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お客様を大切にするということ:データ重視のマーケティングで、よりパーソナライズされた体験を提供

ビジネスでは長い間、「お客様」を知るためにあらゆる努力がされてきており、こうした取り組みはマーケティングにおいて特に重要な意味を持つのではないでしょうか。既存または新たな顧客と信頼関係を築いていくために、マーケティングや営業担当者はそれぞれのニーズを深く理解し、何が人々の琴線に触れるのかを知る必要があります。そうしたインサイトを得ることで企業は顧客を獲得し、顧客ロイヤリティを高め長期的な成功を収めることができます。(Sponsored by Oracle)

 

マーケティング業界の顧客ロイヤリティへのアプローチ方法は、この数十年で変化してきました。1990年代にあった顧客への強いこだわりは2000年代に入ると収まり、既存顧客との会話にこだわるやり方ではなく、高度なマス・マーケティングを推奨するようにさえなりました。そして今、そのバランスが再び変わろうとしています。インテリジェントなマーケティング・ツールによって、もっと微妙なニュアンスを付け加え、場合によっては感情まで考慮したカスタマー・ジャーニーを創造できるようになり、その過程で顧客ロイヤリティを高めていこうとしています。

 

新しいテクノロジーを活用して顧客ロイヤリティやリテンションを高めることのメリットは、説明するまでもないかもしれません。KPMGのレポートによると、消費者の52%は、たとえ他に利便性が高く、安く購入できる場所があったとしても(別のブランドの方が便利、あるいは価格が安かったとしても)、お気に入りのブランドで商品を購入すると答えています。テクノロジーは、魅力的な最初の購入体験を提供し、思いがけない報酬等のインセンティブにいたるまで、あらゆることで顧客を喜ばせ、顧客体験をこれまで以上にパーソナルなものに感じさせることができます。

 

カスタマーエクスリペリンスの統一

例えば、自分のことを全く覚えていない人と話をしようとして、次の瞬間にその人が半年も前の会話をもとに、自分が欲しくもないもの、あるいは必要でないものを売りつけようとしたらどうでしょうか。不快な思いをして、立ち去るだけかもしれません。多くの企業が顧客との関係を築こうとして用いる断片的なアプローチでも同じようなことが言えます。そしてその結果として売上に影響をおよぼすだけでなく、重要な顧客ロイヤリティを失うことになります。

 

企業は、顧客が望むやり取りを通して関係を強化しようとするなら、適切なツールや仕組みが必要です。非常によく見られるのが、ソリューションもチームもサイロ化し、マーケティング部門と営業部門がそれぞれ別々に取り組んでいるケースです。本来であれば、この2つのチームは、何度も繰り返し購入したくなるような素晴らしい顧客体験を提供するという同じ目的に一緒に取り組む必要があります。マーケティングと営業の間にありがちな壁を打ち破ることで、企業は顧客に、よりパーソナライズされた体験を提供することができます。

 

顧客に一貫した体験を提供するための鍵となるのが、カスタマー・ジャーニーの初めから終わりまで、すべてを管理できる総合的なマーケティングのシステムです。これによって企業は、オーディエンス・セグメンテーション、クロスチャネル・キャンペーンの実行、自動化されたリードの選別、営業商談の生成、売上創出まで、すべてを一元化して表示させることができます。こうしたプロセスがすべて1つ屋根の下に集められれば、マーケティングと営業のそれぞれの担当者はよりインテリジェントな方法でカスタマー・ジャーニーにアプローチし、どのプロセスを自動化して効率化できるのかを判断し、データを活用して魅力的な体験を顧客に提供できるようになります。

 

 

効果的な会話にはインテリジェンスが必要

マーケティング担当者にとって、インテリジェンスとはデータによって得られるものです。データによって、顧客のこれまでの購入歴、インターネットでの閲覧や実店舗への訪問状況、コンテンツに対する反応などを理解することができます。こうした情報を利用して一人ひとりのプロフィールを構築し、これをもとに顧客に対応することができます。これは非常にハイ・コンテクストになる可能性があります。例えば、顧客がECサイトでアウターを探すと、これがトリガーとなって、カスタマイズされたコンテンツが共有され、この場合にはさまざまなファッションが紹介されます。

 

インテリジェンスは営業担当者と顧客とのやり取りの方法にも活かされます。インテリジェントなインサイトとリード・クオリフィケーション・ツールを活用することで、営業担当者は適切な見込客と豊富な情報に基づいた会話を交わすことができ、非生産的な会話で双方の時間を無駄にする必要はなくなります。

 

営業担当者が時間を無駄にしないためには本格的なセールス・オートメーションを利用することも必要です。例えば、上司を喜ばせるためだけにリストやアクションを更新しなくてもいいのです。オラクルの調査では、営業担当者の最大の不満は、自動化できる単純な管理業務を繰り返し行わなければならないことであり、43%がこうした作業を「面倒」だと答えています。重要なことは、統合されたマーケティング・システムが提供するインテリジェンスに基づいて業務を行い、こうした無駄な時間を有効に使えるようになるということです。

 

パーソナライズした体験を大規模なスケールで提供

マーケティング担当者は、インテリジェントなデータベースやモデルをより多く構築して、大規模なスケールで顧客との関係を築くこともできます。データ・アナリティクスによって、企業はビッグデータを意味のあるものにして、リアルタイムで実験を行い、顧客を惹きつけるためのさまざまな戦略を検証することができます。同時に、AIを活用することでパーソナライズしたやり取りができるだけでなく、予測やパーソナライズも行えます。ますます多くの企業がこうしたツールを導入して、大きな成果をあげるようになっています。

 

旅行関連テクノロジー企業のAmadeusではこの数年で、インターネットを通じた顧客獲得のアプローチ手法を変えてきました。会社全体で、複数のマーケティングや営業部門に対応できるデータモデルの構築を進めています。今後、AmadeusはAIを利用してデータを活用し、大規模なパーソナライゼーションを促進し、手当たり次第にメールを送信するやり方ではなく、適切な見込み客や顧客に、それぞれのニーズに合ったキャンペーンを提供していきます。

 

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な流行により、旅行業界には深刻な影響をもたらしました。これはAmadeusにとって、既存の顧客戦略からの転換を意味しており、需要の創出から、有望なリードを対象としたマーケティングの推進、顧客のプロファイルにきめ細かく対応して、常時、自動化されたキャンペーンを展開するといった方法を取るようになっています。不安定な時代にあって、より良質でパーソナルな会話で顧客ロイヤリティを高めることが、かつてないほど重要になっています。

 

生涯にわたって続く顧客との関係性

この先、マーケティング業界はさらに変化していくことは間違いありません。結局、マーケティングというものは、文化や技術の変化によって高まる顧客の期待に対して、その適応と調整を継続することによって定義されるものだと言えます。

 

時間の経過と共に、業界が焦点を当てるところがどのように変化したとしても、適切なカスタマー・データ・プラットフォーム(CDP)やCRMシステムに投資を行い、真のカスタマー・インテリジェンスを確実に得られるようにしている企業が業界をリードするはずです。そうしたツールを得て、パーソナルな体験を提供する戦略を展開できれば、それこそが生涯にわたり続く顧客との関係性の基盤となるのではないでしょうか。

 

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ABOUT 桑野  祐一郎

桑野 祐一郎

日本オラクル株式会社 クラウド・アプリケーション事業統括
CXクラウド事業本部 執行役員
大学卒業後、IT企業の営業としてキャリアをスタートし、一貫してエンタープライズ ソリューション営業としての経験を重ねる。2014年にキリバ・ジャパンの立ち上げに 参画し、のちに経営の立場で事業拡大に尽力する。その後、マイクロソフトを経て 、2018年12月より日本オラクルのCXクラウド事業本部の責任者として着任。2021年 より現職。