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GoogleのAI検索は広告に何をもたらすのか―セプテーニによる未来予測[インタビュー]

 

2023年5月、Googleは生成AIを活用した新たな検索サービス「Search Generative Experience (SGE)」を発表した。現在は利用登録者のみに提供される試験運用にとどまっているが、将来的には全てのユーザーへの全面展開も予想されている。

 

そんな不透明な状況だが、セプテーニは「AI活用に伴うGoogle検索画面の変化は、短期的にも長期的にも大きな影響が予想される」と語り、既に今後を見据え動き出している。

 

Googleの新たな検索画面や、広告運用において推奨される対策についてSepteni Japan株式会社 営業企画本部 アカウント戦略部 エキスパート 上村 隆真氏、同社 アドマネジメント本部 第一パフォーマンスマネジメント部 課長代理 米原 陸生氏にお話を伺った。

(聞き手:ExchangeWireJAPAN 渡辺 龍)

(Sponsored by Septeni Japan)

 

 

 

AI活用でユーザーの検索行動が大きく変化する

―自己紹介をお願いします

上村氏(写真右):営業企画本部のアカウント戦略部に所属しております上村です。新規の提案や新たなお客様への情報提供などを担っております。

 

米原氏(写真左):アドマネジメント本部 第一パフォーマンスマネジメント部の米原です。私は主にサーチ、ディスプレイといったメディアのコンサルティングを行っているチームでマネージャを務めております。

 

―お二人は現在の所属部署とは別に「searchPJ」というチームにも所属しているようですが、これはどのようなものなのでしょうか

上村氏:リスティング広告のプロジェクトチームです。現在日本の広告費の4割ほどを占めるリスティング広告に注力し、広告主様への貢献価値を高めていくことを目的に本プロジェクトが立ち上がりました。

 

具体的な取り組みとしては、まずリスティング広告運用の継続的な研究です。今年だけでもGoogle発のイベントが2つあり、そこでリリースされたリスティング広告や検索に特化した情報を、いち早く取り入れ強みに昇華する取り組みを行っています。さらに、それを実行に繋げるための独自のケイパビリティの開発もプロジェクト全体で担っています。

 

米原氏:クリエイティブ部門やオペレーションチームも巻き込んだ全社横断のチームというのも特徴の1つです。

 

上村氏:オペレーションチームが関与しているということが、非常に重要な部分になります。リスティング広告では、検索キーワードの動向をチェックしながらコンサルタントが日々広告設定の調整をかけていくのですが、キーワードの追加・除外は非常に煩雑な作業です。

 

例えば新規の1000キーワードを人力で登録していくと3営業日ほどかかるのですが、当社のオペレーション部隊が介在し専用に開発したツールを活用することで、全体の時間を2時間ほどに短縮できるようになります。短縮できた分、広告効果改善のためのアクションに充てられる時間が多くなるので、より効率的な運用サポートを広告主様に提供できております。

 

 

―Googleの検索画面のアップデートが発表されたようですが、どのようなものなのでしょうか

米原氏: Google I/O 2023で発表されたのですが、Search Generative Experience (SGE)と呼ばれるもので、検索画面の上部にユーザーの検索意図を読み取って、AIが自動生成した回答が表示されるというものです。新たにAIの回答が介在するようになり、会話形式での検索が進んでいくという、もう1つの検索ルートが提示された形になります。

 

加えてPerspectiveという、検索情報に対して関連する情報も自動的に選択・表示される機能も同時に発表されました。この検索方法では、ユーザーが2度3度とAIとやりとりをしながら情報を見つけていく、という過程が生じます。

 

 

出典:Google Japan Blog(https://japan.googleblog.com/2023/08/search-sge.html)

 

 

―AIが介入することで今後どのような影響が予想されるのでしょうか

米原氏:短期的な影響と長期的な影響があると想定しています。短期的な部分としては、サイト流入に変化が生じるのではないかということです。AIの活用自体がユーザーに受け入れられるまでには時間を要するので、すぐにユーザー行動に変化が生じるわけではないと思います。しかしSGEの枠が追加されることで、検索広告や自然検索の位置が変わるので、ここは見逃せない点となっています。

 

長期的には、SGEの活用が一般化されていくことで、ユーザーが実際に打ち込む検索語句と広告のフォーマットに影響が出ると見ています。検索語句で言うとAIの回答ありきとなったときに、質問形式での検索、もしくは長文を打ち込むといった検索が発生してくると見ています。

 

上村氏:転職サイトを探すユーザーを例に説明すると、これまでは「転職サイト オススメ」という検索から始まり、自分の条件にあった転職サイトの条件での検索を繰り返してサービスの特徴を少しずつ把握していき、自分の求めている情報に辿り着くという流れでした。

 

AI活用が前提になると、単語の羅列による遠回りの検索ではなく、「〇〇な転職サイトを探しているが、△△に合う条件のものは何か」といった検索が主流になっていくのではないかと思っています。ユーザー自らが細かくサイトをチェックしなくても、複数の条件を入れればそれに合致した回答が表示されるようになっていくのではないでしょうか。

 

米原氏:それに伴い、ユーザーが意思決定する段階のクエリがかなり集まってくる可能性があるので、そこで打ち出す広告テキストを工夫していく必要があると考えています。また、現在のβ版では、AIの回答と共に広告がサジェストされることもあります。AI検索で表示される広告として最適なフォーマットの模索がGoogle側で行われていくのではないでしょうか。

 

 

SEO対策、ブランド力向上、ウェブコンテンツ拡充と多方面からの戦略が必須

―広告主や代理店も新たな対策が必要になってくるのでしょうか

米原氏:短期的にはSEOとアフィリエイトの対策、長期的にはユーザーの検索語句や行動、広告フォーマットの変化に応じられる体制が必要です。もう1つ、商品購入などの比較検討のタイミングがAIとの会話に全て包括されるとなると、最終的にブランドキーワードでの検索が多くなると想定しています。そうなった場合はブランド力やブランドキーワードに対して力を入れることが求められるでしょう。

 

上村氏:ユーザーがサイトに入って情報収集するという行動が減り、AIによるお勧めとして並ぶブランドの中から選択していく行動が増えていく為、今後は広く認知されているブランド力が強いものがより選ばれるようになると見ています。

 

米原氏:さらに商品開発とウェブ上のコンテンツ拡充の観点から、AIの回答に用いられやすいよう、情報を取り揃えておくことが必要になると予想しています。

 

整理すると、アップデートに対応するための社内体制、ブランドキーワードやブランド力の向上、そして広告主様の商品開発とウェブコンテンツの拡充の3つが今後必要になる対策として考えられます。

 

―SEO対策については、「SGE対策」とでも表現するような新たな取り組みも必要なるのでしょうか

上村氏:その2つは同義になっていくと思います。というのも、AIコンテンツではSEO上位の記事を引用・集約して回答するといったロジックが働いています。この観点でいくと、SEO対策自体がSGEに拾ってもらえるための対策になっているという形です。

 

―そうするとSEO対策については従来のものでも十分と言うことでしょうか

米原氏:いえ、そこはやはりAIとの会話を見据えた対策が必要になってきます。例えば、AIに用いられやすい情報をメタデータとして含むといったこともSEO対策の1つとして入ってくるかもしれません。

 

上村氏:AIコンテンツが入ることでSEOロジックもさらに変わってくる可能性もあります。例えば「転職サイト オススメ」でAI検索したときに出てくる回答の引用元はいわゆるアフィリエイトサイトであることが現状多いです。

 

これは1件あたりのクリック単価が高いサイトが上位に来やすいというロジックがあるので、つまりはお金でコントロールできる状況です。ひいてはAIの回答までお金でコントロールできてしまうということになるので、そのような不適切な状況は是正されていくと思っています。

 

実際2023年8月末にはGoogleのSEOロジックの変更がありました。その概要を見た限りでは、個人のブログなどのユーザー体験をより高く評価するようになるという内容だったので、恐らくAIコンテンツについてもいずれこの辺りがリンクするような形でアップデートが発生するのではないかと思っています。

 

 

 

新たな局面をサポートするsearchPJ、電通、デライトチューブの存在

―セプテーニではどういった体制で新たな局面に臨んでいくのでしょうか

上村氏:まずはsearchPJの取り組みです。今回の見解をまとめたのも、このプロジェクトで常に新しい戦い方を広告主様に提供していきたいという思いから始まっています。この活動を通じて、最新の対策が取れる体制が備わっている点が強みの1つです。

 

2つ目が電通との協業により、オンオフ統合を推進できる環境が整っている点です。ブランド力向上の重要性をお話ししましたが、この向上をマーケティング観点で提供するとなると認知や心理変容などに広告がどのような影響を及ぼすかまでを知っておく必要があります。この点は当社で蓄積されている知見と実績に加え、電通との取り組みでそれが大きく加速しています。

 

3つ目がデライトチューブというコンテンツ制作に強いグループ会社の存在です。デライトチューブとの連携により、SEO対策の部分でも、ウェブ上のコンテンツ拡充はお力添えができると思っています。

 

―次々と状況が変化していく中で、代理店に求められる役割も高度化しているという印象です

上村氏:デジタル広告市場は変化が激しいので、最新の戦い方をいち早くお届けすることが広告主様の競争力の基盤になります。そのため、常に最新情報をご提供できるよう尽力してまいります。

 

また今回のお話はGoogleの公式見解ではなく、あくまでセプテーニの未来予想という形なので、まずは正式発表を慎重に待ちつつ、その都度スピーディーに対策が取れるよう体制を強化していきたいと考えています。

 

米原氏:これまでもデジタル領域でのユーザー行動の変化は起こってきましたが、今回のアップデートでは一段と大きな変化になると捉えています。searchPJを基盤として、広告主様との二人三脚で媒体のアップデートやユーザー行動を捉え、最適な対策をご案内できるよう取り組んでいきたいと思っています。

 

 

・セプテーニへのお問い合わせ

https://ln.septeni.jp/XenG7B5

 

・今後のウェビナー予定

https://www.septeni.co.jp/seminarevent/

 

・セプテーニメルマガ登録フォーム

https://bit.ly/3JC32I0

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ABOUT 渡辺 龍

渡辺 龍

ExchangeWireJAPAN 編集担当 立教大学社会学部現代文化学科卒業。大学卒業後は物流企業にて海外拠点と連携し、顧客の輸出入サポート業務全般に従事。 その後、2021年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。デジタル広告市場調査などを担当している。