LINEヤフー、提供開始した「Yahoo!広告 検索広告」生成AIによるキーワード提案機能とは[インタビュー]
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LINEヤフー株式会社は、「Yahoo!広告 検索広告」において、生成AIがタイトル・説明文を提案する機能の提供を開始した。本機能は、広告を設定したいウェブサイトのURLを入力するだけで、生成AIが検索キーワードを提案する機能であり、広告運用の効率化が期待される。2024年3月には第1弾となる生成AIによるタイトル・説明文を提案する機能がリリースされており、今回は第2弾としてのリリースとなる。
LINEヤフー株式会社 検索広告本部広告企画部 南波翔平さんにお話を伺った。
―自己紹介をお願いします。
LINEヤフー株式会社にて「Yahoo!広告 検索広告」のプロダクトマネジメントを担当している南波です。検索広告のサービス企画を行っており、今回生成AIによるキーワード自動生成を担当しました。
―「Yahoo!広告 検索広告」における生成AIによるキーワード提案機能について教えてください。
本機能は、広告主様が広告管理ツール上で、広告に設定する最終リンク先URLを入力すると、そのウェブサイト情報をもとに生成AIが関連キーワードを自動提案するという機能です。広告主様による広告運用を効率化することを目的とし、リリースいたしました。
―現状、広告担当者はどのくらいの時間・工数をキーワード選定に費やしているのでしょうか。
業種や事業規模によって異なりますが、広告の入稿作業はかなりの工数がかかっているのではと推測されます。特に小規模の事業担当者様だと、広告入稿を初めて行う場合、「キーワードに何を入れればいいか」というところからスタートすると思います。そこにハードルを感じている広告主様へのソリューションとして、本機能をリリースしました。
―「Yahoo!広告 検索広告」では、生成AI機能の第2弾として本機能のリリースとなりますが、反響はいかがですか。
リリースしてから2週間たちましたが、利用数は右肩上がりとなっています。ご利用者様の業種は幅広く、特に中小規模の事業者の方々のご利用数が上がってきていると感じています。広告入稿にハードルを感じていたような方々に好意的にご利用いただいていると考えています。
広告代理店様においては、これまで拾いきれていなかったようなキーワードを、本機能で幅広くキャッチする、という使い方もされているのではないでしょうか。
―生成AIによる本機能は、広告パフォーマンス最大化にどのように関わってくると考えますか。
本機能において私たちが主眼を置いているのは、広告パフォーマンスの最大化そのものよりは、広告運用者の方々の効率化・運用工数の削減に生成AIを組み込むことです。
広告パフォーマンスに関してはまだ人間が頭を絞って考えることは必要だと思いますが、うまく本機能を使ってPDCAを速く回し、生成AIを広告運用のサポート役としてどんどんご活用いただきたいです。そこに広告パフォーマンス最大化の秘訣があると思います。
本機能を利用してみて思った結果がでない場合は、ウェブサイト自体に改善の余地がある可能性があります。何かを変えるアクションのひとつとして、本機能のキーワード提案を受けていただくなど、広告運用の一部としてご利用いただければと思います。
―本機能でのキーワード選定のあり方は、広告予算が少ない場合影響があるのでしょうか。
生成AIは広告主様のウェブサイトをベースに、キーワードを提案します。それぞれのウェブサイトにとって適切と考えられるキーワードを選定する仕組みとなっており、広告予算の影響というよりは、ウェブサイト自身がしっかり作り込まれていることが重要になってきます。生成AIの特性ではありますが、商品・サービス内容をしっかりウェブサイトに記載してさえいれば、より「適切な」キーワードが提案される仕組みになっています。
―生成AIが選定するキーワード数はどのくらいですか。
選定キーワード数は、対象となるURLのウェブサイト上の情報量によって変化するため、一概に数字を申しあげることは難しいですが、AIによって提案されるキーワードは、予めYahoo!広告の入稿規定を考慮した内容に絞られたのちに提案されるため、入稿した後に審査で落ちる可能性が減少するメリットもあります。広告主様が入稿規定を考慮する手間を減らし、審査落ちで再度作業するタイムラグを減らすことができます。
※生成AIによるキーワードの提案は、1アカウントにつき1カ月30回までとなる。30回を超えると翌月まで利用ができない。
https://ads-help.yahoo-net.jp/s/article/H000054184?language=ja
―類似したサービスを提供している広告代理店の仕事と重複する可能性については、どのようにお考えですか。
広告代理店様は各社、広告運用に関する膨大なノウハウを持っています。そのノウハウの中でも、拾い切れていないキーワードを、本機能の生成AIが発見することができるのではと考えています。キーワード・広告文の幅を広げるという点でも、広告代理店様にも積極的にご利用いただきたいです。
―本機能は無料での提供となりますが、開発投資回収についてどのようにお考えですか。
「Yahoo!広告 検索広告」の広告入稿自体は無料となります。入稿した広告に対して、一般ユーザーがクリックすることでコストが発生する仕組みです。本機能は入稿自体をサポートする機能となっているので、「多くの広告主様にもっと入稿していただきたい」という思いを込めて、無料でのご提供となっております。中小規模の事業主様や、広告入稿に壁を感じている事業主様のハードルをもっと下げ、広告運用を増やすことで最終的に弊社の収益につながると考えています。
―今後の展開を教えてください。
広告主様の方々の広告運用に関して、工数の削減や入稿のサポートは生成AIとコラボレーションすることで応用が広がっていくと考えています。検索におけるキーワード以外の部分でも、横に展開していく展望がございます。
今回リリースした生成AIによるキーワード提案機能は、先の広告文の提案と合わせて、「広告運用ってハードルが高い」と感じていらっしゃる方に是非使っていただきたいです。今後も、より運用しやすい検索広告を作っていくことを目指していますので、ご期待いただきたいと思います。
ABOUT 角田 知香

イギリス・キングストン大学院にて音楽学の分野で修士号を取得。学校・自治体文化講座等にてアート講座講師として活動後、2024年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。