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『クッキーレス時代への5つのゴールデンルール』 広告主・ブランドへのナビゲーション レミ カッケル, Teads チーフデータオフィサー

 

オンラインメディアの消費や視聴時間はこの1年で急激に加速していますが、デジタル広告のルールは変わりつつあります。

Google Chromeは、サードパーティCookieのサポートを2022年までに段階的に終了する発表をしています。Cookieの利用制限が厳しくなる中、アドテクノロジー企業は代替技術の開発に切磋琢磨しています。クッキーレスな時代でも、適切かつ効果的な広告配信を継続して行うための5つのステップをまとめました。

 


1 – ポストCookie時代への準備・チャレンジ

1994年に開発されたCookieは、インターネット、eコマースの普及や発展とともに2000年代より広く使われるようになりました。

デジタルマーケティングは数十年もの間、このCookieをベースとして進化してきました。Cookielessとなった未来で、以前と同様の効果を維持するには、様々な変更が必要になります。

アプローチ方法の変更、チーム・パートナーの変更、キャンペーンのスコープ(ターゲットとするマーケット、ブランドや製品のペルソナ)等の修正が考えられます。

順序立てて準備をしていくことで、この機会を乗り切るだけではなく、デジタルマーケティングそのものを成功へと導くでしょう。

まずは以下の項目が明確であるか確認してください。

  • ターゲットマーケット・エリア(市場)
  • そのマーケットの中でブランドはどのように位置づけられているか。
  • 今後のキャンペーンの効果測定をどのように定義するか。
  • 現在のオーディエンスターゲティングのニーズを分析・確認。
    デモグラフィックデータ・興味関心・購入意図など、マーケティング指標の上位カテゴリに分類をすることから始める。


2 – ファーストパーティデータ戦略のアップデート

クライアントが保有するファーストパーティデータは主にCookieに依るものであるため、今後のデータ収集や活用可能なデータ量は減少傾向になるといわれています。

これを踏まえ、ファーストパーティデータをどのように活用するべきか、戦略を練る必要があります。重要なポイントは2つです。

 

1. データを最大限に活用

例えば基本的なダイレクトメッセージ(DM)から始まり、広告配信でのルックアライク類似拡張など、さまざまなデータ活用方法がありますが、例にとどまらず、保有データをさらに活用することを検討してください。

下記の2例とともに活用イメージを広げ、それぞれプライオリティをつけていきます。

 

a)Cookielessのプランニングと意思決定
ファーストパーティデータを徹底的に絞りこみ、すぐにメディアプランニングに使えるよう備えましょう。例えば、見込み顧客に最もマッチするコンテキスト(文脈・記事)とは何かを分析します。各マーケットやブランドごとに、クライアントが普段どのようなコンテンツを読んでいるかを把握することで、コンテキストターゲティングの戦略をプランニングすることができます。

 

b)効果測定・メジャーメントをより正確なものに

パフォーマンスと効果測定は、キャンペーン全体にわたって行う必要はなく、最もKPIを左右するデータに焦点をあてて集計を行います。自社のデータを使用し、可能な限りメディアの効果測定に注力してください。
(例:自社のドメインにてユーザー訪問履歴から、オンライン/オフラインシグナルを取得する)

 

2.持続可能なデータソリューションとプライバシーコンプライアンスを導入する

すべてのデータとチャネルを見直し、ユーザーのログインや永続的に使用できるID(識別子)のマッピングをします。ここでは持続性があるかどうかの内容を評価・査定します。

パプリッシャーがオープンウェブ上で膨大なユニークIDを導入した場合、それらをすぐに利用できるような体制を整えることが重要です。

また、ユーザーに対して適切なデータプライバシー管理(ユーザーの同意、アクセス/削除の権利など)が保証されているか確認してください。規制の観点からだけでなく、メディアが消費者に正しい方法でエンゲージができているかを確認してください。

 

 

3 – 将来を見据えたオーディエンスターゲティングの可能性


何がCookieの代案になるのか、現実的に考える必要があります。広告業界全体からの多くの噂や意見が出ているにもかかわらず、万能の解決策は今のところありません。

今までと同じレベルの広告効果を維持するには、さまざまなアプローチを理解し、テストし、適切に組み合わせて使うことが必要になります。

情報感度を高めて、業界で発信されるイニシアティブ(代替技術の計画や改善案)を試験導入してください。最新のイニシアティブは以下になります。

 

1.プライバシーサンドボックス:2021年上半期にGoogleによって行われる現在進行中の取り組み。詳細はこちらをご覧ください。(英語)

https://www.chromium.org/Home/chromium-privacy/privacy-sandbox

 

2.予測オーディエンス:Cookielessシグナルの組み合わせを分析し、インプレッションが発生する前にリアルタイムでデータをオーディエンスデータへと変換するアプローチ。(例:コンテキスト、デバイスモデルなど)

 

3.パブリッシャーファーストパーティデータ:リーチしたいファーストパーティデータを持つメディア(パブリッシャー)をリスト化し、マッチするターゲティング範囲を確認。これにより、できること・できないことが明確にわかります。

 

4.Unique ID:主にユーザーがログインをする際に使用され、Cookieの代わりにemailアドレスやログインIDを使ってユーザーを認識するアプローチ。パブリッシャーはログインソリューションを積極的に開発したり統合作業を進めています。データのスケールを適宜確認し、中/長期のテスト実装を行なってください。

 

 

4 – コンテキストが持つパワーを発見する


コンテキストターゲティングは妥協案ではありません。Teadsがグローバルで複数のブランドと検証した結果、とても有効なメディア戦略ということがわかっています。

唯一の課題は、このソリューションがもたらす効果がまだ多くの人に理解されていないということです。

コンテキストターゲティングを最大限に活用する方法は、キャンペーンと同様で、メディアプランニングが重要になります。ユーザーアクションの可能性を知るためには、ファーストパーティデータ、新しいツール、インサイトを活用し、どのコンテキストシグナルをいつ、どのように使用できるかを学習します。

 

次のステップは、コンテキスト情報を使いクリエイティブをパーソナライズすることです。

より多くのオーディエンスにリーチする上で、ページのコンテンツに応じたパーソナライズクリエイティブは大変重要になります。キャンペーンの効果測定では、オーディエンスターゲティングソリューションと比較することで驚く結果が見られることでしょう。

 

最後にA/Bテストを行うことです。マーケットにある幾つかのコンテキストターゲティングソリューションをテスト運用してください。適切なタイミングでブランドやキャンペーンに最もベストなものを見つけることが肝になります。

 

そして本年、2021年中に、天気、時刻、デバイスの種類に応じた、新しいコンテキストシグナルを使った配信方法を試してください。

この手法はCookielessターゲティングの鍵となります。より細やかに分類されたシグナルを揃えることで、優れたパーソナライズを行うことができ、メディアの効果を高めることができます。

 

5 – 迷わず前に進む


Cookielessという変革の時代を迎えるにあたり、想定している課題以外にも新たなテーマが散見されることもあるでしょう。しかし、適切なアプローチをしていくことで、迷わずに進むことができると考えています。この転換期を乗り切る3つのヒントを最後にお伝えします。

 

1.「自分ごと化」マインドセット:デジタル広告業界にかかわる全ての方々がCookielessに対する理解を深め、浸透・慣れていく必要があります。

 

2.積み重ね:タイムラインとプロジェクトの範囲を明確に定義し、日々、データの推移や結果をみて、対策をしていきましょう。

その際、すべてのアドテクソリューションを見るのではなく、社内外の専門家と話し合い、見聞を深めた上でテスト実装を行なってください。

 

3.コミュニケーション:取り組みや実装で得た結果をマーケットにぜひシェアしてください。業界全体に情報を届けることは良いサービスの進化に欠かせません。また、コミュニケーションをすることで、他のブランドの施策や視点を学ぶこともできます。

Cookielessとは、私たち全員が一緒に乗り越えなければいけない課題であり、業界全体が一丸となって取り組むことが重要だと考えています。

 

 

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レミ カッケル

Teads
Chief Data Officer

自称データオタク。フランスで技術者の学位を取得後、航空業界(Amadeus社)のデータ開発部門でプロダクトリードとして従事。
現在、Teadsのチーフデータオフィサーとして、データソリューション・DMPを統括。デジタルエコシステムに関する豊富な知識をもとにデータインフラストラクチャをゼロから構築。