×

成功事例を、探しにいこう。-広告主が語る、Yahoo!マーケティングソリューションの活用事例とは

ヤフー株式会社は2023年1月25日、オンラインにて「Yahoo! JAPAN MARKETING DAY 2023」を開催した。本イベントは、広告運用の今後についてヤフーが語る「Keynote」と、各広告主による「事例セッション」で構成され、Yahoo!マーケティングソリューションで効果を出すためのポイントが語られた。

(Sponsored by ヤフー)

 

本イベントは、このイベントのために制作されたオリジナルのバーチャル空間で開催された。バーチャル空間には「メインステージ」と「展示ブース」があり、視聴者はアバターを操作し移動することにより、各コンテンツの視聴や参加が可能となる。

 

イベント当日はメインステージにて、オンタイムでKeynote・事例セッションが進行し、今後のYahoo!広告の展開や広告主による活用事例が、視聴者の大きな関心を集めた。

 

スキルトレーニングなど、広告出稿の土台からサポート

セミナーブースでのセッション「広告主の事業課題から解決 伴走型のインハウス支援事例」では、ヤフーと提携してインハウス支援のコンサルティングサービスを提供しているアタラ合同会社、本サービスを利用している株式会社エイチームフィナジーの3社・4名が登壇し、事業課題への取り組み状況や今後の展望について話した。

(左から)

押元 大輝 氏 (ヤフー株式会社 マーケティングソリューションズ統括本部第一営業本部 営業2部 セールス3)
小澤 裕一 氏 (アタラ合同会社 インハウスチーム/コンサルタント)
薮田 大貴 氏 (株式会社エイチームフィナジー 保険代理店事業部 マーケティンググループ マネージャー)
粟林 直人 氏 (株式会社エイチームフィナジー 保険代理店事業部 マーケティンググループアドマーケティングチーム アシスタントマネージャー)

 

エイチームフィナジーは、総合IT企業である株式会社エイチームのグループ会社のひとつ。「世の中からお金の不安をなくす」というミッションのもとに、複数の保険サービスを比較できるサイト「ナビナビ保険」、生涯の資産形成をゲーム感覚で学ぶことができる「ナビナビ資産運用デザインゲーム」など、金融領域を中心としたサービスを展開している。

 

今回の取り組みの背景には、ヤフーとエイチーム(グループ)との間に結ばれたJBP契約の一環として、アタラによるコンサルティングサービスの提供が、ヤフーより提案されたことにある。
※JBP(Joint Business Plan)。両社で設定したビジネス目標に対して協働をするパートナーシップ。

 

ヤフーの押元氏は「今年度から両社の間でJBP契約を結ぶことにより、Yahoo!広告への出稿のサポートだけでなく、広告運用やプランニング、数値管理、効果検証、組織体制、スキルトレーニングといった、広告出稿の土台となる部分からグループ全体をサポートしています」と取り組み状況を説明。特に、最注力事業の一つである保険事業(エイチームフィナジー)に対しては、より深く入り込んだサポートを提供しているという。

 

また、エイチームフィナジーの薮田氏は、当時の状況について「エイチームはグループ全体で様々なサービスを運営しており、事業課題もそれぞれのサービスで大きく異なっています。今回のJBP契約では、そのような個々のサービスに合わせたサポートの提供をご提案いただいたので、大変嬉しく思っております」と振り返った。

 

「可視化」と「教育実行」でインハウス化を支援

アタラはコンサルティングやシステムソリューション開発をおこなうエキスパートとして、多くの企業の事業課題の解決や支援をおこなっている。特に伴走型インハウス化支援サービスにおいては豊富な支援実績を有しており、業種や企業規模を問わず数多くのインハウス支援を行ってきた。

 

そのコンサルティングおよびインハウス支援サービスにおいては、①可視化②教育実行の大きく2つのフェーズより実行している。

 

①可視化:業務の効率化を目的として、KPIマネージメントやBIツール/ダッシュボードを通じたサポートを実施。
②教育実行:ナレッジトレーニングと伴走型トレーニングを通じてサポート。マーケティングやフレームワークなどの知識を座学で伝えると共に、様々な数字を一緒に確認をしながら、分析の仕方や課題解決の方法を探る。

 

特に①の可視化について、アタラの小澤氏は「マーケティング業務において、分析にしっかりと時間を投資するのは非常に重要です」と提示し、「そのためには可視化をスピーディーにおこなう必要があり、意識づけも兼ねてサポートをさせていただきました」と話した。

 

異なるコンバージョン種別に応じた広告価値の最大化に必要なこととは?

エイチーム/エイチームフィナジーの事業課題を解決し、伴走型のインハウス支援を進めるにあたっては、①事業概要・課題のヒアリング②課題の優先度付け③施策の提案、と3つのフェーズに分けて実行。

 

ヒアリングでは運用に限らず、全ての事業課題を洗い出すことを意識しながら、3社による議論を重ねた。その結果「ダイレクト領域(検索広告)」「ブランド領域」の2点を注力課題に設定することになった。

 

ダイレクト領域(検索広告)においては、保険代理事業というサービス特性に基づく、資料請求や申し込みなど、価値の異なるコンバージョン種別や、経路に対応した広告運用、価値の最大化が最優先課題として挙がった。

 

この目標設定についてアタラの小澤氏は「インプレッション数を伸ばしたい、広告の品質を上げたい、といった課題も挙がりましたが、順を追って様々な課題を解決するための整理をおこない、最優先課題を設定させていただいた」と説明。そして、この課題を解決するために、アタラから提案がなされたのが、自動入札の入札戦略の1つである「広告費用対効果の目標値(tROAS)」の導入である。
※tROAS 目標とする平均広告費用対効果(ROAS)を維持しながら、できるだけ多くのコンバージョンを獲得できるように入札価格を自動的に調整する入札戦略。

 

このtROASの導入により、ROASを維持した状態でコンバージョン数が14%アップする結果となったが、エイチームフィナジーの栗林氏は取り組み前の検討も踏まえながら、次のように感想を述べた。

 

「tROASの導入がコンバージョンの低下や配信ボリュームの縮小を起こすのではないかと懸念していましたが、結果としてはROASも微増させながら、コンバージョン数を伸ばすことができました。また、ダイレクト領域における一番の課題としていた、異なるコンバージョン種別における広告価値の最大化についても一定の成果が残せたと認識しています」

 

 

 

ブランディングはマーケットとユーザーへの理解から始まる

ブランディング領域においては、SEO/SEMを通じてシェアを獲得するだけでなく、外部環境の変化などにも対応可能な中長期的な視点も踏まえ、「ナビナビ保険」としてのブランドを確立し、第一想起を獲得することを目的として設定がなされた。

 

エイチームフィナジーでは、ブランディング強化における確立した手法を持ち合わせていなかった点も課題として挙がるなか、本取り組みを実施するにあたっては、①環境分析②戦略立案③施策実行の3ステップをアタラより提案。なお、現在は①環境分析に取り組んでいる段階となる。

 

 

環境分析においては、「マーケット理解」と「ユーザー理解」の2軸に分けて展開。

 

マーケット理解においては、ヤフーの保有する検索データ等の定量的なデータを取得・分析が可能な、ヤフーの「DS.INSIGHT」などのサービスを利用しているが、アタラの小澤氏は「ユーザーの検索行動履歴を辿ることで、まずはブランディング強化における可視化や仮説の重要性を知る、といった意識付けをさせていただきました」とその意図を説明した。

 

また、今後はユーザー理解を更に進めていくために、アンケートによる定性的なデータの取得・分析が可能な「Yahoo!クラウドソーシング」や「LINEリサーチ」の利用も検討しているという。

 

 

エイチームフィナジーの薮田氏は「定量的なデータは自社で集めていたものの、定性的なデータは自社で集めるノウハウを持っていませんでした。今後はユーザーのインサイトも改めて理解し、それを元にブランドメッセージを発信していきたいと思います」と次のステップへの目標を語った。

 

最後に、アタラの小澤氏は「足元の課題は解決していくのは当然ながら、CDP・CRMデータをしっかり整理し、ユーザーに対しての適切なコミュニケーション設計や戦略部分を一緒に作っていきたい」と結んだ。

 

本セッション(URL)を含む、メインステージでのkeynoteと5つの事例セッションについては、アーカイブ動画を公開している。

本記事で紹介しているソリューション、
またYahoo!広告に関するお問い合わせはこちらからお願いいたします。

 

ABOUT 柏 海

柏 海

ExchangeWireJAPAN 編集担当 日本大学芸術学部文芸学科卒業。 在学中からジャーナリズムを学び、大学卒業後は新聞社、法律・情報セキュリティ関係の出版社を経験し、2018年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。デジタル広告調査などを担当する。