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DACとの協業により、NTTドコモが広告閲覧で通信料チャージの 訪日客向けSIMサービスを開始

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国内デジタル広告市場をリードするデジタル・アドバイタイジング・コンソーシアム株式会社(DAC)は、同社がシステム開発を支援した株式会社NTTドコモ提供のインバウンド向けプリペイドSIMサービスが7月1日より開始されたと発表した。
DACは本サービスの開発支援、広告商品の設計とともにその販売支援も行う。

同サービスの名称は「Japan Welcome SIMTM」。外国人旅行者が訪日前に広告動画を閲覧などすることで高速データ通信量を予めチャージでき、来日時にはSIMカードを利用してそのデータ分を使用することが出来る仕組みとなっている。利用者は日本の空港でSIMカードを受け取り後すぐに本サービスを利用可で、利用期間は15日間。また従来はSIMカードをスマートフォンへ挿入後に利用者がAPN設定を行う必要があったが、本サービスではAPNが自動設定されるという。

「Japan Welcome SIMTM」の仕組み

「Japan Welcome SIMTM」の仕組み

現段階で利用できるサービスは2種類。購入時には通信速度が128Kbpsに限定されるものの1000円で利用できる「プラン1000」と、やや割高の料金で高速通信も可能な「プラン1700」が用意されている。さらに10月からは、広告閲覧などさえすれば支払いをせずとも利用できる「プラン0」もサービスを開始する見込み。

「Japan Welcome SIMTM」の料金体系

「Japan Welcome SIMTM」の料金体系

6月26日に都内で開かれた記者会見に登壇した株式会社NTTドコモビジネス基盤推進室の太口努室長は、これまで訪日客から日本の通信事情に対する不満がしばしば示されてきたと説明。2020年に開催が予定されている東京五輪に向けて、状況を改善するための一つの解決策にしたいとの意気込みを語った。

本広告配信システムの基盤は、DACが提供するアドサーバー「FlexOne®」や進行管理ツール「ad-meister™」などのソリューションによって構築。

またNTTドコモは、株式会社東急ホテルズとBooking.comをパートナー企業に据えた。順次拡大していく予定のこれらパートナー企業は、広告配信と引き換えに本来であればユーザーが支払う通信費を代わって負担するほか、同サービスを普及させるための様々な施策を展開していくことになるという。
NTTドコモは、早期に100万人のユーザー獲得を目指す。また各ユーザーは、30秒程度の動画を閲覧すると10MB程度の通信量がチャージできることになる見通し。

ABOUT 長野 雅俊

長野 雅俊

ExchangeWireJAPAN 副編集長
ウェストミンスター大学大学院ジャーナリズム学科修士課程修了。 ロンドンを拠点とする在欧邦人向けメディアの編集長を経て、2016年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。 日本や東南アジアを中心としたデジタル広告市場の調査などを担当している。