×

先週のアドテクシーン:電通、二つの資本業務提携を公表

日本国内、アドテクシーン画像



広告テクノロジー業界を定点観測するExchangeWire編集部が、過去一週間に起きたトピックの中から特に注目すべきものをピックアップしてお届けする。

【トップニュース】

電通、二つの資本業務提携を公表

ロゴ電通が先週公表した二つのニュースは、大きな驚きとともに迎えられた。
一つはセプテーニ・ホールディングスとの資本業務提携。10月30日、セプテーニ・ホールディングス社合意のもと、同社の持分法適用関連会社化を目的とし、普通株式を公開買付けにより20.99%を上限に取得を目指すことを公表した。

ロゴまた、翌10月31日には、同社100%子会社のCCIとVOYAGE GROUPとの対等合併による新会社(ホールディングス会社)設立の設立と、同社の株式の過半数(53.07%)の取得による連結子会社化をすることを公表した。

 

電通は2005年にオプトとの資本業務提携を行い、2017年にはこれを解消している。

【アンケートご協力お願い】

ネット広告市場の見通しに関するアンケート調査2018年Q3

ロゴ

★アンケートのご回答はこちらから

■調査対象となる方:インターネット広告ビジネスに関わっている、広告主、広告会社(代理店・メディアレップ・トレーディングデスク)・アドテクベンダー・媒体社に所属されている方。

■ご回答いただいた方には:後日調査結果レポートをお送りさせていただきます。

【新サービス・新機能】

ADK、ユニリーバ向けに日本で初めて 360°動画をTwitter広告用に制作

ロゴADKは、360°動画を制作し、日本で初めてTwitterで広告キャンペーンを展開するとの公表をした。キャンペーンは、ユニリーバ「LUX」の新商品発売を記念したもの。
360°動画は、ファッション動画マガジン「MINE(マイン)」を運営する3Minute社と制作した。動画はMINE Twitterアカウントから10月29日(月)より配信された。

【制作した360°動画イメージ】

図1

出典:同社プレスリリース

CA Wise、リアルアフィリエイトを開始

ロゴサイバーエージェントアドテクスタジオ管轄のCA Wiseは実店舗を活用した成果報酬型広告、リアルアフィリエイトの提供を開始した。
リアルアフィリエイトとは、携帯電話販売店や家電量販店などの店頭において、販売員が直接お客様に広告内容を説明する広告手法。日本全国の携帯販売店(キャリアショップ・併売店・量販店)を中心に約13,000店舗以上のチャネルを通してアプリコンテンツを提供している広告主に提供をする。

サイバーエージェント、Amazon広告に特化した広告運用パッケージの提供を開始

ロゴサイバーエージェントはインターネット広告事業において、Amazon広告に特化した広告運用パッケージを開発し、提供を開始した。
パッケージは、自動入札調整を行う「Bid Optimizer」と、自動で日予算調整を行う「Budget Adjuster (バジェットアジャスター)」の二つ。
図2

出典:同社プレスリリース

【新会社・新組織】

フリークアウトグループ、新会社設立によりクロスボーダーマーケティング事業を強化

ロゴフリークアウトグループは、企業のグローバル化を背景に、日本企業のアジア進出時のマーケティング及び海外企業の日本でのマーケティングを支援する UltraFreakOut, inc.(ウルトラフリークアウト)を設立、クロスボーダーマーケティング事業を強化する。
また、海外マーケティングにおけるグローバル媒体の運用拠点として、マレーシアに Rigoletto Sdn. Bhdを設立する。

【資本提携・買収】

AnyMind Group、LINE、未来創生ファンドからシリーズBラウンド資金調達を実施

ロゴAnyMind Groupは、LINE、トヨタ自動車と三井住友銀行らが主要投資家のスパークス・グループが運営する未来創生ファンド、既存株主のJAFCO Asia、ドリームインキュベータ等を引受先とする第三者割当増資により、総額13.4百万米ドル(約15億円)の資金調達を実施した。
既存プラットフォームである広告・マーケティング・HR事業のマーケット拡大と、優秀な人材の獲得に向けた施策を強化する。また、出資者のLINEとは、子会社AdsAsia Holdingsとデジタル広告の領域で協業を図っていく。

【決算情報】

セプテーニH、2018年9月期決算は増収減益

ロゴセプテーニ・ホールディングスは、2018年9月期決算を公表した。
同期収益は、152億7200万円(前期比+3.9%)と増収となった一方で、営業利益 (Non-GAAP)は10億1100万円(前期比-56.5%)で減益となった。

ネットマーケティング事業は142億3400万円(前年比+2.9%)と増収。現在の注力分野である動画広告、ブランド広告の成長が継続。一方で営業利益40億2600万円(前年比―26.4%)と減益。人材を中心とした先行投資によるコスト増を増収でカバーするまでに至らず、前期比で減益となった。
同社はまた、2018年12月開催予定の株主総会後に、株式会社セプテーニ及び、SepteniJapan株式会社の代表取締役社長に、現セプテーニ・ホールディングス グループ執行役員の清水雄介氏が就任することを公表した。

ヤフー、2018年7-9月期の広告収益は前年同期比+7%

ロゴヤフーは、2018年7-9月期の決算結果を公表。
広告収益は793億円で前年同期比+7%。ディスプレイ広告の伸びが停滞(前年同期比+0.5%)する一方、検索連動型広告が二けた増(同+13.2%)と全体の収益増を牽引した。

VOYAGE GROUP、2018年9月期決算の公表とCCIとの経営統合を公表

VOYAGE GROUPは、10月31日に2018年9月期決算を発表した。
売上は285.1億円で前年同期比+10.1%と過去最高を更新。営業利益は14億2000万円で同-21.4%と減収。
主力のアドプラットフォーム事業は不適切な広告配信先媒体精査の影響により、増収減益。売上は192億5900万円(前年同期比+5.2%)、営業利益は12億9300万円(前年同期比―12.1%)。営業利益は媒体精査の影響分を除けば実質的には前期比48%増と、大きな回復局面にある模様だ。

同社は、決算発表と同時に、CCI社との対等合併による経営統合を公表。2019年1月にホールディングス会社を設立した新体制に移行する。
同社の代表取締役会長には、現 VOYAGE GROUP 代表取締役社長兼CEO宇佐美 進典氏、代表取締役社長には現 CCI 代表取締役社長新澤 明男氏が就任する予定。

【その他】

フリークアウト、「JapanTaxi」アプリからの広告利用目的でのデータの取得・利用を停止、過去取得のデータを削除

ロゴフリークアウトは協業先のJapanTaxiが提供するJapanTaxi』アプリから、広告利用目的での位置情報データを含むデータの取得・利用を停止。過去にJapanTaxiアプリから取得された位置情報データもすべて削除した。

JapanTaxiアプリからユーザーの明確な同意なしに位置情報を取得し、広告配信を行っていたとの、SNS上での指摘を受け、これに対応した。

ABOUT 野下 智之

野下 智之

ExchangeWire Japan 編集長   慶応義塾大学経済学部卒。 外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。 国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。 2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。 2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。