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リテールメディアと広告チャネルの統合―“Ignite”を活用したセプテーニのハイレベルなeコマースマーケティング支援[インタビュー]

(左から、柏舘氏・櫻井氏・玉石氏・ドゥイン氏・カバイル氏)

 

各種ECプラットフォーム上での販促にまつわるデータ利活用は、オンラインチャネルビジネスの効率的な拡大を図る上で、メーカー企業の悩みの種となっている。この長年の悩みを解決するうえで大きな力となるのが、オムニチャネルeCommerceダッシュボード     ”Ignite(イグナイト)”である。Igniteは複数ECプラットフォームの製品販売データと広告データを統合・一覧表示することで、eCommerce領域の効率化と戦略立案を手助けしている。

 

Igniteの特徴や活用イメージについて、Igniteの開発元Acorn Intelligence(以下、Acorn-i)、そのAcorn-iを買収したThe Brandtech Group、そして国内でいち早くIgniteを活用した取り組みを推進し、広告主を支援するSepteni Japan株式会社の各関係者に話を伺った。

(聞き手:ExchangeWireJAPAN 野下 智之)

(ライター:同 渡辺龍)

(Sponsored by Septeni Japan)

 

 

eコマースは成熟期に入り、新たなチャレンジが求められる局面へ

―自己紹介をお願いします

カバイル氏:Acorn-iの共同経営者のロス・カバイルです。当社は4年前に設立された会社で、Igniteの開発、提供を手掛けています。私は設立前はAmazonで働いており、そこでアドテク技術を取り扱ってきました。

 

ドゥイン氏:マーケティングテクノロジーカンパニーであるThe Brandtech Groupの共同経営者で、eコマース部門をリードしているヴァージニ・ドゥインです。私もAmazonで7年間務めており、その後The Brandtech Groupに参画しました。eコマースのブランドにフィットしそうなテクノロジーを投資対象としており、そこで縁あって当社は2022年の5月にAcorn-iを買収しました。

 

玉石氏:Septeni Japan株式会社の玉石和正と申します。私はEコマース/リテールメディア部にて、プロダクトベンダー様やプラットフォーマー様との協業を通じ、新機能開発などのサービス価値向上に取り組んでいます。

 

櫻井氏:同じくEコマース/リテールメディア部の櫻井さやかと申します。主にメディア様やベンダー様向き合いに携わっています。

 

柏舘氏:柏舘悠平と申します。私も同じ部署で、Eコマース領域のプランニング支援をメインで担当しております。当社の営業担当者に対し、お客様の売上改善に繋がるプランづくりや施策立案のサポートを行なったり、また今回のIgniteのような新たな取り組みを進める中で得られた示唆をプランニングに活かすといったことがミッションになっています。

 

―eコマースやリテールメディアの現状をどのように捉えていますか

玉石氏:数年前と比較すると成熟してきており、「広告出稿をしたことがない」という大手メーカー様は非常に少なくなってきた印象です。ある程度必須となる施策に関しては一周してしまっているものの、Eコマースへの期待値や直接的な販売目標が高まり続けていくことに頭を悩ませているメーカーご担当者様も多いように思います。今後は他社と異なる施策にいかにチャレンジできたかどうかがパフォーマンスやセールスに影響を及ぼすのではないかと見ています。

 

 

Igniteでリテールメディアと広告チャネルを統合し、一元管理が可能

―Igniteはどのようなプロダクトなのでしょうか

カバイル氏:Igniteは小売データと広告データを合わせて1つのプラットフォームで可視化できるものになっています。AmazonをはじめとするECプラットフォームには膨大な顧客データが揃っています。Amazonに限らずShopifyや楽天など、各種の分断されているリッチなデータを一元管理することで、より細かい分析が可能です。他のツールと異なる部分としては、全てがAPI接続されているのでリアルタイムでデータが見られるようになっています。データの更新頻度も1時間ごとなので、常に最新のデータに触れられる点も強みの1つです。

 

―データ管理だけでなく広告配信に関しても利用可能なのでしょうか

カバイル氏:もちろん広告配信にも活用いただけます。Ads APIでデータを取得し、それを機械学習させていくというキャンペーンマネジメントの機能も持っており、Amazonスポンサープロダクト広告、スポンサーブランド広告において、自動最適化がかけられるようになっています。KPIに合わせた効果改善から、キーワード最適化、オートマチックキャンペーンクリエーションまで網羅しており、代理店からするとキャンペーンをより早く作成でき、業務のオートメーション化・効率化にも繋がっています。日本でもすでにβ版として提供しており、今後本格的にサービス展開していく予定です。

 

―The Brandtech GroupはなぜAcorn-iへの投資をしたのでしょうか

ドゥイン氏:1年半前にグループに参画してから、eコマースのビジネスを促進するため様々な企業を見てきたのですが、Igniteのテクノロジーが圧倒的に進んでいたことが決め手となりました。従来別々のものであったeコマースのデータとキャンペーンマネジメントのどちらもIgniteで可視化できる点や、オムニチャネルで様々なマーケットプレイスを接続できる点はカバイルさんがお伝えした通りで、私たちが関わっているブランドからもポジティブなフィードバックを貰っています。さらに、広告データに関しては、AmazonAdsをはじめとして、Google、Meta(Facebook、Instagram)、直近ではTikTokとの接続を予定しており、マーケットプレイスのデータと自社のD2Cのデータも1つのプラットフォームで見られるところがポイントになります。

 

―Igniteのグローバルにおける導入状況をお聞かせください

カバイル氏:現状はアメリカ、EU、日本を始めとした世界100カ国以上でサービスを展開しています。グローバルユースケースの一例として、最大手飲料メーカーに活用いただいています。1つのUIに各国のデータが統合されているので、グローバル本社では全てのマーケットデータをリアルタイムで管理することができます。また、Amazon広告に出稿した金額に対して、オーガニックの売り上げがどの程度伸びるかのテストも検証しています。最終的に、Amazonへの投資額に比例してオーガニックの売り上げも伸びていくという結果が出たので、これからもIgniteを活用しつつAmazonに投資をし続けるという結論になったようです。また、Amazon以外の売り上げに相関性があるのかについても、全てIgniteのプラットフォーム上で見られる点も好評いただいています。

 

―セプテーニがIgniteを導入しようと思った背景や期待していることについてお聞かせください

柏舘氏:様々なECプラットフォームのデータを一元管理できる点はもちろん、Amazonなどの管理画面上では見られないデータがIgniteを通すと見られるようになるという、データセットの豊富さにも魅力を感じています。例えば特定の商品の購入者セグメントの細分化や顧客LTVなど、従来見えなかったものが見られることは、非常に重要で有意義だと捉えています。

 

 

広告配信データ、売り場データの両輪でメーカーをサポート

―セプテーニとしてのIgniteの活用イメージを教えてください

柏舘氏:Igniteで確認できるデータをただメーカー様に展開するのではなく、広告データと掛け合わせた、シンプルな示唆を我々からメーカー様にお届けするというのが正しい活用方法なのではないかと思っています。既にテスト的な取り組みに着手しておりますが、メーカー様目線と代理店目線でどういった指標があると効果的かといったことを議論しながら、戦術やKPIの設定に活かせるように紐付けを行っている最中です。

 

櫻井氏:プランニングやKPIに対してのクオリティ担保だけでなく、工数の削減やPDCAサイクルのスピード化にも有効なのではないかと感じています。今は管理画面から落としたデータはエクセルでの再集計が必要になることも多々ありますが、Igniteを使うとローデータを落としてすぐに可視化されます。Igniteの管理画面上で確認できる指標も多くあるので、スピード化の部分でも役に立つツールだと感じています。また、UIも優れており視覚的に見やすいという点も強みです。他のツールを触る機会もあるのですが、個人的にはIgniteの操作性は抜群です。

 

―どのような広告主に活用をおすすめしていますか

玉石氏:まずは、過去の取り組みにより、広告運用単体としての最適化が見えづらくなってきたメーカー様。それから、広告運用とは別の目線で、売り場データをもっと有意義に活用してみたいと思われているメーカー様にぜひご活用をいただきたいです。また、プラットフォーマーが提供している管理画面は変更が発生することも多々あり、業務フローをその都度変えなくてはならないという話もメーカー様から聞いています。Igniteを活用することで、ECプラットフォームの仕様変更に左右されずデータマネジメントを継続できるということに大きな価値を感じていただければと思います。

 

―Igniteを活用したサービス展開における今後の展望について、お聞かせください

柏舘氏:メーカー様の目線に立つと、これからは他社が取り組んでいない施策やデータ分析にいかに早くタッチできたかどうかで、プロモーションの成否が変わってくるのではないかと思っています。今回Igniteを導入したことで当社でもECプラットフォーム上でのプロモーションにおける新しい世界が見えてきています。これからはメーカー様に対してセプテーニ独自の価値を提供しつつ、日本国内における新たなECプラットフォームマーケティングのスタンダードを作っていくことが当面の目標です。

 

・Ignite参照ページ

https://dmt-global.com/ignite/

 

・セプテーニへのお問い合わせはこちら

https://ln.septeni.jp/XenG7B5

 

・セプテーニメルマガ登録フォーム

https://bit.ly/3JC32I0

ABOUT 渡辺 龍

渡辺 龍

ExchangeWireJAPAN 編集担当 立教大学社会学部現代文化学科卒業。大学卒業後は物流企業にて海外拠点と連携し、顧客の輸出入サポート業務全般に従事。 その後、2021年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。デジタル広告市場調査などを担当している。