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先週のアドテクシーン: Yahoo! JAPANがスマホ版「Yahoo!ニュース」で新リッチ広告フォーマットを提供開始、「ScaleOutDSP」がスマホSSP「アドフリくん」と接続しアプリプロモーション向け機能を拡充

日本国内、アドテクシーン画像

(ライター:岡 徳之

広告テクノロジー業界を定点観測するExchangeWire編集部が、過去一週間に起きたトピックの中から特に注目すべきものをピックアップしてお届けする。


 

 

「アドフリくん」がアプリでも動画広告配信を可能に

寺島情報企画が、同社が提供するスマートフォン向けSSP「アドフリくん」において、アップベイダーが提供するスマートフォン向け動画広告配信サービス「AppVador」との全面接続を発表した。これまでは一部のみに解放されていたが、今後はアドフリくんのSDKを使用している全デベロッパーがAppVadorの広告を利用できる。

 

Appelevenがアプリ内動画視聴完了型リワードネットワークを提供開始

サイバーエージェントのアドテクスタジオが、連結子会社であるAppelevenが提供するスマートフォンアプリ特化型アドネットワーク「AppliPromotion」において、アプリの LTV向上を目的とした動画視聴完了型リワードネットワーク「AppliPromotion Play」の提供を開始した。AppliPromotion Playは、ユーザーが動画広告を視聴完了した際にインセンティ ブを付与する動画視聴完了型のリワードネットワーク。 ゲーム・マンガ・音楽・占いなどのエンターテイメントコンテンツアプリのパブリッシャーは、これまでのマネタイズ手法の中心となっていたアプリ内課金や、バナー広告やリワード広告などの広告収益に加え、動画広 告配信を行うことで広告収益を増加できる。

 

Rubiconが業界初フルスタックでのプログラマティックダイレクトソリューションを発表

グローバルSSPのRubicon Projectが、業界初となるフルスタックでのプログラマティックダイレクト商品「Order」を発表した。これまでに150以上の広告主・媒体社が参加しているという。フルスタックと謳っているのは、保証型・非保証型・モバイル・ビデオ・デスクトップすべてに対応しているためである。

 

Yahoo! JAPANがスマホ版「Yahoo!ニュース」で新リッチ広告フォーマットを提供開始

ヤフーが、ニュース配信サイト「Yahoo!ニュース」のスマートフォン版の「記事全文」ページで新たなスマートフォン広告フォーマット「プライムカバー」の提供を開始した。プライムカバーは、Yahoo!ニュースの記事詳細を閲覧できる記事全文ページの広告枠を独占し、連続して登場する3つのバナーで展開される。ファーストビューにあたるページ最上部の広告枠は、320×180ピクセルと大画面でありながら、ページをスクロールすると画面上にとどまりながら少しずつ広告がたたまれ、視認範囲が小さくなっていく。ユーザーの行動を阻害することなく訴求できる点が特長。さらに進むとページ中ほどに中部の広告枠(300×250ピクセル)を表示し、コンテンツをはさんでページ下方に最下部の広告枠(300×250ピクセル)が表示される。

 

Criteoが航空会社の最低運賃をリアルタイムに配信するソリューションを発表

Criteoと航空運賃検索システムのVayant Travel Technologies社が、航空運賃に関するリアルタイムデータをCriteoのデジタル広告で配信することを発表した。これにより航空会社は、現時点で入手可能な最低運賃を表示するパーソナライズされたパフォーマンス広告を旅行者に提供できるようになる。今回の提携は、航空会社のLufthansa German Airlines社が両社を戦略的に結び付けたことで実現した。

 

カンムがカード決済連動型サービスとDSPの連携を開始

カンムが、同社がすでに提供しているカード決済連動型サービス「Card Linked Offer」で配信したオンラインクーポンのエントリーデータを利用した広告配信サービス「カンムCLO+DSP」の配信を開始した。CLOサービスは、年齢・性別・住所・利用履歴などの会員情報に基づいてオンラインクーポンを配信するサービス。今回は、DSPとの繋がり、そのクーポンをエントリーした顧客とウェブ上での行動履歴が似たユーザー群に対しても外部サイトを通じて広告を配信することで、カード会社の会員だけでなく一般のオンラインユーザーにもリーチすることが可能になった。

 

「ScaleOutDSP」がスマホSSP「アドフリくん」と接続しアプリプロモーション向け機能を拡充

mediba傘下のDSPのスケールアウトが、同社が提供するアドプラットフォーム「ScaleOutDSP」の「スマホアプリプロモーション向けの機能」において、寺島情報企画が提供するスマートフォン向けSSP「アドフリくん」とRTB接続を行い、配信面を拡充した。これにより、アプリをインストールしたユーザーに対して拡張ターゲティング広告やアプリの起動を促す広告などの配信が可能になった。

 

Rubicon Projectが「InMobi」と共同でモバイルネイティブ広告のアドサーバーをリリース

Rubicon Projectが、インドのモバイル広告プラットフォーム「InMobi」と共同して独自のアドサーバーをリリースした。このアドサーバーは、プレミアム媒体やアプリ開発者を対象にしたモバイルネイティブ広告に特化したもの。また、先日iabから発表されたネイティブ広告の基準である「OpenRTB2.3」にも対応している。

(編集:三橋 ゆか里)

 

 

 

ABOUT 野下 智之

野下 智之

ExchangeWire Japan 編集長   慶応義塾大学経済学部卒。 外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。 国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。 2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。 2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。