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Instagramモバイルディスプレイ広告収入が急成長、全世界での広告収入は2017年に28億1000万ドルに到達、米国ではTwitter、Googleを上回ると予測―eMarketer―

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(翻訳:Asia Plus 黒川賢吾)

eMarketerがInstagramの広告収入予測を公表した。

これによると、Instagramの2015年全世界の広告収入は5億9500万ドルとなるとのことである。

また今後、Instagram広告が、API経由でのバイイングが可能となるほか、効果測定機能・ターゲティング機能がこの結果、2017年までにInstagramの全世界におけるモバイル広告収入は28億1000万ドルに達し、親会社Facebookの(デスクトップ向けを含む)全広告収入の10%超を占めると予測している。Instagram Net Mobile Ad Revenues Worldwide 2015-2017拡充された新たな広告プロダクトの導入により、ブランド、ダイレクトレスポンス系を問わず幅広い広告主からの需要を獲得、広告収入は急増するとみている。

 

eMarketer主席アナリストのDebra Aho氏は「Instagramの広告ビジネスは始まったばかりですが、現状カバーしきれていない広告主の多くの潜在需要があります。今後数か月のうちに発表される新たな機能により、2015年末までにInstagramは大手から大小規模の広告主向けに新しい広告商品を提供することになるでしょう。Instagramの広告主は、現在広告主から指示を受けているカスタム・オーディエンス機能をはじめとするFacebookが提供する一連のターゲティングツールを使用することが出来るようになるでしょう。これは大いに注目されるプロダクトになるでしょう」と述べている。

Instagramにはデスクトップ向けの広告プロダクトはなく、全てがモバイル広告である。2015年のInstagram広告収入は、Facebookモバイル広告収入を母数とすると5.0%を占める。そして2017年にその割合は14.0%まで高まるとのことだ。

また、これを米国に限れば現在10.7%のシェアが、2017年には28.0%になるという。

 

Instagram Net Mobile Ad Revenues Share of facebook Mobile Ad Revenues Worldwide, US vs. Non-US, 2015-20172015年~2017年の3年間で、Instagramが得る広告収入の大半は米国からのものとなるが、米国以外の収入シェアも高まっていくとみている。Instagramは米国外では、2015年に3000万ドルの広告収入を計上する(Instagram全体収入の5%に相当)。2016年における米国の割合は92%、2017年には85%と低下する(逆に米国外の割合が、2016年には8%、2017年には15%と増加する。)。

2015年7月時点では、米国国外でInstagramの広告が利用できるのはオーストラリア、ブラジル、カナダ、フランス、ドイツ、日本、英国の7か国のみである。

 

eMarketerは、米国のInstagramの月間ユーザー数は2014年に約60%増加し6420万人となったと推計、また2019年までには米国全人口の3分の1にあたる1億1160万人が同サービスを利用すると予測している。

 

Instagram, Google and Twitter Net US Mobile Display Ad Revenues, 2015-2017米国でInstagramの広告収入についてどれほどの急成長が期待されているか示しているのが、こちらに示すTwitter、Googleのモバイルディスプレイ広告収入との比較である。

 

eMarketerは2017年にInstagramのディスプレイ広告収入がGoogleやTwitterのモバイルディスプレイ広告収入を上回ると予測している。2014年にInstagramはTwitterを上回り米国におけるソーシャルネットワーク二番手となった。Twitterの米国におけるユーザーベースは2014年に12.1%増加して4840万人に達した。

 

eMarketerは一方で、米国国外でのInstagramの成長は米国国内程の力強さがみられず、引き続き他のモバイルソーシャルアプリによる追い上げがあるとみている。だが現状Instagram上でブランドがユーザーとのハイレベルなエンゲージメントを構築することが出来ていることや、堅調なユーザーベースの増加と新たな広告プロダクトの提供などを考慮すると、同サービスのモバイル広告収入の今後の見通しは明るいとみている。

 

 

 

ABOUT 野下 智之

野下 智之

ExchangeWire Japan 編集長   慶応義塾大学経済学部卒。 外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。 国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。 2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。 2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。