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日本のマーケターが感じるアプリ内広告の現状と課題

画像イメージ:調査分析

 

SSPグローバル大手のPubMaticは、アプリ内広告に関する国内メディアバイヤー(広告主・広告代理店)100名の意識調査の結果を公表した。

 

 

 

同調査の結果から、PubMaticは国内のデジタル広告全体におけるアプリ内広告予算の割合は高い傾向にある一方、アプリ内枠におけるプログラマティック広告の媒体社の在庫品質(インベントリクオリティ)に対するメディアバイヤーの懸念が大きいことが明らかになったと結論付けている。

以下、調査結果のハイライトの一部となる。より詳細についてはこちらからダウンロードすることが出来る。

 

 

アプリ広告を実施する際の主な目的

アプリ内広告を実施する目的については、広告主の最も多い回答は、「ブランディング」(46%)であったが、広告代理店は「アプリのインストールを促す」(56%)が最も多い回答であった。

アプリの媒体面に配信されている広告は、アプリプロモーション目的のものに限定されておらず、幅広い用途で利用されていることが明らかになっている。

 

Q:貴社(または貴社クライアント)のアプリ内広告を実施する際の主な目的をお聞かせください。(複数回答)

出典:同社プレスリリース

 

 

 

デジタル広告予算全体におけるアプリ内広告予算の割合

メディアバイヤー全体のデジタル広告予算におけるアプリ内広告予算の割合の平均値は28%であった。回答の内訳をみると、広告代理店の割合平均値は35%で、広告主の値20%より高い割合であった。

 

Q:貴社(または貴社クライアント)のデジタル広告予算における2019年のアプリ内広告の予算の割合についてお聞かせください。

 

出典:同社プレスリリース

 

 

アプリ内広告が出稿されているプラットフォーム

メディアバイヤーの50%が Facebook、Twitter、LINE、Google App Campaigns などのクローズドプラットフォームにアプリ内広告を出稿している一方、DSP経由でアプリ内広告枠にプログラマティック広告を買付しているのは 16%にとどまった。

 

Q:貴社(または貴社クライアント)のアプリ内広告を出稿しているものをお聞かせください。(複数回答)

 

出典:同社プレスリリース

 

 

アプリ内広告をプログラマティックに買付する際の課題

アプリ内広告をプログラマティックに買付する際の課題として、メディアバイヤーの51%が「ブランドセーフティー」、48%が「アドフラウド」をあげ、メディアバイヤーがアプリ内枠のプログラマティック広告の媒体社の在庫品質(インベントリクオリティ)に懸念をもっていることが明らかになった。

 

Q:どのような課題が解決されれば、貴社(または貴社クライアント)のアプリ内広告をDSPを経由してプログラマティックにバイイングしますか?(複数回答)

出典:同社プレスリリース

 

 

PubMaticによるグローバルの調査によると、海外メディアバイヤーの68%がアプリ内の広告枠をプログラマティックに買付していることから、海外市場と比較すると国内のアプリ内枠のプログラマティック広告市場はまだ発展途上であるとのこと。本調査において、アプリ内枠のプログラマティック広告の買付経験がないメディアバイヤーの31%が「プログラマティック広告の利点を知らない」と答えており、引き続きの啓蒙の必要性を述べるとともに、モバイル広告の予算がウェブからアプリへとシフトし、CPIキャンペーンだけでなくブランディングのために広告主がアプリ内広告を今後益々活用していくと予想されるなかで、バイヤーとセラーの両サイドから信頼される健全なプログラマティック広告のエコシステムを確立するために業界関係者が集結することが重要であると、調査結果の報告を結んでいる。

 

 

 

 

ABOUT 野下 智之

野下 智之

ExchangeWire Japan 編集長   慶応義塾大学経済学部卒。 外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。 国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。 2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。 2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。