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[Global動向]Google、独占禁止法違反でEUから5,000億円超の制裁金支払い命令ほか

Google、独占禁止法違反でEUから5,000億円超の制裁金支払い命令

 

欧州委員会は、GoogleがEU独占禁止法に違反したとして、29億5000万ユーロ(約5,074億円)※の制裁金を科した。規制当局によると、Googleは自社の広告交換プラットフォーム「Ad Exchange(AdX)」を、自社パブリッシャー向け広告サーバーおよび広告枠の買い付けツール内で優遇し、AdXが市場競争で優位になるよう操作したとのことである。

Googleは60日以内の対応を求められており、アドテクサプライチェーンにおける利益相反を是正するよう命じられている。もし利益相反が解消されない場合、欧州委員会はさらに厳しい措置を課す可能性があると警告した。

欧州委員会上級副委員長のTeresa Ribera氏は、「デジタル市場は人々のために存在し信頼と公正に基づくものでなければならない。市場が機能不全に陥った場合、公的機関が支配的なプレイヤーの権力乱用を防ぐために行動すべきだ」と述べた。
Googleは本決定に対し控訴する意向を示している。同社は、自社サービスに反競争的な要素はなく、広告主はこれまで以上にGoogleのサービス代替手段があると主張している。
※1ユーロ(EUR)=172円(JPY)での換算

Anthropicが15億ドルの和解金支払い、AI画像生成スタートアップMidjourney訴訟

 

AI企業Anthropicは、AIシステムの学習に海賊版の書籍を利用したとして、書籍著者らから著作権侵害で訴えられていたが、15億ドル(約2,205億円)の和解金を支払うとのことである。本和解案は12月の裁判に先立ち、サンフランシスコ連邦裁判所に仮承認を求めて提出された。
Anthropicは裁判所への提出書類の中で、和解に対して「過度の圧力」を感じており、裁判で敗訴した場合、最大1兆ドル(約1,47兆円)の損失となる可能性があるとしていた。著作権を巡る問題に対し、弁護士のJustin Nelson氏は「海賊版サイトから著作物を取得することは間違いであり、本和解はAI企業やクリエイターに対しての大きなメッセージとなる」と述べている。
※1ドル(USD)=147円(JPY)での換算
 

アメリカの映画・メディア制作会社ワーナーブラザーズも、AI画像生成スタートアップ企業Midjourneyに対して著作権侵害の訴訟を起こしている。訴状によると、Midjourneyはユーザーがスーパーマン、バットマン、バッグス・バニ―などの著作権のあるキャラクターを無許可で画像・動画生成に使わせているとして非難されている。ロイター通信によると、ワーナーブラザーズはMidjourneyが著作権コンテンツの制作に関して従来の制限を破り、故意に著作権侵害を行ったと主張している。訴状では「Midjourneyは自社が犯している著作権侵害の規模の大きさを認識しているにも関わらず、意図的に利益重視の決定をし、著作権者を一切保護していない」と主張している。

 

Robloxが新たな動画機能を発表ほか

 

オンラインゲーム・クリエイティブプラットフォームのRobloxは、ユーザーが30秒のゲームプレイクリップを撮影・編集・共有できる短尺動画機能「Roblox Moments」を導入すると発表した。13歳以上のユーザーを対象としたベータ版としてリリースされる本機能は、音楽、説明文、リアクション、ゲーム内からのリンク先遷移などが含まれる。

また、Robloxは新たなAI搭載クリエーションツールも明らかにした。クリエイターはより自由でアーティスティックなゲーム制作が可能となる。このアップデートにより、静的な3Dモデルを超えた生成機能が導入され、ユーザーは対話可能なオブジェクトを作成できるようになる。
さらに悪質なユーザーへの対策として、Robloxは2025年末までに、プラットフォーム上で成人が子どもとチャットすることを制限する措置を取る予定である。メッセージまたはチャット機能を使用するすべてのユーザーに年齢確認を実施し、18歳以上であることを証明できないユーザーは、メッセージ相手との既存の関係を証明することが求められる。

 

原典:ExchangeWire.com

ABOUT 角田 知香

角田 知香

ExchangeWireJAPAN 編集担当。イギリス・キングストン大学院にて音楽学の分野で修士号を取得。学校・自治体文化講座等にてアート講座講師として活動後、2024年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。