性が高まっていることを受け、店舗内リテールメディアの個別ガイダンスを補完している形となる。

 

Ooh Media、Metro Tunnel駅構内で広告ネットワークの展開を発表

 

オーストラリアの屋外広告企業Ooh Media は、メルボルンに間もなくオープンするMetro Tunnel  5駅(Arden、Parkville、State Library、Town Hall、Anzac)に、約200台の広告媒体を新しく設置することを発表した。これにより同社の国内展開が大きく広がる。
State Library 駅に配置される3画面ラップアラウンド型広告や、 3D の歪像ディスプレイなどは注目の媒体となる。
 

Ooh Media 営業最高責任者(CRO) Mark Fairhurst 氏は、このMetro Tunnel空間について「広告主にとっては高い通行量があるプレミアムな環境で視聴者とつながることができる極めて貴重な機会である」と述べ、さらに「我々はメディア・ファーストの機会を提供し、広告主はオーストラリア最大の2都市で同時に広告展開ができるようになる」と加えた。

 

カリフォルニア州、ストリーミング広告の音量規制法を可決

 

アメリカ・カリフォルニア州は、Netflix、Hulu、Prime Video といったストリーミングプラットフォーム上の広告音量を規制する新法を制定した。カリフォルニア州のGavin Newsom州知事 によって署名された上院法案 SB 576 では、2026年7月1日から広告音声は番組本編の音量を超えてはならないと定められる。この措置は、ストリーミング視聴中に広告音量が突然大きくなることが不快だと感じる視聴者の懸念の高まりを受けたものである。
法案の起草者であるTom Umberg 上院議員は、議会立法役員の子どもが新生児だったときにストリーミング広告の大きな音で何度も目を覚ましたという体験談を引用し、多くの親たちの共感を集め、本法案への支持を強化した。
 

Newsom 州知事は、「SB 576 に署名することで、カリフォルニア州は、2010年に議会可決された商業音量規制の対象とならなかったストリーミングプラットフォーム全体での、不快さを軽減することができる」とコメントしている。

 

原典:ExchangeWire.com

ABOUT 角田 知香

角田 知香

ExchangeWireJAPAN 編集担当。イギリス・キングストン大学院にて音楽学の分野で修士号を取得。学校・自治体文化講座等にてアート講座講師として活動後、2024年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。