Alibabaが中国最大級の広告プラットフォームAdChinaを買収し、広告ビジネスを拡大
中国のEコマース最大手Alibabaが、中国最大手のインターネット広告プラットフォームAdChinaの経営権を持つ株主となったことを、1月14日に明らかにした。
AdChinaは、2007年4月に米国シリコンバレーで設立。現在は上海を拠点とし、DSPやSSP、DMPを展開しており、独立系のアドテクノロジー企業としては最大級といわれている。モバイル領域でもDSP、SSP、DMPなどを展開しており、いずれも中国国内では最大級として位置づけられる。
Alibabaは、広告事業部門のグループ会社Alimamaを通して、同社が運営する淘宝(タオバオ)やTmall内で出店者や外部の広告主向けにディスプレイ広告や、検索連動型広告を提供している。また、モバイルアドネットワークや、アドエクスチェンジ事業、アフィリエイト事業なども展開している。AdChinaは今後、Alimamaやクラウドコンピューティング事業部門のAlyunと連携して事業展開を図っていくことになるという。
中国最大のEコマース事業者として知られているAlibabaであるが、Amazonや楽天などとは異なり、全売上の半分以上が広告収入だといわれている。eMarketerが昨年12月に公表したデータによると、2014年の全世界のデジタル広告市場におけるAlibabaのシェアは4.66%に上り、AmazonはもとよりMicrosoftやYahoo、Twitterなどの米国大手企業を上回って第4位。中国企業としては、Baiduに僅差で続いて第2位につけている。
Alibabaは、独立系として中国最大級のアドテクノロジー企業であるAdChinaを傘下に収めたことで、Alibabaが持つ膨大な購買データと、淘宝(タオバオ)やTmallなどの配信面の強力なマネタイズエンジンを手に入れた。
同社は、昨年4月に中国最大の動画サイトYouku Tudouにも出資し、事業提携を進めている。
(編集:三橋 ゆか里)
ABOUT 野下 智之
ExchangeWire Japan 編集長 慶応義塾大学経済学部卒。 外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。 国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。 2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。 2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。