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2014年IPOのアドテク企業FreakOutとVOYAGE GROUPが過去最高四半期売上を更新

ipo

昨年上場したアドテク企業大手のFreakOutは 1月26日にまたVOYAGE GROUPも同月28日に四半期決算発表をした。

両社とも決算期は9月。今回の10-12月期決算発表が第一四半期にあたる。両社とも、上場企業として迎える初の通期に向けた最初の四半期となるが、揃って四半期ベースで過去最高売上を更新し、好調な滑り出しを見せた。

 

 

FreakOutは、PC広告の売上が対前年同期比で42%増

 

FreakOut_logoDSP大手のFreakOutは、連結売上10億700万円、対前年同期比で+33.1%と順調に成長した。直近の市場成長に鈍化が見られるPC広告の売上が、対前年同期比で+42.0%と高成長を見せていることは注目に値する。一方のスマートフォン広告の売上成長は、昨年から提供を開始しているネイティブ広告がけん引しているとのことだ。

 

同社の2015年9月期の売上目標は40億円。今後の業績が1-3月期以降の市場全体のシーズナリティから大きく外れることがなく推移すれば、目標達成の確実性は高いだろう。また、2017年9月期の目標連結売上は100億円に設定。決算関連資料を見ると、このうちの一部は新規事業を想定しているようである。昨年10月にイベントレジスト社に出資するなどユニークな動きを見せる同社が、今後、どんな戦略で新規事業を展開してくるかは興味深い。

 

 

グループ子会社運営のSSP Fluctが想像以上に順調

 

Voyage GROUP-logo

一方のVOYAGE GROUPは、連結売上42億7400万円、対前年比で23.9%とこちらも順調に成長した。同社の事業ドメインは、アドテクノロジー事業、メディア事業、その他インターネット事業の三つのカテゴリに分かれているが、このうち全体売上(10-12月期時点)の過半数を超える売上のアドテクノロジー事業の売上が、対前年同期比で+46.7%となり、全体の売上成長をけん引した。

アドテクノロジー事業の中でも、特にグループ子会社のAdingoが運営するSSP Fluct のスマートフォン広告売上が「想像以上に順調」に推移しているとのこと。同社が公表しているSSP Fluctの四半期別売上を、2014円1-12月のCalendar Yearで集計すると、55億5600万円、2013年同期比で+91.3%と高い成長を遂げている。また先ほどの2014年1-12月売上のうち、スマートフォン広告売上は34億5800万円で対前年比+132.4%と、前年水準の2倍を大きく上回り、全体売上の6割以上に達している。

 

VOYAGE GROUPの売上トレンドは、「アドテクノロジー」と「スマートフォン広告市場」という二つのキーワードが、インターネット広告市場の成長ドライブであることを数字で改めて認識させてくれた一例ともいえよう。

 

※注:記事中に示している数値は、各社決算説明会資料を基にしています。決算説明会資料では、売上の数値については百万円単位で表示されています。これらの数値を基に、成長率や売上構成比などをExchangeWireが独自に計算して記載しているものがあります。したがって、一部成長率等数値と、各社の正式公表の数値とに多少の誤差がある場合があります。
(編集:三橋 ゆか里)

 

 

ABOUT 野下 智之

野下 智之

ExchangeWire Japan 編集長   慶応義塾大学経済学部卒。 外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。 国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。 2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。 2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。