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こつこつ築くコミュニケーションが発信へとつながる-ジーニー 近村 優氏・小黒 奈那氏

デジタル広告業界で働く広報・マーケティング担当者は、専門性が高く難解な業界用語と向き合いながら、形として見えにくい自社プロダクトやサービスを、日々顧客をはじめとする様々なステークホルダーに、ストーリー性をもって分かりやすく伝え、自社のブランド価値を高めていくことが求められる。

そんなミッションをもつ広報・マーケティング担当者は日々何を考え、どんなことに向き合っているのだろうか。デジタル広告業界の広報・マーケティングのプロフェッショナルにインタビューを行い、彼らのリアルに迫る。第2回は、株式会社ジーニー の近村 優氏、小黒 奈那氏のお二人にお話を伺った。

(聞き手:ExchangeWire JAPAN 角田 知香)

 

 

【インタビュー対象者】

近村 優氏

株式会社ジーニー ブランドデザイン部 広報グループ マネージャー代理

事務職からシェアハウス運営会社の広報、PR会社を経て、事業広報への意欲からジーニーに入社。

 

小黒 奈那氏

株式会社ジーニー ブランドデザイン部 広報チーム

生命保険会社での営業を経て、ジーニーに入社。営業希望であったが広報を勧められ、未経験で広報担当者となる。

 

【インタビュー対象企業】

株式会社ジーニー

広告配信プラットフォームやマーケティングSaaSを開発・提供するテクノロジー企業。主にデジタルマーケティング支援を軸に、アドテクノロジー(SSPやDSP)、CRM、MAツール、AI事業などを展開。国内外に拠点を持ち、アジア市場を中心にグローバルにも事業を展開している。

 

 

-現在ご担当されている業務領域を教えてください。
 

小黒氏:主に社内向け広報を担当しており、社内報やニュースレターの執筆、noteやSNSの運営など、インナーブランディングの領域となります。noteでは社員紹介のインタビュー記事などを作成しています。
近村氏:私は広報グループのマネージャーとして、グループの方針を策定し、3名いる広報メンバーをディレクションしています。

 
 

日々のコミュニケーションから生まれる発信物

 

-インタビュー対象となる社員はどのように選ぶのですか。
 

小黒氏:ジーニーは「9つのバリュー」(価値基準、行動指針)を掲げているのですが、それを体現できている社員が対象となります。人選は人事部と一緒に進めることもあれば、色々な人と話す中でトピックや対象者を見つけることもあります。こういったnoteの業務を始めた当初は、執筆は得意だと思っていませんでしたが、今となっては楽しく取り組んでいます。

近村氏:小黒の社内コミュニケーション力はとても高く、適任だと思います。日常のコミュニケーションや雑談の中から対象者・トピックを見つけてくる力があります。

 

-近村さんはPR会社のご出身ですが、広報の仕事の違いは感じますか。
 

近村氏:PR会社でのミッションは、クライアントの商品・サービスの認知獲得や広告換算額を稼ぐことがメインでした。ジーニーでは、もっと長期的な視点で、商品・会社の認知とともに、良い人材の獲得までつなげて考える必要があります。思想やカルチャーを発信していくという意味で、note施策なども新鮮に感じています。

 

-主な顧客層を教えてください。
 

近村氏:会社としての顧客はマーケティング機能をもつ会社様すべてとなり、事業部ごとにプロダクトが違うことから様々なクライアントがいます。広報としては、やはりメディアと関わることが最も多いです。

 

-会社の雰囲気はいかがですか。
 

小黒氏:若手が活躍できる環境が備わっているので、20・30代の社員が多いです。会社の近くに住んでいて休日も一緒に出かけている社員がいるなど、和気あいあいとしています。一方、仕事現場では当事者意識を強く持って、課題に取り組む人が多い印象です。

 

(左から)小黒氏、近村氏

 

 

「攻め」と「守り」の広報

 

-どのような業務に時間を割くことが多いですか。
 

近村氏:各事業部にマーケティング担当者がそれぞれいるので、彼らと広報チームで定例を行い、情報を吸い上げてプレスリリースに落とし込んでいきます。リリースに向けてのスケジュール調整、社内コンテンツの公開がメインになります。事業部が企画や登壇するイベントについては、運営などは各部のマーケティング担当者が行い、広報がリリースやお知らせの公開を行います。

ジーニーは上場企業であり事業部も多いので、広報としては外への「攻め」と、ブランドイメージをコントロールする「守り」、どちらの要素もあります。各部署との連携が欠かせないので、社内コミュニケーションに比重が偏ることもあります。

 

-業務で注力していることは何ですか。
 

近村氏:ジーニーはSSPから事業を拡大しているので、昔から知ってくださっている方は「アドの会社」というイメージを持たれています。しかし今では、マーケティング支援・マーケティングSaaSやAIの領域を拡大しているので、ジーニーのイメージや認知を変えていきたい、ということに注力しています。サイトの見せ方や、noteの中での表現など、発信物の中でも意識的に変えています。

色々な会社のSNSをリサーチして見せ方を学んだり、イベントでは他社の担当者にブースの作り方や広報発信について質問するなど、自発的にコミュニケーションを持つようにしています。他社であっても親切に教えてもらえることが多く、参考になります。

 

-いま最もPRしたいことを教えてください。
 

株式会社ジーニーは「誰もがマーケティングで成功できる世界を創る」「日本発の世界的なテクノロジー企業となり、日本とアジアに貢献する」という2つのPurpose(企業の存在意義)のもと企業の成長を支援するマーケティングテクノロジーカンパニーです。広告プラットフォーム事業、マーケティングSaaS事業のほか、AI事業にも注力しています。9つのValueを体現した社員たちのエピソードを通じて、会社の紹介をしていますので、ぜひnoteをご覧いただけたら嬉しいです!
https://note.com/geniee_inc?p=2217

 

ABOUT 角田 知香

角田 知香

ExchangeWireJAPAN 編集担当。イギリス・キングストン大学院にて音楽学の分野で修士号を取得。学校・自治体文化講座等にてアート講座講師として活動後、2024年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。