アイモバイルとアソビュー、独自アドプラットフォーム「アソビューAds」を共同開発

アイモバイルは、アソビューと共同で、アソビューが運営する国内最大級のレジャー・体験予約サイト「アソビュー!」内において、新たな独自アドプラットフォーム「アソビューAds」を開発したと発表した。
本取り組みは、アイモバイルが展開する「アドネットワークOEM」ソリューションを活用し、アソビュー!における広告収益化の強化および、広告主に対する新たな価値提供の創出を目的としている。
近年、デジタル広告市場では、3rd Party Cookieの制限やプライバシー規制の強化により、従来のリターゲティング広告やユーザートラッキングに依存した広告運用が困難になりつつある。このような環境変化を背景に、広告主は信頼性のある媒体や明確なコンテキストを持つ広告枠への出稿を重視する傾向を強めている。特に、特定の興味・関心を持つユーザー層を抱えるメディアに対して、直接的な広告出稿を行うことで、ブランドとの親和性を高めつつ高い広告効果を得たいというニーズが高まっている。
「アソビューAds」は、そうしたニーズに応える形で開発されたアドプラットフォームであり、アイモバイルの広告配信技術と、アソビュー!が保有する約1,800万人の会員基盤、高いユーザーエンゲージメントを組み合わせることで、レジャー・アクティビティ分野に特化した広告配信が可能となる。広告主はクリック課金型(CPC)で広告を出稿できるほか、ユーザーの文脈に沿った形で広告を表示することにより、ブランド認知や訴求力の向上が期待できる。
また、「アソビューAds」はセルフサーブ形式の広告配信プラットフォームとして構築されており、広告主は専用の管理画面からクリエイティブの入稿、レポートの閲覧、CPCの調整などをリアルタイムで行える。これにより、広告主は柔軟かつ効率的な広告運用が可能となる設計である。現時点ではβ版として一部の広告主を対象に限定提供されており、今後は機能改善および対象広告主の拡大を図りつつ、正式サービスへの移行を進めていく予定である。
アソビュー メディアソリューション部 部長の四方田朋紀氏は、「アソビュー!のユーザー基盤を活かすために、自社メディアをアドプラットフォーム化する構想は以前から持っていたが、技術面・コスト面での課題が大きかった。今回、アイモバイル様の『アドネットワークOEM』ソリューションを活用することで、迅速かつ低リスクでの構築が実現し、大変感謝している」と述べ、両社の協業によって高付加価値の広告媒体が誕生したことへの期待感を示した。
また、アイモバイル メディアソリューション事業本部 新規事業開発 プロダクトマネージャーの折出敏明氏は、「国内有数のレジャー・体験予約サイトである『アソビュー!』の媒体力と、当社が持つアドプラットフォーム構築のノウハウを融合することで、広告主にとって非常に魅力的な媒体が誕生した。今後もアソビュー様との連携を深めながら、市場のニーズに即したプロダクト開発を推進し、広告業界全体の発展に貢献していきたい」とコメントしている。
今回の取り組みは、媒体社が自社サービスを活用して広告収益化を図る動きの一環であり、レジャー・体験予約という特定のセグメントに特化することで、広告主に対する精緻なターゲティングを可能にする。また、媒体社自身が広告プラットフォームを保有・運営することにより、外部プラットフォームへの依存度を下げ、独自の広告戦略を展開する道を開くことにもつながる。
ABOUT 野下 智之
ExchangeWire Japan 編集長
慶応義塾大学経済学部卒。
外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。
国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。
2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。
2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。



