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LIVE BOARDが集積データを公開

LIVE BOARDは、10月2日、屋外広告に関する様々な集積データを発表するオンラインセミナーを開催した。
(Sponsored by LIVE BOARD)

 

 

 

テレビ視聴と屋外移動の時間比較

「ヒト起点で考える屋外広告の可能性」と題した本セミナーには、同社インサイト部ディレクターの山田典弘氏が登壇。事業設立から約1年半の間に同社の「LIVE BOARDマーケットプレイス」の運営を通じて得た独自のデータを含む様々な知見を披露した。

 

同氏はまず、移動時間に関する統計データを紹介。一般的な生活者が屋外で移動している時間は一日当たり80分であり、テレビの平均視聴時間(平日約160分、休日214分)の半分以下となる。ただし、若者層に限定すると、15~24歳の移動時間は同100分、10代のテレビ視聴時間は平日73.3分。つまりテレビ離れが進んでいると伝えられる若者層では屋外の移動時間とテレビ視聴時間が拮抗または逆転する。そこでLIVE BOARDは、「屋外で移動している」生活者に対して効果的に広告を当てる手法の研究を進めてきたと述べた。

 

 

NTTドコモのデータを最大限に活用

LIVE BOARD社は、日本最大規模の携帯電話サービス加入者を抱えるNTTドコモの位置及び属性データと、同じく日本を代表する広告会社である電通の広告及びマーケティングの知見を活用している。日本全国に配備した109面*を通じて、1日最大2000万人にデジタル広告を配信。広告の想定到達人数と連動したインプレッション課金方式を採用し、配信設計や効果測定を効率的かつ精緻に行うための環境を整備している。

 

一例として、配信面ごとまたは時間ごとに集まりやすい性別や年齢層を把握することで、属性ターゲティング配信を実施。また特定の時間帯に各エリアに滞在したNTTドコモのスマートフォンユーザーに対してアンケート調査を実施することで、ブランドリフト効果などを把握できる。さらにはNTTドコモのスマートフォン向けメール広告配信サービスである「メッセージS」と組み合わせることで、LIVE BOARDマーケットプレイスの視認範囲来訪者にLIVE BOARDマーケットプレイスと連動した近隣店舗のクーポン広告をリアルタイムにプッシュ通知を配信することなどを可能にした。

 

DOOH広告独自の集団効果とは

それでは、実際にLIVE BOARDマーケットプレイスはどのように見られており、またどのような広告効果を発揮しているのか。LIVE BOARD社が集積したデータによると、4割程度が10秒以上視認し、若者層の3割程度は立ち止まって表示された広告を目にしている。広告視認率は平均32.8%で一般的なデジタル広告とほぼ同様であり、若者層に限定するとテレビCMよりも視認割合は高い。

 

各地の店舗サービスにとっては、近隣に適切な広告配信面があれば、消費者の購買地点に近い場所で大画面を通じて広告を流すことができるので、広告効果が高くなる。実際に広告視認後に行動変容を示した割合は、LIVE BOARDマーケットプレイスが10人中2.82人であるのに対して、テレビCM は10人中2.04人、デジタル広告が2.71人。さらにはテレビCMとLIVE BOARDマーケットプレイスを掛け合わせることで来店リフト率がさらに高くなることなども実証された。

 

 

山田氏によると、LIVE BOARDマーケットプレイスは「世の中ごと化」に適している。消費者が繰り返し広告に接触することで、たとえ自身が好意を持っていなくても、他者の好意意識を通じて購買行動などに影響を与える「集団効果」の創出効果が高いためであるとの持論を述べた。

 

移動データの用途拡大へ

LIVE BOARD社はこれまで、主要駅前の大型ビジョンを始めとする屋外広告を中心に広告配信面を整備してきたが、今後は鉄道の車内ビジョンや駅構内さらには店舗内の売り場面積などに設置されるインストアメディアなども配信面に加えていく見込み。またメディアプランニングを支援するため、リーチとフリークエンシーのシミュレーター機能を本年度内にリリース予定としている。

 

本事業を通じて「人流に関する新しいインサイト」を発見すれば、同社の事業領域はさらに拡大していく可能性がある。例えばコロナ禍で都心部エリアの人出が大幅に減少している一方で、居住地エリアでは外出数がそれほど変化していないことがNTTドコモのデータなどを通じて確認されている。山田氏は、この傾向をさらに精緻に実証できれば、例えば郊外のディスカウントストアの全般的なマーケティング戦略などにも役立てることができるはずとの見通しを伝えた。

 

今後は、スマートフォンとの可処分時間の奪い合いが課題となり得る。現代の消費者は、屋外移動中の5~6割の時間をスマートフォン利用に割いており、若者層になるとその利用時間はさらに大きくなる。そこでLIVE BOARD社では、LIVE BOARDマーケットプレイスの視認率をより高めるための各施策を実施。文化庁主催の芸術祭に出展されたアーティスト作品をコンテンツとして動画配信するなどして、屋外ビジョンを通じた新たな視聴習慣づくりに注力している。

 

「野球好き」も位置情報で捕捉

続いて同社クライアントサービス部の大良泰弘氏が、LIVE BOARDマーケットプレイスが提供する広告商品内容について説明した。自社媒体70面と他社媒体39面を合わせて109面を束ねるLIVE BOARDマーケットプレイスの特徴の一つが、広告を視認する人の数に応じた課金方式。コロナ禍による外出自粛を受けて屋外広告の広告効果が不安視される中で、人流が減れば広告料金も減るという形態は広告主の理解を得やすいとの考えを示した。

 

また属性ターゲティング配信やエリア配信に加えて、天気情報を用いたウェザーターゲティングを実施。その日の気温によって、アイスコーヒーとホットコーヒーを取り上げた2種類の広告クリエイティブを出し分ける仕組みを紹介した。

 

位置情報は「都心部」または「渋谷エリア」といったエリア配信のみに用いられるわけではない。「ドラッグアストア周辺パッケージ」など、近隣にある建物の種類別にネットワークを束ね上げた広告商品も用意している。今後は例えば「野球好き」であれば甲子園球場の来訪者といった具合に、趣味嗜好と位置情報を紐づけたデータも合わせて整備していく予定だという。

*2020年9月時点

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長野 雅俊

ExchangeWireJAPAN 副編集長
ウェストミンスター大学大学院ジャーナリズム学科修士課程修了。 ロンドンを拠点とする在欧邦人向けメディアの編集長を経て、2016年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。 日本や東南アジアを中心としたデジタル広告市場の調査などを担当している。