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先週のアドテクシーン:Appleがプライバシー対応を強化、iOS 14以降IDFA利用はオプトイン方式に

 

 

広告テクノロジー業界を定点観測するExchangeWire編集部が、過去一週間に起きたトピックの中から特に注目すべきものをピックアップしてお届けする。

 

 

【トップニュース】

 

Appleがプライバシー対応を強化、iOS 14以降IDFA利用はオプトイン方式に

Appleは、6月22日に開催したWorldwide Developers Conferenceにおいて、今年の秋に提供が開始されるiOS 14 において、プライバシー対応の強化を目的にIDFAの取り扱いに関する変更を公表した。

アプリデベロッパーは、iOS 14 においてIDFAを利用するには、ポップアップ表示によりユーザーの許諾を得ることが求められる

これは、従来iOS上ではアプリ広告におけるターゲティング配信から計測までの全てにおいて使われてきたIDFAが、今後は精度の高いデータに裏付けされた広告取引を実現する上で、事実上機能しなくなっていくことを意味している。

ITPのアプリ版ともいうべき今回の変更、今秋業界では大きな話題となり、各所で議論が交わされた。

Appleはこれに代わるソリューションについても用意することを公表しているが、現時点ではまだ詳細が明らかになっていない。広告主、広告会社、アドテクベンダー、媒体社のすべてに大きな影響が及ぶといわれている。

 

 

【アンケートご協力お願いの件】

 

ExchangeWire JAPAN を運営するデジタルインファクトでは、広告業界の皆様を対象にした各種アンケート調査を実施しております。

大手広告プラットフォームに関するアンケート調査

★アンケートの詳細とご回答は、こちらから

本アンケートは、広告プラットフォームに関する評価や自由なご意見をお聞きしております。是非皆さまのお声をお聞かせください。

■調査対象となる方:インターネット広告ビジネスに関わっており、広告主、広告会社(代理店・メディアレップ・トレーディングデスク)・アドテクベンダー・媒体社に所属されている方。

■最後まで回答いただき、ご連絡先を記入いただいた方には、Amazonギフトコード500円分をお送りさせていただきます。なお、ご回答が一定の数に達した段階で、受付を締め切らせていただきます。あらかじめご了承ください。

 

【新サービス・新機能】

 

D2C、スマホ向けメール広告配信サービスにおいて、ジオターゲティング広告のリアルタイム配信を開始

D2Cは、自社で広告販売を行う、NTTドコモのスマートフォン向けメール広告配信サービス「メッセージS(スペシャル)」において、ユーザーのリアルタイムな位置情報データを活用した広告配信サービスを提供開始した

広告主企業は希望の「日時」と「エリア」を指定し、「その時」「そのエリア」を訪れたユーザーに対して、広告配信をすることが可能となる。ターゲティング配信エリアの設定は、店舗周辺や商圏に合わせて、最小半径75メートルから最大5キロメートルまでの複数エリアを指定でき、さらに、ドコモが保有するユーザー属性データと掛け合わせることで、企業が求めるターゲット層へのより的確なリーチを実現することが可能となる。

 

サイバーエージェント、店舗サイネージ配信プラットフォームの提供を開始

サイバーエージェントはAI事業本部の小売DXセンターにおいて、小売業向け店舗サイネージ配信プラットフォーム「ミライネージ」の提供を開始した

「ミライネージ」は、小売店舗に設置したサイネージのネットワーク化により、店舗のメディア化を実現する小売業向け店舗サイネージ配信プラットフォーム。

小売店舗は本プラットフォームの導入により、サイネージを活用した店舗独自のメディア媒体を創ることで、商品の販促による収益に加えて広告収益という新しい収益モデルを構築することができる。また、これまで可視化が難しかった小売店舗での店舗内販促効果の分析が可能となる。

 

CDG、一つのプラットフォームで新規獲得から購入・ファン化までを実現する「CRM CONNECT」の提供を開始

CDGは、新規獲得からファン化までを実現するCRMサービス「CRM CONNECT」の提供を開始した

様々なメッセージング機能を持つLINEをプラットフォームとし、セグメント分析に基づいた顧客との1to1のコミュニケーションを通じ、より効果的なCRMを可能とする。

 

トレンダーズ、独自のスコアリングによりSNSトレンドを予測・分析 「SNSトレンドファインダー」提供開始

トレンダーズは、Twitter・Instagramのトレンドワードを自動抽出することでSNSのトレンドをリアルタイムに予測・分析するツール「SNSトレンドファインダー」の提供を開始した

同サービスは、投稿ワードを「投稿件数」と「特定期間の投稿頻度」によりスコアリング。これにより投稿件数の絶対数ではなく、特定の時期に投稿が特徴的に増加しているワードを「トレンドワード」として抽出することが可能となる。

 

AnyMind Group、アジア向けにPMPを開始

AnyMind Groupは同社が保有する「AdAsia Digital Platform」において、新機能「Deal Discovery」の提供を開始した

「Deal Discovery」によって、アジア市場をターゲットとしたマーケティングを行いたい広告主・広告代理店は「AdAsia Premium Marketplace」の保有するASEAN、香港、台湾など、アジアのプレミアムメディアにおけるディスプレイ広告や動画広告のインベントリを担当者自身で検索することができ、ピックアップしたメディアにおいてPMP(Private Marketplace)配信を行うことが可能となる。

 

PubMatic、ヘッダー入札ソリューション「OpenWrap OTT」を発表

PubMaticは、純広告とプログラマティック双方のデマンドパートナーを100%一元化しながら、テレビのようにシームレスな視聴体験を維持できるヘッダー入札ソリューション「OpenWrap OTT」を発表した

「OpenWrap OTT」を導入することにより、広告ポッド(ad pod)全体のマネタイズと視聴体験を最適化でき、パブリッシャーと広告主の双方がプログラマティックの経済的な可能性を最大限に引き出すことができるようになる。

 

Vpon、在日外国人向けに広告配信

Vpon JAPANは、在日外国人をターゲットに広告を配信する「在日外国人向け広告」の提供を開始した

これにより、日本在住の282万人の外国人に日本国内の旅行訴求が可能となる。

在日外国人全体のうち約3割に当たる78万人が中国人で、次いで韓国、ベトナム、フィリピン、ブラジルと続き、年々その数は増加傾向にある。

 

DACの「AudienceOne®」、ポストCookie時代に対応するデータ活用機能を強化

DACは、自社で開発・提供するDMP「AudienceOne®」において、来るポストCookie時代に対応し、オーディエンスデータのセグメンテーション機能とターゲティング機能を強化した

同時に、DACとDAC子会社である株式会社プラットフォーム・ワンが提供するDSP「MarketOne®」においてもターゲティング機能を強化し、DACは、3rdパーティCookieに依存しないデータ活用による効果的な広告配信の実現を目指す。

 

【サービス連携・業務提携】

Spotifyが「Spotify for Brands PARTNER」制度をスタート

Spotifyは、Spotifyのサービスや広告商品を活用して広告主のキャンペーンを企画・制作・実施し、成果を収めた広告代理店や広告関連企業を評価する「Spotify for Brands PARTNER」制度を、6月26日より開始した

対象パートナーには、認定代理店限定のセミナーや、クリエイティブ開発や効果測定に関する共同プロジェクトへの招待などの特典を提供。

特別パートナーとして以下の11社が認定された。

株式会社アイレップ、株式会社エフエム東京、株式会社 オトナル、株式会社サイバー・コミュニケーションズ、株式会社 ザ・ゴール、株式会社JR西日本コミュニケーションズ、株式会社新通、株式会社トライバルメディアハウス、株式会社電通デジタル、株式会社VOYAGE GROUP、株式会社マッキャンエリクソン

 

AnyMind Group、日本、中国に次いでASEANでのGoogle Certified Publishing Partner(GCPP)に認定

AnyMind Groupは、日本と中国に次いで、Google Certified Publishing Partnerに認定された

これにより当社はアジア11の市場の各ローカルのメディア事業者、アプリ事業者向けの当社独自のソリューションを通じて、さらに強力な支援を行うことが可能となった。

同社はAdAsia360 Platformを通じて、累計で東南アジア450社、中華圏250社、日本420社のメディア事業者の支援を行っており、月間インプレッション数は1180億を超えているという。

 

ABOUT 野下 智之

野下 智之

ExchangeWire Japan 編集長   慶応義塾大学経済学部卒。 外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。 国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。 2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。 2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。