SANSPO.COMが期待するレコメンドソリューション [インタビュー]

産経デジタルが運営するSANSPO.COMの広告ビジネスの現状や今後取り組むべき課題と、同社が導入しているレコメンドエンジン「AJA Recommend Engine」の役割と期待値について、株式会社産経デジタル 営業本部 営業推進チーム次長の石川 晃浩氏、及び株式会社AJAマネージャーの時任 彦太氏と、稲木勇一氏にお話を伺った。

(聞き手:ExchangeWire JAPAN 野下 智之)

SANSPO.COMの広告ビジネス

― まず、石川さんと貴社の広告ビジネス部門の組織につてご紹介をお願いします。

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石川氏(産経デジタル) 私は現在産経デジタルの営業本部にいます。営業本部のうち、5名ほどの営業チームは純広告の販売をしています。私が所属する営業推進チームは8名で、ネットワーク広告と審査、媒体との橋渡しや広告商品の設計をしています。対象媒体は「産経ニュース」「SankeiBiz」「SANSPO.COM(サンスポ)」「zakzak」「iza」の主要5サイトや「iRONNA」とライフメディアチーム担当の「cyclist」「IGN(ゲームサイト)」「ZBAT!競馬」などすべてのサイトで、ライフメディアに関しては4名の営業担当者がそれぞれ純広告の販売を担当しています。

― SANSPO.COMのデジタル広告収入における純広告と運用型広告の比率についてお聞かせください。

石川氏(産経デジタル) 運用型広告が多いイメージです。運用型広告の比率は年々高まっています。

レコメンドエンジンの評価軸は回遊軸と収益軸

― レコメンドエンジンを導入した理由、当時の課題などを教えてください。

石川氏(産経デジタル) 最初にレコメンドエンジンを導入したのが「iza」です。ここは他社の大手レコメンドエンジンを導入しました。他のサイトに関してはコンペ形式で、実際にテスト導入をして決めました。「SankeiBiz」「SANSPO.COM(サンスポ)」「zakzak」のレコメンドエンジンを対象に4社に参加をお願いし、最もパフォーマンスが良かったAJAさんに導入を決めました。

稲木氏(AJA)  テスト時には、回遊軸、収益軸を中心にアクティベートしてみていただき、実際の効果数値を評価していただきました。
レコメンドロジックのうち重要な構成要素であるテキスト解析技術には、Amebaブログ内のテキスト解析で培った日本語に特化した解析技術が使用されており、精度の高いレコメンドが可能なため、効果数値を上げることができたと思っています。
また膨大なデータが蓄積されているAmebaを含めたサイバーエージェントDMPを活用することでより効果数値を上げることができました。
レコメンド精度を向上させるためには、解析技術×データ×メディア特性(カテゴリや掲載位置など)の要素を組み合わせてレコメンドを行うことが重要であると考えています。

― 回遊軸と収益軸とではどちらに評価の重きを置かれましたか?

石川氏(産経デジタル) どちらも大切なので、バランスを見ました。つまり、回遊率が極端に良かったとしても、収益が悪いのはどうなのか、反対に回遊率は悪いけれど収益が良い場合はどうなのか、というところで、総合的に決めました。比較対象の3媒体で回遊率と収益率の6パターンの順位でいえば、AJAさんが概ね上位でバランスが良く、結果導入を決めました。

稲木氏(AJA)  2016年9月にABテストをし、11月くらいまでご検討いただきました。その後、12月から正式に3媒体に「AJA Recommend Engine」を導入いただきました。
導入していただいた3媒体それぞれフォーマットや掲載位置やメディア特性などが異なるため、それぞれの媒体で最適化を行うことが効果実績を上げるうえで重要でした。

― 導入前後でどのようなイメージでしょうか。

石川氏(産経デジタル) 収益でいえば導入以前とは比べ物にならないほどよくなりました。回遊も目標値を毎月クリアできています。パフォーマンスは非常によいと思っています。
また、配信される広告の健全性が高いことも満足しています。

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稲木氏(AJA)   実績値だけでなく、昨今アドフラウド問題などブランドセーフティに関する問題があり、広告の健全性が問われているなか、AJAでは、グループ会社であるサイバーエージェントが運営する「Ameba」の高い基準での審査を媒体社様にご提案したり、メディアに掲載された広告クリエイティブを全件事後審査する機能「AJA GREEN」の審査を通過した健全な広告を出すことに取り組んでいます。

石川氏(産経デジタル) 収益と回遊以外でのAJAさんの特徴は、「AJA GREEN」による審査の強化にあるでしょう。これは媒体にとって非常に良い取り組みです。入ってくる案件には獲得系で掲載基準ギリギリの広告も多く、一線を越えてしまうものをしっかりと見ていただき、そして阻止していただいているのはよいですね。

― サイト運用において課題に感じることは何でしょうか。

石川氏(産経デジタル) AMPに関しての収益化はこれから重要になってくると思いますので、この最適化でしょうか。AMPから本サイトへの誘導に関してはレコメンドで流入が増えればと考えます。

稲木氏(AJA)  正式にAJAを導入いただく際に、通常記事ページだけでなく、AMPへも導入させていただきました。
AMPの収益化に関しては多くの媒体社様においても共通の課題となっており、メディア全体のグロース、収益化を行う上で重要な要素であると考えています。AMP自体の収益化だけではなく、AMPからいかに離脱させずに通常記事ページへ誘導できるか、レコメンドエンジンに対して求められる役割が増してきていると感じています。
AMPに来訪するユーザーの行動特性をさらに解析し、レコメンドに活かすことで、より精度の高いレコメンドを実現していく予定です。

UIを変えて広告収入増を目指す

― 産経デジタルが注目している施策などはありますか。

石川氏(産経デジタル) ヘッダービディングです。弊社もヘッダービディングを一部のサイトで挿入しましたが、今後どうなっていくのかを注目しています。
また、今は弊社サイトでの動画の取り組みはアウトストリームが中心ですが、インストリームのための動画コンテンツがあまりないことに課題を感じています。

― PMPが注目されていますが、産経デジタル内ではいかがでしょうか。

石川氏(産経デジタル)当社ではPMP導入が早かったため、2015年頃はとてもよかったですね。以前は優位性が高かったのですが、ビルボードやファーストレクタングルを取り扱うPMPが一般化し、また配信先メディアも増えたことにより在庫が増えたことで、希少性が薄まったのでしょう。
しかし一方で直近のPMPでは、新たにアウトストリーム動画広告が売上好調であり、そこには期待をしています。

時任氏(AJA)  当社でも昨年「AJA PMP」をリリースしましたので、今後導入いただき効果を上げていきたいと考えています。「AJA PMP」の特徴は、“メディア発”という点が強みだと考えています。ユーザーデータを豊富に持っていますし、メディアとして成長することと収益を上げることを両立する視点でやっているところも、他社にはない特徴だと思います。特に動画は注力ドメインです。

― 導入されたレコメンドエンジン含め、AJAに対して求めることはありますか?

石川氏(産経デジタル) AJAさんとは、「AJA Recommend Engine」 で引き続きメディアのグロースに一緒に取り組んでいただきたいです。加えて「AJA SSP」も導入して数か月経ち、これから収益が上がっていくと思うので、期待しています。また、今後さらにメディアの収益性を上げるために「AJA PMP」も導入していきたいと考えています。

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時任氏(AJA)   「AJA Recommend Engine」で効果を上げていくのはもちろんですが、産経デジタルさまがお持ちの課題やご要望を日々伺いながら、「AJA SSP」や「AJA PMP」など他のプロダクトも活用し、包括的にサポートさせていただきたいと考えています。
パートナーとして、健全性を担保しながらメディア様の収益性をより高める取り組みをし、メディアグロースに貢献していきたいと思います。

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野下 智之

ExchangeWire Japan 編集長

外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。 国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。 2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。