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2021年のMadTech(マーテク+アドテク)業界を大胆予測(後編)

 

 

前編に続き、MadTechに関する今後1年の予測、残りの5つをお届けしよう。これらもきっと、今後のZoom会議で格好の話題になるはずだ。

 

 

5.プログラマティックのオープンな市場が衰退し、SSPはエージェンシーのアドネットワークに転身

このトレンドはすでに始まっていると感じる。多数のエージェンシーを傘下に持つホールディングスグループとSSP(サプライサイドプラットフォーム)が交わす契約を見るといい。最近のXandrとOmnicomの提携が良い例だ。プログラマティックのアドテクがコモディティ化し、手数料の縮小が加速する状況で、ホールディングスグループは、SSPに独自のセールスポイント(USP、Unique Seling Proposition)を求めるようになる。エージェンシーのアドネットワークはSSPを技術レイヤーとして利用し、その維持費はクライアントの広告費で賄うだろう。

 

エージェンシーとSSPが強固な関係を築く確率:4/5

 

 

6.マーティン・ソレル氏の成長モデルを模倣するエージェンシーが増加

WPP元CEOのマーティン・ソレル(Martin Sorrell)氏は、広告業界史上最高の財務マインドを備えた人物だ。WPPを去った後の2018年にS4Capitalを立ち上げ、2年間で21億ポンド(約2850億円)の大手エージェンシーに育て上げた天才的な業績からは、予測記事を読むよりもはるかに多くのことを学ぶことができる。ソレル氏の成功を誰もが模倣したいと願うだろう。S4Capitalの輝かしい成長に続こうとして、今後2年間で統合整理されたエージェンシーが多数上場することが予想される。

 

ソレル氏の成長モデルを模倣するエージェンシーが続出する可能性:4/5

 

 

7.米国のアドテクは欧州を敬遠する

米国のアドテクにとって、欧州は以前から複雑な場所だった。市場と雇用法が細分化しているからだ。さらに、個人情報保護法の厳格化と、欧州のデータ規制当局から罰金を科される恒常的な懸念によって状況はさらに悪化している。米国のアドテク企業にとって、欧州が参入しやすい市場になることはないだろう。一方でそれは、欧州に拠点を置く企業にとっては根本的には朗報となる。物事には常に良い面があるということだ。

 

米国のアドテクが欧州を敬遠する確率:4/5

 

 

8.「ホールディングスグループの終焉」は、大げさに語られすぎている

エージェンシーのホールディングスグループはここ数年、売上の減少という痛手を負ってきた。とはいえ、終焉にはほど遠い。ホールディングスグループは今も十分に大規模で、世界最大級のブランドの戦略的パートナーになり得るグローバルなスケールを擁する。ウォールドガーデンの台頭にもかかわらず、ホールディングスグループはサービスのレイヤーで優位に立てる。さらには、コスト構造と進化する能力によって、ビジネスに致命傷を与えるデジタルの「存続に関わる脅威」を半減させることができる。ホールディングスグループは、デジタルマーケティングエコシステムの要衝であり続けるだろう。

 

ホールディングスグループが健在であり続ける確率:4/5

 

 

9.ATSは2021年、盛大に復活する

バーチャルイベントの「イノベーション」には大賛成だが、壇上でのドラマチックなトーク、対面のネットワーキング、交流など、ライブイベントに勝るものはない。野外音楽イベントの「グラストンベリー・フェスティバル」と同様に、2020年のATSはキャンセルになった。だが、来年は一層盛大に復活するだろう(もちろん、新型コロナウイルスのワクチン次第だが)。我々はそれまで、インタビュー動画、ウェブキャスト、ホワイトボードセッション、ポッドキャスト、調査記事、業界分析といった良質なコンテンツを発信し続ける。近いうちに皆さんに会えることを願っている。ATS London 2021へのカウントダウンはすでに進行中だ。

 

ATS London 2021が開催される確率:5/5

 

9月21日に配信されたライブウェブキャストで、私は業界のベテランでATS Londonの常連でもあるCaptifyのCOO、フィオナ・デイビス(Fiona Davis )氏やエージェンシー、アドテク専門家のアンソニー・リンド(Anthony Rhind)氏とともに、今回挙げた予測や業界の現状について論じた。セッションのモデレーターを務めたのは、ExchangeWireのリンジー・ラウントリー(Lindsay Rowntree)氏だ。一見の価値がある内容であり、アーカイブ動画はこちらで視聴できる。

 

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本記事は、ExchangeWire.comに掲載された記事の中から日本の読者向けにサイバー・コミュニケーションズが翻訳・編集し、ご提供しています。

株式会社サイバー・コミュニケーションズ(CCI)
日本のインターネット広告誕生の1996年に設立。以来、電通グループのデジタル広告関連事業者として、デジタルマーケティング全般のサービスを展開、数百の媒体社・広告会社との取引と共に、業界を牽引し、最先端のマーケティングサービスを通じて、クライアントと ユーザーのコミュニケーションを実現している。