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NEWS: サイバーウィングとOpenX、日本で初のモバイルアドエクスチェンジを開始

㈱サイバーウィングと米OpenX Technologies, Inc.は8月27日、日本で初のモバイル向けアドエクスチェンジサービスの開始を発表した。2社のパートナーシップは2012年の後半に開始予定。

 

この新しいエクスチェンジでは、承認された広告主が特定したマーケットプレース環境内で世界のどこからでもモバイル広告枠を、モバイル開発者側から購入することができる。プレミアム広告枠としては、ビッグローブやニフティが運営するアプリケーションや、日本の代表的モバイルツイッター専用アプリ「ついっぷる」が含まれる他、サイバーウィングが契約している代表的な10あまりの広告ネットワークが含まれる。ローンチ時には数億ものインプレッションが期待される。

この新しいサイバーウィングのプライベートエクスチェンジはRTB(リアルタイムビッディング)に対応しており、アプリ開発者は広告在庫に対する収益を最大化することが可能となる。また広告品質を保つために、要求元に対し承認権限を設けるなどのコントロールレベルの設定が可能だ。サイバーウィングは、DSPからのリクエストをエクスチェンジに販売するか、OpenX Market Japanや他のマーケットプレイスへオープンにするかを選択することができる。ピーク時には100万を超えるビッドに対応可能なOpen Xの先進的なマーケットプレイス技術のプラットフォームが、このあたらしいいエクスチェンジを可能にしている。

 

サイバーウィング、事業部長の灘信儀氏は次のようにコメントしている。『サイバーウィングは急成長しています。新しいエクスチェンジはさらに我々の加速度的な成長を可能とすることでしょう。今回のOpenXとの提携をとてもうれしく思うと同時に、すばらしい技術力と、RTBの専門知識、そしてビルドインされているデマンドリソースを生かした相乗効果に高い期待を持っています。サイバーウィングは、媒体社が求めている品質管理とクリエイティブのチェックツールを備えながらも、オープンで柔軟性あるエクスチェンジを運営できることを楽しみにしています。』

 

今回の提携は、OpenXの日本市場におけるビジネスのさらなる拡張と、モバイル分野への迅速な対応を示唆している。OpenXは最新のMRAID(Mobile Rich Media Ad Interface Definitions)のリッチメディア規格をサポートするSDK(ソフトウエア開発キット)を含む、革新的なモバイル広告配信プラットフォームを提供している。その革新的なオープンAPIの仕組みにより、OpenXはサイバーウィングのような大規模なオペレーションを必要とする企業のデジタル広告のニーズを満たす、柔軟なモバイル広告プラットフォームの提供を可能としている。昨年の四半期ごろより、モバイル在庫管理に対するニーズが、既存のDSPとOpenX Marketにインテグレーションされているモバイル専門のDSPの両者から急速に高まりをみせていた。

 

OpenXのチーフレベニューオフィサー、ジェイソン・フェアチャイルド氏は次のようにコメントしている。『オンライン広告の世界は明らかにRTBに移行しつつあります。私達はサイバーウィングに彼ら専用のモバイル版RTBエクスチェンジを提供する事ができ、とても嬉しく思います。特にサイバーウィング/ビッグローブの抱えるプレミアム広告在庫の販売チャネルとして、収益向上を可能とするプラットフォームの提供開始を楽しみにしています。』

 

世界のモバイル広告費の売上げは2011年に53億ドルに達し1、2015年までの5年間に520%の成長率で206億ドルまで上昇すると見込まれている2。今後北米および西ヨーロッパのモバイル広告予算は飛躍的な伸びが期待されているが(2015年までに各28%と25%)、それでもなお、アジア太平洋地区および日本の世界のマーケットシェアは、2015年には世界の33.6%と優勢を見せている3

 

1. IAB and IHS Screen Digest, Global Mobile Advertising Market Valued at $5.3 Billion (€3.8 Billion) in 2011, June 18, 2012. http://www.iab.net/about_the_iab/recent_press_releases/press_release_archive/press_release/pr-060612_global

2. Gartner, Inc., Forecast: Mobile Advertising, Worldwide, 2008-2015, June 26, 2011.

http://www.gartner.com/resId=1598915

 

3. Ibid.

 

ABOUT 大山 忍

大山 忍

ExchangeWire Japan 編集長 米国大学卒業。外資系企業を経て2000年にネット広告効果測定ツールを提供するベンチャーに創業メンバーとして参画。その後、バリューコマース株式会社と合併。 2007年1月にオムニチュア株式会社(現Adobe)に参加、コンサルティングサービスを立ち上げる。ビジネスコンサルタントとして米国のベスト プラクティスを日本の課題やニーズに合わせて提供、ウェブ解析やガバナンス(データ主導の組織・仕組化)に関する執筆・講演を行う。